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被害者の精神症状が理解できる? 「裁判員が“にわか精神科医”になると怖い」と不安を募らせる裁判官 

blogについての説明

まだ、「これまでの経過」や「6/4最高裁・法務省との被害者・支援者側との意見交換会」について、まとめきれていない、書けてないので、初めてこのblogのことを知られた方にはわかりにくかったと思うのですが、

やはり、性犯罪は裁判員制度の対象外にするしかない、という結論に達し、そのために、被害者当事者からの情報発信の必要性を感じ、このblogをたちあげました。
また、被害に遭われた方へのメッセージも伝えたいと思い、「あなたは悪くない」というタイトルにしました。長い時間がたった私でも、今でも、何度でも、言ってほしい言葉なのです。

わたしに起きたことは、もう、どうにもなりません。それを認めるのは、とても悲しく、惨めでさえありました。そう思えるようになるまで、とても、とても、長い時間がかかりました。
ですが、わたしに起きたことは変えられないけれど、他に被害に遭った方が、同じように、もしくはそれ以上に、嫌な思いをし、理不尽な苦しみを受けるのは、あまりに辛すぎます。
なので、法整備等が、後戻りするようなことがあってはならないと思っています。そのために、今後も、活動していきたいと思っています。どうか、よろしくお願いいたします。



それでは、本題です。
昨日、「これは被害者にとってはどうなのでしょうか」と心配された方から、ある新聞をFAXで送っていただきました。見出しはこうです。
「精神鑑定『尊重』か『参考』か 混乱必至  被告の刑事責任能力判断 裁判員には難しく・・・」  
読んで、非常に考えさせられるところが多かったです。

タイトルはちがいますが、同じ内容が、ネットではこちら↓ で確認できるとわかりましたので、記事にしようと思いました。
焦点・FOCUS=裁判員裁判 精神鑑定の扱い迷走 質のばらつき一因 “素人感覚”議論の的ずれ (西日本新聞 2009年6月9日掲載)


(一部引用)
▽刑法「納得できぬ」

昨年11月、東京地裁であった裁判員裁判の模擬裁判は、母を殺害したとして起訴された被告が鑑定でうつ病と診断され、責任能力が争われたという設定。評議では「うつ病がどの程度影響を及ぼしたか」が主題になるはずだった。

 ところが、裁判員役の市民は「うつ病なのに人を殺せるだろうか」と鑑定結果を信用せずに議論を始めてしまった。
 「鑑定を考慮しない議論は、期待される市民感覚ではなく、素人感覚」と傍聴していた裁判官は頭を抱えた。「裁判員が“にわか精神科医”になると怖い」と不安を募らせる裁判官もいる。
 別の模擬裁判では、裁判員役が「責任能力がなければ、人を殺しても無罪になるのは、やはり納得できない」と語り、裁判の前提となる刑法の規定に疑問を呈した。

 ベテラン裁判官は「責任能力の判断はやはり難しい。裁判員裁判の準備が整ったとはとても言えない状態」と漏らした。


わたしがこの記事を読んでまず思ったのが、被害者についても「にわか精神科医」となった裁判員によって、勝手な判断を下されることが、とても心配だということです。

アジア女性資料センターさまで掲載していただいたメッセージ(※一部生々しい表現があるため、全文読む際には、フラッシュバックの可能性にご留意ください)  にも書いたとおり、
私は、大勢の傍聴人がいる中、一般市民である裁判員に、見られたくない証拠を見られ、あれこれ質問されることが、被害者への二次加害となりかねないという懸念を強く抱いています。
司法制度そのものを大きく退行させるようなものだとも思っています。

性犯罪の被害者は、特殊な心理状態に陥り、周囲が予想する行動と矛盾しているような行動をとったりします。
これは、何らかのレクチャーを受けないと理解不能なほど、心身へのダメージが深刻だということでもあり、また、やはり世間の「常識」は、何らかの「神話」にもとづいているということでもあります。
先の記事でも書いたように、性犯罪の場合、被害者の「落ち度」を探し出して責めたてるのはその典型ですね・・・。

(再度引用)
評議では「うつ病がどの程度影響を及ぼしたか」が主題になるはずだった。
ところが、裁判員役の市民は「うつ病なのに人を殺せるだろうか」と鑑定を信用せず議論を始めてしまった。



ここを読んで、ぞっとしたのは私だけではないと思います。
だんだん世間に認知され理解がすすんできた「うつ病」でさえ、勝手な憶測と思い込みで議論されているのです。鬱は攻撃性と密接につながっています。よそへ向けるべき怒りを、ためこんだ結果、自分に向けてしまう、つまり自分を攻撃の対象とするために、鬱になるのですから、症状によっては、他人への怒り、攻撃へと転じるのは充分考えられるはずです。
ですがこう判断できるのも、わたしが被害に遭い、鬱を経験したから、ある程度の知識が身に付いたわけで、鬱病を理解していない方には、確かに難しいのでしょう。

では、それ以上に、理解が全くといっていいほどない性被害については、いったいどういった疑問がおこるのか。 本当に恐ろしいとしか言いようのない事態です。
性犯罪への偏見、被害女性の落ち度論は言うまでもなく。
被害後の特殊な心理状態、症状への理解がないため、被害者叩きが評議でも行われ、結果、判決へとなると思うと、
もう本当に、絶対に裁判員制度には性犯罪は無理だ、とひしひしと思います。

(再度引用)
「裁判員が“にわか精神科医”になると怖い」と不安を募らせる裁判官もいる。



こちらの現場の裁判官の方は、とても率直に発言されていると思いました。
妥当な判決を下そうと、真っ当に職務を遂行されるのには、精神医学の知識等の特殊な要素がからめば、難しいということだと思います。
特殊な知識がある程度ないと、まともな判決に結びつかないこともあるのに、それができなくなるのではないかと、懸念されているのではないでしょうか。

裁判員制度の中で取り上げられてきたのは、裁判員がPTSDを発症するのではないかとか、守秘義務の負担が重すぎないかとか、そういう報道はたくさんありました。
またこの記事のように、被告人の刑事責任能力の判断だとか、被告人を「裁く」ことを心配した報道もたくさんありました。

ですが、刑事事件で一番ダメージを受けているのは、被害者です。
そして、逮捕後、留置所や刑務所にいる被告人とは違い、
被害者は、被害直後からも、現実に生きて生活していかなくてはならないのに、そこには全く焦点があてられていないことが、残念でなりません。
強い疑問と憤りを感じるとともに、何とかならないものか、と焦りを感じます。

タイトルに書いた、「一般市民である裁判員に、被害者の精神症状が理解できる?」という問いへの私の答えは、「残念ながら、無理に決まっています」、です。

被害者をよく知っているはずの家族にさえ、恋人にさえ、友人にさえ、わかってもらいにくいのが現状です。
精神医学的にも、性被害については、日本はまだまだこれからです。それが少しずつ少しずつ進んできている段階であって、まだまだ世間一般への理解なんてほど遠いのです。
専門家でさえ、性被害に対応できる精神科医カウンセラーも、どこもかしこもいないという状況なのに、何の理解もない一般市民が性犯罪を裁くなんて、どう考えても、無理だと思うのです。

再度、引用です。

「医師によって鑑定の質にはばらつきがある」



全ての精神科医が、正しい知識と判断を下せるわけではないのは、精神鑑定に限らないということではないでしょうか。
性被害による精神症状やPTSDに関しても、同じではないでしょうか。

(再度引用)
ベテラン裁判官は「責任能力の判断はやはり難しい。裁判員裁判の準備が整ったとはとても言えない状態」と漏らした。



本当に、裁判員裁判、いったいどうなるのでしょう。 準備が整うどころか、どんどん欠陥が発覚していっています。
国の制度不備で、一番迷惑するのは、当事者です。
なにより、いちばん困り迷惑するのは、罪をおかしてもいない、何も悪いことはしていない、被害者なのです。
特に、これだけ理解が世間にないことを考えると、どう考えても、性犯罪を裁判員裁判で裁くのが適切とは思えません。

なんとしても、性犯罪を裁判員制度の対象から、外していただきたいと思っています。
それができるまで、きちんとした準備ができるまで、延期してほしいと強く思います。

国の都合で、被害者を苦しめるのは、間違いです。
被害者は、好んで被害に遭ったわけではないのです。 加害者に傷つけられ、警察や検察でも傷ついてきた被害者を、国がそれ以上追い詰めてどうするというのでしょうか。
刑事裁判は、国が被告人を裁く、ということだけではなく、被害者が人生を取り戻すツールとならなくてはいけないのではないでしょうか。
どうかそのことを、真剣に考えてほしいのです。被害者の存在を、忘れないでほしいのです。
わたしたちは、ここにいるのです。ここに、生きているのです。





ぜひこちらのサイトもご覧ください。
※参考サイト  
裁判員制度における性暴力事件を考える 
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    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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