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裁判員候補者の守秘義務の問題、性犯罪被害者の個人情報の問題についての問題が発端となって、今回の騒動となったわけだが、実は、問題は、守秘義務のことだけではない。性犯罪を裁判員制度の対象にすること自体に、大きく無理がある。
裁判員制度が始まった21日、あちこちのテレビで、法廷の様子が映し出されていた。
大きなスクリーンとは別に、裁判官だけでなく、裁判員にも、各席モニターが用意されていた。
大変ショックだった。やはり、裁判員も、裁判官と同様に、ビデオリンク制度を使ったにしても、被害者の顔、表情を見ることができるのか。
また、裁判員は証拠物件を精査することが求められる。写真だけではなく、現物も使う可能性もあるという。そして、証人にも、被告人にも、質問する権利がある。
通常の事件の場合は特に問題はないだろう。事件の真相を明らかにするという意味で、大きな意味はあるだろう。
だが性犯罪の場合、被害者は証人である。もちろん目撃者等がいれば証人となる可能性もあるだろうが、そういう第三者が絡まない場合、証人はほぼ、被害者である。
そして、性犯罪の場合、容疑自体を否認したり、それが無理な場合には合意を主張してくる輩が非常に多い。腹立たしい限りだ。
仮に、加害者が容疑を認めず、検察から証人として採用され、被害者が出廷することになったとしよう。そうなった場合、被害者の精神的苦痛はいかばかりか。
理解されにくいかもしれないが、加害者が法廷にいる、その同じ空間へいくということさえ、あまりに恐怖が強い。たとえビデオリンク制度を使ったにしろ、同じ建物にいるということだけでも、とても、とても、怖いのだ。
さらに、裁判が公開の場である以上、大勢の傍聴人が聞いている中、事件のことを話さないといけないというのは、精神的苦痛が大きすぎる。
それに加え、この裁判員制度で、被害者にとって見られたくない証拠を司法関係者のみならず、一般市民である裁判員にも見られるのだ。忘れ去りたい記憶を、証拠として目の前につきつけられ、さらに質問さえされる可能性がある。どこまで被害者を追い詰めるつもりなのか。
あまりにひどい。ひどすぎる。被害者の方の気持ちを考えると、胸が張り裂けそうな、身が引き裂かれるような思いだ。
このことは、アジア女性資料センター様のサイトで、
「裁判員制度:性犯罪被害者への二次被害のおそれ――ある性犯罪被害者の方からのメッセージ」というかたちで、取り上げていただくことができた。
アジア女性資料センター様、ありがとうございました。
一部生々しい表現が含まれているので、フラッシュバックする可能性がある方は、読むかどうかも含め、体調とご相談の上、お決めいただければと思います。
ぜひこちらのサイトもご覧ください。
※参考サイト 裁判員制度における性暴力事件を考える
裁判員制度が始まった21日、あちこちのテレビで、法廷の様子が映し出されていた。
大きなスクリーンとは別に、裁判官だけでなく、裁判員にも、各席モニターが用意されていた。
大変ショックだった。やはり、裁判員も、裁判官と同様に、ビデオリンク制度を使ったにしても、被害者の顔、表情を見ることができるのか。
また、裁判員は証拠物件を精査することが求められる。写真だけではなく、現物も使う可能性もあるという。そして、証人にも、被告人にも、質問する権利がある。
通常の事件の場合は特に問題はないだろう。事件の真相を明らかにするという意味で、大きな意味はあるだろう。
だが性犯罪の場合、被害者は証人である。もちろん目撃者等がいれば証人となる可能性もあるだろうが、そういう第三者が絡まない場合、証人はほぼ、被害者である。
そして、性犯罪の場合、容疑自体を否認したり、それが無理な場合には合意を主張してくる輩が非常に多い。腹立たしい限りだ。
仮に、加害者が容疑を認めず、検察から証人として採用され、被害者が出廷することになったとしよう。そうなった場合、被害者の精神的苦痛はいかばかりか。
理解されにくいかもしれないが、加害者が法廷にいる、その同じ空間へいくということさえ、あまりに恐怖が強い。たとえビデオリンク制度を使ったにしろ、同じ建物にいるということだけでも、とても、とても、怖いのだ。
さらに、裁判が公開の場である以上、大勢の傍聴人が聞いている中、事件のことを話さないといけないというのは、精神的苦痛が大きすぎる。
それに加え、この裁判員制度で、被害者にとって見られたくない証拠を司法関係者のみならず、一般市民である裁判員にも見られるのだ。忘れ去りたい記憶を、証拠として目の前につきつけられ、さらに質問さえされる可能性がある。どこまで被害者を追い詰めるつもりなのか。
あまりにひどい。ひどすぎる。被害者の方の気持ちを考えると、胸が張り裂けそうな、身が引き裂かれるような思いだ。
このことは、アジア女性資料センター様のサイトで、
「裁判員制度:性犯罪被害者への二次被害のおそれ――ある性犯罪被害者の方からのメッセージ」というかたちで、取り上げていただくことができた。
アジア女性資料センター様、ありがとうございました。
一部生々しい表現が含まれているので、フラッシュバックする可能性がある方は、読むかどうかも含め、体調とご相談の上、お決めいただければと思います。
ぜひこちらのサイトもご覧ください。
※参考サイト 裁判員制度における性暴力事件を考える
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