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警察も検察も司法も、「正義の味方」じゃないという現状  1

告訴の件

 秋田地検に刑事告訴した際の担当はI検察官だった。事情聴取のたびに同じことを何度も聞かれた。彼がなかなか調書を取ろうともしないのは、被害者がしびれをきらして告訴を取り下げるよう仕向けるためではなかったかと勘繰られても、仕方あるまい。

 あるとき、「KYさん(※引用者注/加害者のことである)に聞いたが何もやっていないと言っている。目撃者もいないし、証拠がないかぎりどうしようもないんだよ」と言われた。

「僕はあんたから金をもらってるわけじゃないし、あんたのためにこの仕事してるわけでもないんだよ」とも言われた。自分の給料がどこから出ているかまさか知らないわけではあるまい。

 検察官や警察官といった人たちが必ずしも正義感に基づいてそのような職種についているのではないことを、私たちはもっと知る必要がある。
 ときには男として、世の男たちの利益を守ることを優先したいときもあるのだろう。


 ほんの出来心だったかもしれない行為で罪に問われ、教授が社会的に抹殺されることになったら気の毒だ。自分だってどこかの女にそういうことを仕掛けるかもしれない。それを大げさに騒がれ刑事告訴までされたらたまったもんじゃない。女の訴えこそが社会の秩序を乱すものである。そんなふうに、彼は考えていたのではないか。

 私の代理人であるF弁護士に、事情聴取の際は被害者の気持ちを思いやり人道的にという趣旨の要請をしてもらえないか、あるいは事情聴取に立ち会ってくれないかと頼んでみたが聞き入れてもらえなかった。この案件に関しては僕だっていまいち気がすすまないんだ。もう勘弁してくれよ・・・彼の態度もまたそんなふうに受け取れて、私は悲しくなった。

 そのような感触は、職場の男性たち、当時支援の立場をとってくれていた男性たちにも共通しているように思えた。
そしてまさにこのような男性たちの主導によって社会が動かされていることに気づき、暗澹とした気分にさせられた。

 結局、嫌疑不十分で不起訴になった。被告側がそれを民事裁判の好材料として使ったのはいうまでもない。


「セクハラ神話はもういらない 秋田セクシュアルハラスメント裁判」 p85-86 原告の手記―秋田の地で春を待って
                                           (※強調は引用者による




性犯罪に遭ったあと ― 被害者をうちのめす悲惨な現状でも書いたが、
秋田事件は、「性被害にあうと被害者はこう行動すべき」という「想像の産物の被害者像」を打ち砕いたという点で、大きな意味を持つ事件だ。

だが、民事裁判だ。刑事裁判ではない。刑事裁判では、旧態依然のまま理不尽さが相変わらずまかり通っている。捜査の過程である警察検察の時点で、はねつけられ、事件として受理さえされないのだから。


民事裁判では、秋田事件を始めとして「想像の産物の被害者像」を打ち砕いた裁判が相次いだ後は、だいぶ意識が変わってきているが、それも裁判官次第で、かつ、原告側、つまり被害者が相当に頑張らないとダメだ。

犯罪行為なのに、どうして刑事裁判ではなく、民事裁判でしか裁かれないのかということを、私たちはもっと真剣に考える必要があるのではないだろうか。

秋田事件では、こうして、強制わいせつ罪としては、事実はあきらかなのに不起訴になり、刑事裁判で争うことはできなかった。そして、民事裁判で一審判決が敗訴した。
その後の控訴審では、東京の三人の女性弁護士による最強の弁護団と、全国からの多くの支援者を得て、「想像の産物の被害者像」を打ち砕くことができ、全面勝訴した。

だが、本来、刑事事件で裁かれるべきなのに、民事事件でしか裁けない現状は、残念ながら今も変わっていない。そして民事事件の場合、原告である被害者側に、想像を絶する負担がのしかかる。書面を100ページも200ページも作らないといけない。被害のことももちろん書かなくてはならない。孤独で、そして、あまりに辛い作業だ。
証人も集めなくてはならない。加害者側は異常としかいいようがない反論に出てくる。名誉毀損として逆告訴したりするのだから。

加害者側の言い分は、刑事も民事も一緒だ。
曰く、
「恋愛関係だった」「合意の上」「相手も喜んでいた」「相手は性的に潔癖でない」「相手から誘ってきた」「被害者はおかしな性格だ」「嘘つきだ」「妄想だ」等々、呆れかえる。
まるで血がつながっているかのように、加害者たちは同じことを主張する。

この本には、検察官の心無い対応が書いてあるが(私も経験したが)、現実に起きているのは、これが特殊だということではないのが、非常に残念だ。あまりに多い。

まず最初の段階で関わる警察も、あまりにひどい。それは身をもって経験した私が重々承知だ。(色々と資料を選んでいる最中なので、また別途述べます)

裁判官も弁護士も、もちろんひどい。


前のエントリで「警察は賢くない」と書いたが、正直に言うと、書くかどうかかなり迷った。現在、警察と関わっている段階の被害者の方、これから相談するかどうか迷っている被害者の方のお気持ちを乱すようなことになるかもしれないと思ったからだ。

それでもあえて書いたのは、何か違和感を感じたり、嫌な思いをしても、自分を責める方向にいってほしくないという思いで書いた。賭けといっていいかもしれない。
お気持ちを乱すようなことをしてしまったら申し訳ないと心から思う。
だけど、現状がこうなのだ。

だから、助けてくれるはずの警察や検察や司法に違和感を持っても、嫌な思いをすることがあっても、これが普通で自分が変なのか、自分だけこういう対応をされるのか、というふうに、どうかご自分を責めないでほしい。
どういう事情であっても、危害を加えた、暴力を加えた、加害者が悪いのであって、被害に遭った方は、何も悪くないのだから。
無理解な警察も検察も司法も、変わらなくてはならないのだし、変わるべきなのだ。


ぜひこちらのサイトもご覧ください。
※参考サイト  
裁判員制度における性暴力事件を考える 
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福祉を真面目に考える方々について ― 「左派」の方々や、研究者等の方々

前の2つのエントリで、さんざん「警察は賢くない」「非現実的」と書いたけれど、私が考慮に入れていなかったことがあるので、そのことを書こうと思う。

私が「賢くない」と書いたのは、ふつうの警察のこと。公安警察とかは正直、考えていなかった。

「非現実的」と書いたのは、違法物に関わっていないのに、「Santa Fe」のようなものが家にあるかどうか、アルバムに子どもの裸がうつっていないかで大騒ぎする一般人の方のこと。

「左派」といわれる政治的活動をしている方々のことは考えに入れていなかったです。
これは正直申し訳なかったと思います。

公安警察のことは、個人的に一人しか知らないけれど、確かに普通の警察とは違うと思う。
あまり知らないので詳しくは言えないけれど。


昔の、学生闘争時代とかその影響があった時代は、「左派」とされる方々が、睨まれていたというのは知っていたけれど、今でもそんなことが起きているとは、知りませんでした。
そのあたり、教えてもいいという方がいらしたら、教えられる範囲でいいので、教えていただけるとありがたいです。


わたし個人としては、自民党は、与党というだけであぐらをかいていて、今までろくなことをしてこなかったのだから、むしろ政権交代は積極的にしてほしいと思っている。
かといって、それだけを目当てにあおるようなことをして、ポイント稼ぎのようなことをされるのは、実際の被害者をないがしろにする行為だから、嫌だと思った。期待していただけに、単純には民主党を応援できなくなった。何人も自死を選ばれた方が出ていて、重みが違うのだから。

だけれど、自民党はダメだという点を考えると、現実的には、今後はやはり、民主党には頑張ってもらわなくてはと思う。くれぐれも自民党化しないように気をつけてもらいたいけれど。
 (なぜか私を、自民党派と思っている方が多いので、それは違うと申し上げておきます。
  純潔主義とさえ思っている方の存在には驚いてしまう。純潔主義なんて何の役にも立たない。)

そして、左派とされる方々は、もっと評価されていいと思う。
弱者の視点で世の中を考えて追及していくと、一度は左派の良さに気付く人は多いと思う。

昔、とある問題(教育、福祉、労働などに関すること)を調べなくてはならなくなったのだけれど、当時、書籍ではろくな資料はなかった。情報が古すぎた。
ではどういうどころから資料を得たかというと、
今ほどネットが発達していなかったというのもあるだろうけれど、問題が表面化する何年も前から、国際比較や実際例など、地道に純粋に熱意をもって研究されていた、いわゆる「左派」とされるサイトだった。質、量ともに、他を圧倒的に凌駕していた。
自民党とか何やってんだ、って思ったのは、これがきっかけだった。


なので、誤解をおそれずにいうと、私は、むしろこういった「左派」とされる方々に、建設的野党ということで頑張ってほしいと思っている。


そして、児童性虐待画像映像の件で、そういった研究をしている人はどうなるのかという問いを頂いたけれど、それはまた保護するべき人たちだと思う。

荒唐無稽と思われるかもしれないけれど、許可制とか登録制も必要なのではないだろうか。
劇薬等がそのようになっていることを考えると、違法なものという扱いでは同じだろう。一般人が簡単に手に入れられる状況が問題なのだから。

全く性的な意図がないにしろ、そういう意図がある悪意ある人々の存在を考えると、親を含め、大人たちはもっと意識を高めたほうがいいと思うのだ。

古きよき時代の感覚で(実際にはそうとされる時代にも虐待も性虐待もたくさん起きていたのだけれど)、子どもを裸で遊ばせていたりする保護者を見ると、どっきりする。
男の子であっても、女の子であっても、危険は危険だ。変なのに写真を撮られて、それこそ「ポルノ」として扱われる可能性を考えるとそんなことはできないはずだ。

こんな世の中になったこと自体が悲しいけれど、子どもたちは自分で身を守る術を持たないのだから、大人たちが守らなくて、どうする?と私は思うのだ。

別館をたちあげました

ブログの別館をたちあげました。

裁判員制度で性犯罪の扱いに問題があるということがきっかけでたちあげたブログですが、
問題の根底が共通していたりするところにはどうしても首をつっこまざるをえなかったのです。


私の願いは、被害に遭われた方に、生きて人生を楽しんでほしいということです。
それが一番なのです。


そのためには世間に理解を求めていきたいし、
また、すこしでも元気を出してほしいです。


幸いブログの存在自体が励みになると仰っていただくこともあり、とても嬉しいです。

ただ、いろんな回復段階の方がいらっしゃるので、こちらはなるべく、あたたかいブログにしたいと、やはり思いました。

こちらのブログからも世間に理解を求めていくことはしたいとは思っています。それは皆様と同じ気持ちだと思うからです。
情報発信は一切やめるということではありませんし、性被害、性犯罪の現状を伝えていくことは、皆様にも役立つところがきっとあると思うからです。



ただ、話題性が高かったりして、どうしても衝突が多いところは、別館の方で情報発信を今後はしていきたいと思います。

別館の方では、FB注意等の注意書きはないので、もしご覧になる場合は自己管理にじゅうぶん気をつけてお願いいたします。

別館 → 「あなたは悪くない」別館  芸のないタイトルですみません(^^;;;

ポルノではなく、子どもへの虐待です ~児童ポルノを巡る齟齬~ (追記あり)

7/19追記 
別館たちあげましたので、今後コメント等はそちらにお願いします。

「あなたは悪くない」別館


7/18追記 
おわかりでない方が多いようで残念ですが、この記事は前の記事に対するブクマ等への返事と感想です。つまり前の記事の続きという位置づけなので、前の記事を読んでいただかないと私の申し上げたいことはわからないと思います。
日本語が読めるのでしたら、きちんと読んでください。読んでいない方ほどおかしなことを仰っていて残念です。
前の記事→問題点を整理して考えないといけないのでは? 冤罪と暴力犯罪   (追記あり)

批判するのはご自由ですが、今出回っている、そして今後も出回るであろう、児童性虐待の画像や映像をどうやって根絶するのかを考えて頂けないでしょうか。それを考えずに自分の仰りたいことだけを言われても困ります。

端的に言えば、私は 「論点を整理しよう」 「適当な非現実的なことを言って不安をあおる議員にだまされないでほしい」と言っているだけです。
「感情的」と批判している方ほど「感情的」のように思え残念です
。 
                                                   (追記ここまで)





まず、先のエントリについたコメントへのお返事から始めようと思います。

どうやらストレートにぱんぱん言わないとわからない方々が思ったより多いようだ。歯に衣着せるのはやめよう。
だけど真剣に考え始めてくださった方もいらっしゃるので、昨日涙しながらエントリをあげた甲斐があったというものです。ありがとうございます。


ブクマへお返事

mfigure *これはひどい, 差別, 人権 男女差別のわけないだろ。冤罪は女にも降りかかる可能性があるのにな。男が悪いという考え自体差別だ。 2009/07/17

女には冤罪ないなんて言ってないですけど。ただ「冤罪が恐ろしい」と騒いでるのは男性諸氏なのは事実なんじゃないかと思います。女性で騒いでる人、噴飯ものだと思うけど、誰かいるのですか??教えてくださいな。
「男が悪いという考え自体差別」→意味がわかりません。あれほど言ったのに読んでないな。転載禁止のようだから、ちゃんと ↓クリックして読んでください。
女性に対する暴力の問題に取り組むとき
セクシャル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンス〝男も被害にあう〟という落とし穴


ついでにこちらもあげておこう。痴漢冤罪のことも載っているので。
被害をなくすためにできること

わたし個人としては、女性が加害者になることもあるけれど、児童ポルノに関しては、そういう需要があるから児童性虐待が起きるわけで。「そういう需要」は圧倒的に現在男性による需要だと思うのですが。
いかがでしょうか??


hate_flag 「警察はそこまでヒマじゃない」っていうけどさ。警察が法を恣意的に運用するのは目に見えてるわけだし。これ以上ポリスメンに好き勝手できる強権を与えちゃうのは危険だと思うんだ。だから反対。 2009/07/17

「恣意的に運用」とは、たいへん漠然としていますが、具体的にはどのようなことを指して「目に見えてる」のでしょうか???
未知のものへの恐怖はあるかもしれませんが、まず未知のものを既知にするよう努力なされたらいかがかと思いますが。
「ポリスメン」は、前科のない一般市民に、「あの人が変な画像持ってます」の通報がありしだい、即出動して家宅捜索するとお思いか??任意の事情聴取もすっとばして?
家宅捜索には裁判所の許可がいるんですけど、ご存知でしょうか?家宅捜索にはかなり人手もかかるし基本は誰かの立会いがいるらしいですが。
警察にも、動くかいがあるくらいの「利益」がいるのですよ。

たとえば、暴力団関係者、などには、別件逮捕したいときに使われるのはあるでしょうね。
でも児童性虐待(世間で言う児童ポルノ)に関しては、そういう方々も少なからず関わっていらっしゃるわけだし(ビビリながら書いてますが)、児童保護の目的としては適っていると思うのですがいかがでしょうか?

皆さんは警察の事情、もとい、犯罪者の事情を知ってるのかな?
例えば一つくらいの前科では簡単に動きませんよ。もちろんその内容にもよるけれど。
一般人からすれば「ありえない」という前科の持ち主でも「初犯」扱いして軽いランク(どうやらランクがあるらしい)の刑務所からスタートらしいです。

それとも何か後ろ暗い過去をお持ちの方が、私が思っている以上にすごくすごく多いのかなあ??そんなわけないですよね??


こういう穿った見方はしたくないですが、政治家にとっては恐怖、脅威の法律でしょうね。
だって政治的な絡みで、何らかの疑いがあっても、家宅捜索とかは今まで踏み切れなかったのが、もしかしたらそういう口実を作ることができるかもしれないわけで。

でも、そこまでいくかなあ??警察は権威のあるお方たちとは仲良くしときたい組織だと思いますけど。警察だけじゃなくて検察も。
そういうエントリもあげる予定なのでよろしくお願いします。


悲しい感想。

ポルノじゃなくて、虐待であり暴力であり犯罪ということがちっともわかってないな。
その意識がまずいと言っているのだよ。

あえて、レベルをあわせて「ポルノ」のカテゴリに入れるのならば。
好ポルノ権があるなら当然、嫌ポルノ権もあるわけで。
そのあまりに不均衡な社会に身を置いていたことをまず考えることから始めなくてはならないのではないかな?
日本ほど「ポルノ」が氾濫している国はないのだから。

タバコの喫煙権と嫌煙権の問題も、他国と同レベルになるにはものすごく時間がかかったけれど。まだまだだしね。

でも、もっと深刻な問題だよ?
子どもへの虐待であり、国内問題ではないのですよ?
しかもずっとずっと前から言われてたことなのですよ?

「児童ポルノ」という名称ではあるけど、「児童性虐待」なんですよ?現実に起きている暴力犯罪なんですよ?
それを保護するための、阻止するための法律ですよ??
実際に起きている虐待に対する法律ですよ?

「ふつう」に暮らしている、一般男性の家に踏み込む踏み込まれないの話ではないのですが。

誰に乗せられてるのかな?ご自分の頭でちゃんと考えていらっしゃるのかな?
政治に参加しているつもりで、政治家に利用されるのはどうかと思います。

話がどんどんずれていっているのを、どう思うのでしょうか。本末転倒という言葉をご存知かな?
たとえば会社の会議とかで、当初の目的を逸脱した話し合いがなされていても、黙って見ておくタイプなのかな?ふーん。出世できないと思いますが。どうでもいいけど、いちおうの心配は伝えておきます。

まあ、そんなに冤罪が怖いのなら、冤罪冤罪ふせげ、と叫ぶだけじゃなくて、両立する方法を考えたらいかがでしょうか?
どっちを優先すべきかというのもおわかりでないのかな?

冤罪を防ぐあまりに、現実に起きている虐待を今までと同じく放置せよと、仰るのかな?
・実際に起きている性虐待をどう対応するのか
 (現在もまだ流通し続けている違法の、性虐待映像や画像をどう根絶するのか)
・冤罪をどう防ぐか
 (プロバイダも色々考えているようだし他国の事情も勉強してみてはいかがかな?ただ日本はポルノ天国なので他国と同レベルの摘発には到底いかないと思うけど。)

日本国内だけの話じゃなくなってるのに、ちっともわかってないな。国内問題が国際問題につながってるのですが。
鎖国するなら他国の皆さんには少なくともご迷惑はかからないけど、ネット社会で、そんなのできないことだから、問題になってるのですが。
そのあたりわかって発言されているのかな??日本だけ違うことをするのなら、他国の皆さんにご迷惑をかけない方法も一緒に提示していただけますか?

「単純所持」を警戒するのではなく、「単純すぎ」を警戒なさってはいかがかな??

もう一度繰り返しますが、皆さんの性欲を、保護する目的でも処罰する目的でもないのですよ?
もともとは、実際に起きている子どもへの虐待をどう防ぐのかという法律なのですよ?

それがここまで話がずれてきているおかしさ、日本人の国民性となってしまっている意識を、まず考え直す必要があるのではないでしょうか??

親にも誰にも言えない子どもが多いのに、いつ身近な人が被害者になるかわからないのに、それでも今と同じ主張ができるのでしょうか?ご自分の子どもやきょうだいが被害者になって画像や映像が出回っても?

今慌ててバタバタ摘発されてるのも、何らかの「ポーズ」だと思うことも大切。
何かが社会問題化するときには必ず起きる現象。これがいつまでもどこまでも続くとお思いか?
そう思わせることで何らかの思惑が動いているのかもしれないよ?

なんて情けない国だろう。

問題点を整理して考えないといけないのでは? 冤罪と暴力犯罪   (追記あり)

7/19追記 
別館たちあげましたので、今後コメント等はそちらにお願いします。

「あなたは悪くない」別館





なんだかな、と思いつつも様子を見ていたのだけれど。
解散見越して、廃案かあ・・・。どうやら確実の様子

実際に被害をこうむった人がいるのに。
しかもそれは守るべき子どもたちなのに。
日本がちゃんとしないから他国の皆さんにも多大なご迷惑をかけているというのに。

自分が持ってるコレまで問題なのか?
彼(ら)が持ってるコレも?

ってな感じで、

(オレたち)男はどこまで我慢しないといけなくなるのか??
どれだけ手間ヒマかけないといけないのだ??

という話にすりかわっていた。

都合のいいところだけ切り取って、大げさに書いて、あおるようなエントリをあげている議員を見て、ため息ついていたけれど。まあ仕事だからね、とは思っていたけれど。
それにあっさり乗せられている人、乗せられていく人があまりに多いことに、深く、深く、ため息、ため息。
この方は「子どもの件に関しては詳しい」って本当かな?とかなり疑いを持ってしまった。かなり穿った見方だとは思うけれど。わざとやってる??とさえ考えた。

与党案と民主党案、どっちもどっちだな、と私は思っていたのだけれど。
で、なんとか修正協議されている、というのでヨシヨシと思っていたのに。いつまでも「どこまで我慢するか」をゴタゴタぐたぐた言っていた。
なんとか所持禁止に持っていけたかな、と思ってたのに。結局は衆議院解散で、廃案かあ・・・。
過去の所持について確か処罰するかどうかだったけれど。
振り出しに戻る。なんだかホッとした感が漂っているように感じるのは私だけだろうか。穿った見方であることを祈る。いや穿ってないな。これが選挙の争点になると見越したのだな。
次の国会ではきちんと論点を整理してほしい。

今のところ、まさに、女性差別の解消を男性が邪魔している現実。

痴漢冤罪と同じだ。こんなこと言いたくないけど、「冤罪ブーム」にのってるのでは?
冤罪で何十年もムダにされた方を否定するつもりはない。心からお気の毒だと思う。「ブーム」なんて言葉も不謹慎だと自分で思う。

だけど。冤罪冤罪と警戒するあまり、実際に傷ついている人がいる犯罪の問題の解決を遅らせているのも事実。

ここに書くのもためらわれるけど(倒れそうになるので、ご存知ない方は検索しない方がいいと思います)、あえて書く。
悪名高い「関西援交」事件は相変わらずだ。加害者が逮捕された後もずっと今も流出し続けている。逮捕される前はもっとひどかった。堂々と「これはすごい!」と興奮しているサイトがどれだけ多かったか。かなりショックだ。ひどすぎる。
そして、似たような事件はたくさんたくさん起きている。そういう事実を知った上で、皆さん発言しているのか?かなり疑問だ。

子どもだけじゃなくて、性被害に遭うとき、写真や映像を撮られ脅されていることが多いのも事実。
それが一生引きずる傷になるのも事実。どこに出回っているかわからない恐怖。

アグネス・チャン氏の発言を都合のいいところだけ切り取って揶揄するかのような表現が多いのも悲しかった。「私の後ろにたくさんの被害者がいる」  この切実な気持ちをわかろうともしない。
「これだからオンナは」「「外国人だから」、もっと言えば「変わった子育てしたオンナだから」という差別目線、もしくは戸惑いがあちこちで見受けられた。

私の文章よりこっち↓ の方がわかりやすいだろう。どうやら私のことも「これだから被害者は」と見ている人が多いようだから。転載禁止のようなので、リンクをきちんと読んで欲しいと思います。

女性に対する暴力の問題に取り組むとき
セクシャル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンス〝男も被害にあう〟という落とし穴
 

まさにこの通りのことが起きている。

冷静に考えて。冤罪冤罪と騒いでいるけれど。そこは分けて対処を考えればいいのに。
まず、そこまでいくかな?と私は思うのだけれど。莫大なコストもかかるだろうし、人手もいる。手間は半端ない。誰がやるの?

それに家宅捜査は大変らしい。だから、よほどでないとしないと思う。
いくら警察が賢くないとはいえ、そんな手間のかかること、余計な問題がさらにおきそうなことを、バンバン簡単にするほどヒマではないだろう。そんなことに沢山時間かけられるほど、日本は治安良くないから。
なにより問題おきないよう冤罪おきないよう手際よくやれるほど日本の警察は賢くない。残念ながら。同じことを何人も何度も訊いてくるの。全く人の話聞いてないから。頭悪すぎだから。

というわけで、警察がやりたがらないから、大丈夫。っていうか警察官も困るだろうし。今びっくりするくらい手際よくあちこちで(無意識なのか意識的なのかわからないが)作用しているような男同士の見えない連帯感が働くから大丈夫なんじゃ??
まあやるとしても検挙率をあげるためのパフォーマンス的位置づけなんじゃないだろうか。
すごく低いです検挙率。日本がどんなに治安悪いのか、それを知ることの方が先だと思うけど。しかもその検挙率にさえ入ってない犯罪がどんなに多いか。

この不況ど真ん中に、そんなヒマなことやるかな?

やらないだろう、というのが私の考え。
新たな雇用がうまれるなら、とも考えたけれど、ど素人に何をさせるんだ、って話になって余計問題が大発生するのが目に見えてるし。

ちなみにさんざん私に、古典まで規制されたらどうするのだ、と言ってこられたけど。また言ってこられた方が純粋に古典を守ろうとしてるとは思えないのも事実。本気で守りたいなら私に言われても困る。その道の専門家に頼ってください。古典ねえ。
古典を規制するとなったら、大学入試問題も大変。古文単語集やら古語辞典も参考書もアウトになる。過去問やらも廃棄処分?教科書も大変だ。かなり非現実的。
大人の都合にふりまわされて、さまよう受験生が困る事態が発生。となると教育ママが黙ってないから大丈夫。予備校やら塾やらも大変になるから大丈夫。
センター試験も過去問も古文問題作成も大変になる。どこの大学も大変。
大学入試だけじゃなくて高校入試まで簡単な古文あるし本気で規制するのは大変だと思う。大変、のひとことに尽きる。
とりあえずそんなことになったら、まず、食べていけない国文学者が続出するから大丈夫なのではないでしょうか。アニメや漫画とは歴史の長さが違うのだから。
もっというと、万葉時代くらいから前の皇族の婚姻関係を調べてみればわかると思うけど、古典を規制していったら、かなりやばいところにまでいっちゃうので、ウヨクさんが黙っていないのではないでしょうか。私は知りません。古典に関しては、私に頼るよりそっちの方が有効なんじゃ。
自分の守りたいものを守るために、古典まで持ち出す必要あるのかな?

ふーー。ネットでは普段会えない人にまともな人に会える、と聞いていて確かにそうかもと喜んでいたけれど。なんだかな。がっかり。すごくがっかりした。悲しい。わざわざ言うのもなんだかなと思ってたけど、ちょっとあんまりだ。余計傷は深い。

似たようなことは今までもずっと起きている。
虐待が社会問題化したとき。叱ることと言葉の虐待をいっしょくたにして、子どもを甘やかすのか、云々。
DVもそう。家庭内の問題に立ち入り調査するのか、プライバシーの侵害だ、って。
セクハラ。未だに根本的な認識がなっていないようだけれど、冗談も言えないのか、って騒ぎになったし、今もあまり変わっていない様子。

どうして誰も、「問題を整理して考えよう」「問題を分けて考えよう」と言わないのだろう。
そういう声があがることを期待していたけれど、どうやらその気配はない。

たぶん同じようなことを考えているのだろうと思ったのがこちら↓。 こちらの方が私の文章より受け入れやすいだろう。

壇弁護士の事務室―児童ポルノとは  ※強調は多面体による。全文読むことをオススメする。

そもそもは、児童の保護を目的とした法律である。
私自身は、児童ポルノ、特に児童買春は処罰すべきと思う。大人として分別ができるようになるまではパターナリズムは必要である。
(略)
ただ、児童ポルノ禁止法は、最近は、児童保護そっちのけである
しかも、ネットがらみの無理な法解釈があいまって、何となく変な性欲処罰法となっているような実感である。そのことの是非はともかく、児童ポルノを傘にした警察の利権拡大や議員のポイント稼ぎは許されない
(略)
ただ、疑似児童ポルノの処罰が立法化されて、人が書いた漫画の人物の設定年齢を争うような、むなしい弁護というのは勘弁してもらいたいところである。



漫画やアニメも、分けて考えるべきだろう。気付かないうちに政治家に利用されている人が多いのでは?と思う。廃案かあ。次で、よりきちんと議論されるのならよいけれど。
今までの国会の議論があまりにお粗末すぎる。お粗末なことに気付きもせず堂々とネットで情報発信しちゃっててびっくりする。

「男は自分が安心することしか考えてない」 なんて言いたくないです。でも、ここまでアホだとそう思いたくもなる。
恥ずかしくないのかな?Oh日本はなんてバカなんだ、って外国に笑われてそうだ。
私は恥ずかしい。
もう日本が経済大国だったのは昔の話、というのは不況どんぞこで格差社会でだんだん実感してきただろうけど。
先進国だったのも過去の話になった、という事実をわざわざつくり、それを噛みしめたいのかな。
ヒラリーは好きじゃないけど、ヒラリーがコケて一番安心したのは日本の政治家じゃないだろうか。オバマでよかったね。口が裂けてもそう言えないだろうけど。

女性議員の協力が不可欠というのをちらほら見聞きして、そりゃそうだろうけど、
男VS女の図式になったら
よけいコトがまずくなるのでは、って心配だった。
でも確かにそうだ。女性議員は熱心だけど男性議員は全然ダメだ。痛感した。
で、国会議員だからなのかなとも思ったけれど、世の男性諸氏も、あんまり変わらないな、同じだなというのが感想。

結局、問題はここなのだな、と思ってしまう。
知れば知るほど尊敬できる女性はたくさんいるけど、男性は(あまり)いないな。知れば知るほどちょっとがっかりしてしまう。何より「自力で考える力」が不足しているように思われる。
女はねちっこいとか色々言うけれど、女性の嫉妬より男性の嫉妬の方がタチ悪いのは事実。しかも嫉妬と自覚してない分、面倒だ。

リアルの生活に加えて、ここ最近でのネット議論でも さんざん経験済みなので、
・「いや違うんだ」と主張しているつもりで自己弁護でしかない、私の懸念は確信に変わる
・自己弁護しきれないと判断したとたん「男はそういうものなんだ」と開き直る、やっぱり懸念を確信に変える

両方ごめんです。「やっぱりね」とも言いたくないです。
勝ち負けとかじゃないのだから、まずはご自分にとことん向きあってほしい。私は考えの一部の誤り(と私が思う点)を指摘しているのであって、全人格を否定しているわけではないのだから。
自分の問題を私にぶつけられても、自分の気持ちを吐き出すために使われても困る。そこまでヒマではないしエネルギーも有限だ。


※ちなみに私は男嫌いではないので。男嫌いといいたいのならそれは差別です。ここを読んでから言うように。リアルでは、むしろ男性の友人の方が楽だ。女性の友人は貴重。

私からのお願いです。
これ以上、世の中を大変にしないでください。女性が生きやすい世の中にしてください。それが男性も生きやすい世の中になるはずです。
「フェミ」を嫌うのはご自由ですが、「フェミ」が存在しなくていい世の中をつくってください。
「フェミ」は好きで「フェミ」になるわけではありません。「フェミ」がないと余計世の中がダメになるようです。
正直、ここまで「フェミ」が必要だと思いませんでした。切実です。

選挙後の国会でどうなるのか。
お力を貸してください。
お願いです。

どうか少しでも考えてください。
実際にいる、被害者の存在を、考えてください。置き去りにして議論しないでください。


管理人、絶不調により、コメントに対応できる余力はないです。

7/18追記 元気になりましたのでコメント欄あけました。言いたいこと聞きたいことがおありなら、直接こちらに言ってほしいので。かなり読み飛ばしている方もおいでのようです。




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7/17追記

警察への不満は、わたしが被害者である事件のことについてだけではありません。他の被害者から聞いた話もありますが・・・。それだけではありません。

私が目撃者として交通事故にいくつか立ち会ったりしたこと(放っておけない)。
淫行や児童虐待を通報しても、動かないこと、等です。
他にも、何らかの機会で話を聞くことがあっても、いい印象はあまりないのです。

淫行は基本的に被害者から辿らないと立証できないそうです。よくあること、とも言われました。
児童虐待は把握しているケース(児童相談所含め)だからパトロールしていると回答されました。何かあったらどうするのか。わたし一人気をもんでいます。

わたしが単純所持が確実だろうと思うのは、今の日本ではなかなか表には出ないものの、家族や親戚、身近な知人による性的虐待が多いからです。法定義がそこまで想定されていないですし何より警察が把握できて動ける状況ではありません。把握すればいいという問題でもないですが。

<社説>児童虐待 隠れた被害は甚大だ (毎日新聞 2009年7月17日 東京朝刊)

(一部引用)                                ※強調は引用者

 隠れている重い被害として性的虐待がある。相談件数は全体の3・2%に過ぎないが、児童虐待の専門家で構成する「子どもと家族の心と健康」調査委員会の全国調査(98年)では、女性の29%、男性の3・7%が18歳までに何らかの性的被害にあっていたという。毎日新聞が全都道府県警に対して行った調査(05年)では、中学生以下の子が被害にあった強姦(ごうかん)・強制わいせつ事件(未遂を含む)の届け出が年間2600件を超えることもわかった。

 自分が悪いという罪悪感や、被害が明らかになることを恐れて誰にも言えない子どもは多い。後遺症は深刻で、米国の調査では事故による心的外傷後ストレス障害(PTSD)は男性6%、女性9%であるのに対し、レイプされると男性65%、女性46%にPTSDが生じるという。自傷、自殺未遂、うつ、薬物依存、摂食障害などに苦しむ子どもは多い。少年院に収容されている女子の約8割が家族以外から性暴力を受けた経験を持つとの調査結果もある。

 性被害にあった子どもの聞き取りやケアには高い専門性が求められる。米国や韓国、台湾などは本格的な対策に乗り出し、司法や医療の機能を備えた支援センターが効果を上げているという。わが国でも福祉だけでない多面的な機能を結集した機関の必要性を考えてもいいのではないか。子どもへの性暴力は家族以外が加害者である場合も多く、家庭内の虐待を主な対象とする現行法では限界があることも指摘しておきたい。

 衆院解散で児童ポルノ禁止法改正案が廃案になるなど、とかく後回しにされがちなテーマだが、この国の未来に暗い影を落としている問題である。国を挙げて優先的に取り組んでもらいたい。



性犯罪に遭ったあと ― 被害者をうちのめす悲惨な現状

日本のセクシュアルハラスメント裁判として有名なのが、京大矢野事件、福岡セクシュアルハラスメント訴訟、横浜事件、熊本事件、秋田事件、等である。
「被害者はこうあるべき」「こうしなかったのは不自然」とされていた男性の想像の産物の被害者像の押し付けを覆すものだったことが、大きな意味を持つ。その後セクハラ裁判が相次いでいることから、大きな流れをつくったものだ。
・・・残念ながら、「想像の産物」はまだまだ広く健在しているようだけれど。しかも若い人たちにまで。

セクハラといっても、いろいろだ。刑事犯罪でしかないものも驚くほど沢山ある。犯罪なのに刑事で裁かれず民事に持ち込まざるをえないなんて、性犯罪くらいだと思う。強姦、準強姦、それらの未遂。強制わいせつ。ひどいものばかりだ。

犯罪であるにも関わらず、刑事裁判で処罰されないのは、詳細は後述するけれど、医療・警察の仕組みがまず整っていないことが大きな原因だ。レイプ・クライシス・センターがあれば事情は全く違うだろう。支援者の方々も、刑事裁判はあまりにきついということで、また相談を受けた時点が被害から時間が経っていることも多いので、するならば、と民事裁判をすすめることが多いそうだ。
民事はかなり意識はかわってきたが、それも裁判官次第で、被害者側、つまり原告が相当がんばらなくては無理だ。

加害者の言い分は刑事も民事も同じだ。「恋愛関係だった」「合意の上」「相手も喜んでいた」「相手は性的に潔癖でない」「相手から誘ってきた」「被害者はおかしな性格だ」「嘘つきだ」「妄想だ」等々。民事では、あげくには被害者に名誉毀損として慰謝料請求までするから呆れ果てる。

<参考 判例> ※フラッシュバックする内容が含まれています。
熊本事件
横浜事件

※2011.7.18追記
リンク先が閲覧できなくなっていますので、下記を参考になさってください。
参考:熊本セクハラ事件 http://blogs.yahoo.co.jp/coa0143/2199652.html
参考:横浜セクハラ事件 http://www.no-harassment.net/hm/hm_sekuhara_saibanrei_14.html
追記ここまで




※ちなみに、この熊本事件の加害者は、つい最近まで県議会議員をしていたらしい。吐き気をもよおしながらHPをのぞいたがその当時のまま更新されていないようだ。二度と当選して欲しくない。熊本県民の皆様、どうかこの事実をしっかりと知っておいてください。

こんなのがゾロゾロいる。驚くほどいる。いろいろな方と知り合いになればなるほど、驚くべき話を聞く。そして私の話も驚かれる。まったく、知れば知るほど驚き呆れる世の中だ。

性的なこと、性的嗜好に関しては、地位も肩書きも全く関係ない。驚くような人、世間からは尊敬されているような人までが加害者になっている。そして地位や権力がある加害者だと、警察は腰を引けてしまうのが現状だ。表向きは否定するけれど。
罪を犯したかどうかは重視せず、検察は、勝てそうにないものは起訴しない。全く正義の味方でも被害者の味方でもない。私の事件もどうやらかろうじて起訴できたようなのだ。聞いた人は皆驚くから運がよかったのかもしれない。逆にショックだった。あれは犯罪以外のなにものでもないのに、不起訴の可能性が高かったなんて。他の方はそういう思いをしている人があまりに多いなんて。
裁判官も、残念ながら問題がある。まずは、以前このエントリの後半でも書いたけれど法定義がおかしいのだから。

だから、警察に訴え検察にも呼ばれるとなると、ひどいものだ。さて法定義がおかしすぎる強姦罪にいたっては明治時代から変わっていないと最近知り、改めてショックを受けた。100年前の感覚でつくられた法律を守り、当たり前のように被害者に無理やり押し付けて適用させていることが。自分にもそうされたことが。

そして国連の第38回国連拷問禁止委員会でも、法定義のおかしさや被害者への支援、援助が全くできていないことも指摘されている。

 
拷問禁止委員会    第38 会期    ジュネーブ 2007 年4 月30 日~5 月18 日
条約第19 条に基づいて締約国により提出された報告書の審査
拷問禁止委員会の結論及び勧告
 
          
                             (アジア女性資料センター様のサイトより引用)

法執行機関の職員による性暴力を含む、ジェンダーに基づく暴力及び拘留中の女性と子どもに対する虐待についての申し立てが相次いでいることに懸念を表明する。

委員会はまた、締約国のレイプに関する法規の範囲が、男女間の生殖器による性交渉のみに適用され、男性被害者に対するレイプ等、その他の形態による性的虐待を除外する限定的なものであることに懸念を表明する。

(中略)

委員会はまた、駐留外国軍を含む軍関係者による女性及び少女に対する暴力を防止しまた加害者を訴追するための効果的な施策が不足していることに懸念を表明する。
 
締約国は、ドメスティック・バイオレンス及びジェンダーに基づく暴力を含む、性暴力及び女性に対する暴力を根絶するために防止措置を導入し、また責任者の告訴を前提として、拷問あるいは虐待に関するあらゆる申し立てについて早急かつ公平な調査を実施すべきである。

(中略)

また締約国が、法執行官及び司法関係者が被害者の権利とニーズに敏感になることを確保するための研修を実施すること、警察に専門部署を設置して被害者のためのよりよい保護と適切なケア、とりわけ安全な住居、シェルター、心理社会的な支援へのアクセスを提供することを推奨する。

締約国は、駐留外国軍によるものも含め、あらゆる被害者が司法裁判所に救済措置を申し立てできるよう措置をとらなければならない



第94回国連自由権規約委員会からも、刑法上の見直しについて勧告が出ている↓のに、全く動く気配がない。いったいどうするつもりなのだろう。


国連人権委員会が自由権規約審査最終見解を公表

女性に対する差別・暴力を放置し続ける日本を強く批判
政府は勧告を全面的かつ速やかに受け入れ、国際公約の実践を


                               (アジア女性資料センター様のサイトより引用)

 第94回国連人権委員会は2008年10月15・16日の2日間にわたり、「市民的政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)の実施状況に関する日本政府報告の審査を10年ぶりに行い、最終所見を10月30日に公表しました。

(中略)

レイプその他の性暴力についても、刑法強姦罪の定義や被害者の抵抗要件の問題、裁判における性的偏見、専門的知識をもつ医療スタッフの養成など、具体的な勧告がなされました。

日本軍「慰安婦」問題および性的マイノリティに対する差別は今回初めてとりあげられただけでなく、きわめて具体的な勧告が盛り込まれ、国際社会の強い関心を表しています。

(中略)

●レイプその他の性暴力について(14)

刑法強姦罪(177条)について、「強姦」の定義が男女間の性交に限定されており、女性の抵抗が要件とされていること、また被害者による告訴を要件とする親告罪規定について懸念が表明されました。

検察・裁判所については、加害者が正当な処罰をしばしば免れていること、裁判で被害者の性的経験が問題とされたり、抵抗した証拠を示すよう被害者に要求されるという問題が挙げられました。

さらに、(女性被収容者に対する性被害を防ぐための)改正監獄法および警察庁の性暴力被害者ガイドラインのモニタリングと実施が不十分であること、そして、性暴力専門知識をもつ医師・看護師が不足しており、そうした専門トレーニングを行うNGOへの支援が不十分であることにも懸念が表明されました。

委員会は、刑法強姦罪の規定を見直し、近親姦や性交以外の形態の性暴力、男性に対する性暴力も深刻な犯罪として明記されるべきであること、被害者に抵抗した証拠を求める要件をとりのぞくこと、レイプその他の性暴力を職権により起訴すること、裁判官、検察官、警察官および刑務官に対する性暴力トレーニングを義務付けることを勧告しています。

なお、パラ27では、刑法における性交同意可能年齢が13歳とされていることについて、少年・少女の心身の発達と児童虐待防止の観点から引上げを勧告しています。



最近、碧猫さまに教えていただいたのが女性差別撤廃委員会のこと。第4回日本レポ審議日程が、2009年7月23日(木)国連(ニューヨーク)、女性差別撤廃委員会にて行われるとのことだが、どうなるのか、注目しなくては。 なんと、こちらでもとっくの昔に指摘されているのだ。

女性差別撤廃委員会 第29会期           2003 年6 月30 日-7 月18 日

日本政府レポート審議報告書(ドラフト)

委員会は、日本政府が、女性に対する暴力に対処するために、法的その他の措置を講じたことを認めるものの、女性と少女に対する暴力が蔓延していること、そして女性たちが現存する公的機関の支援を求めることを明らかにためらっていることを懸念する。

委員会は、配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律が現状では、身体的暴力以外の形態の暴力に適用されないことを懸念する。

委員会は、また、強かんに対する処罰が相対的に軽いこと、ならびに近親かんが刑法に犯罪として明示的に規定されておらず、刑法上の複数の異なる規定に基づいて間接的にしか取扱われていないことを懸念する。



これだけ前から海外から批判されているのに動かないのは、子どもへの性虐待、性搾取(児童ポルノ)の件でよーーくわかったけれど、いいかげんにきちんと対応してもらわなくては困る。
まずは強姦罪の定義を、同意の有無を前提に見直すこと、夫婦間のレイプ(マリタルレイプ)・近親かんも罪として認めること。きわめて当たり前のことなのにできていない


つくづく思うのが、性犯罪は被害者にとって非常に不利だ。そして、それをおかしいと主張しても、更に攻撃されることが容易に予想できる。なにより本人は事件そのもので傷ついていて、その後のあらゆるところでの対応、周囲の反応にさらに傷つけられる。生きることが、一日をなんとか過ごすことが、とても困難になる。

声をあげることさえできない。加害者は守られているし好き勝手に主張するが、被害者はできない。
何もかも立場が弱い。
そして、なんとかしたい、助けになりたいと思っても、本人からの申し出がないと、支援の輪はつくることができない。とても難しい。
なにより被害に遭うと、とても警戒心が強くなってしまう。それだけあまりにひどく傷つけられたのだから。誰も信用できないし誰にも会いたくないくらい無気力になったりもするのだから。

今、秋田事件の本「セクハラ神話はもういらない」を読んでいる。
同様の被害に遭った方や支援している方たちから、意見書をたくさん募って証拠として提示したのが、特徴だ。

では、刑事事件では?各事件に意見書は証拠として適用されないだろう。
被害者は、ついこのあいだに被害者参加制度が始まったとはいえ、それまでずっと蚊帳の外に置かれていた。加害者は当事者だが、被害者は当事者でない。扱いは「証人」である。刑事事件の場合、国が被害者にかわって、訴えて裁く、ということなのだから。

なにか、有効な手はないのだろうか。考えても考えても、わからない。

先の見えない不安というのが一番きつい。不本意に被害に遭い、何時間も何回も同じことを訊かれ、言いたくないことを言わされ、私生活を詮索され、さらにまた検察で同じことを話し、加害者はおかしなことばかり言い、加害者の弁護士もあまりにひどいことをしてくる。
裁判はあまりに過酷だった。つい最近まで私は、ニュースだけでなくドラマにもよくあるが、法廷がテレビに出るだけで恐怖心を感じていた。そのくらい裁判はあまりに辛く嫌だった。怖かった。
訴えた後、あまりに理不尽さがまかりとおりすぎていた。
残念ながら根本は今でも変わっていないようだ。それを思い知らされるたびに、悲しくなる。


わたしに何ができるのだろう?
わたしのすることで、被害者の方を傷つけてしまうのではないだろうか?
一人では動けない。一人では相手にされない。だけど一人でしか動けないこともある。
実名を出して活動されている方も何人もいらっしゃる。もちろんその方が活動しやすいだろう。
でも私はできない。何度も考えたが、できない。
加害者、そしてその親族が黙っていないだろう。刑事裁判をして有罪にはなったが、いまだに報復が恐ろしい。気が狂っているとしか思えない行動をするからだ。裁判をすると本当に不本意だが、嫌な「つながり」が加害者側と出来てしまう。

いったいどうすればいいのか、ときどき、身動きがとれなくなる。

ただ、わたしの願いは、被害者の方に、お願いだから、生きて、人生を楽しんでほしいということ。
それが第一だ。それだけだ。

もうこれ以上、何も悪くないのに、追いつめられて、しまう人が、ふえてほしくない。


どうして、事情もわからないのに、勝手な想像で非難するのだろう?
他の事件だったら、他の犯罪だったらそこまでしないのに。自分だったら、自分の大切な人だったら。そう考えないのだろうか?どうか考えてほしい。

性犯罪は、あまりに多い。あまりにも。犯罪をした人、つまり加害者でしかないのに、それが普通に一般人として暮らしている数があまりに多い。

告訴期間の6ヶ月はとっくの昔に撤廃されたけれど、何も事情は変わらない。
「すぐには訴えられないことを考慮して」ということだったけれど、結局根本的な改善は何もなされていない。

性犯罪の場合、まず証拠をとらなくてはならない。証拠とはつまり事件直後に医師による診察を受けなくてはならない。だけれど、日本の医療機関には、証拠採取等ができるキット(レイプキット)がない。日本全国で、数ヶ所だ。意識の高いドクターが経営する病院に自発的にしか常備されていない。

著書や製作された動画にもあったけれど、ジェーンさんも主張されているように、性犯罪の場合、事件の現場は被害者の身体なのだ。だから、直後でなければ、物的証拠というものがなく状況証拠になってしまう。

にもかかわらず、被害者が、被害後、病院に直行することは想定されていないのだ。
緊急避妊もどこでも行っているわけではない。緊急避妊に使われる薬自体は、特殊な「緊急避妊用」というわけでもないのに。他の病気でも処方される中用量ピル等だ。本来、産婦人科、婦人科であればどこででも、保険適用で処方されるものだ。

ただでさえ産婦人科、婦人科は医師のなり手が少ないし、女医さんはとても少ない。
そういう現状もよけいに、意識改革を妨げているのだろうかもしれない。
だけど。そうすると、適切に本来ケアをしてくれるべき立場がそういう現状だと、被害者はどこにも誰にも助けてもらえない。何とかして証拠採取できたにしても、そういったものや被害時に着ていた衣服などを、紙袋に入れて冷蔵庫に保管するだなんて、ふつうの女性に耐えられるだろうか?家族と同居している人は?
まず、いったいぜんたい、なぜ、被害者がそこまでしなければいけないのだろう?犯罪行為なのに。被害者なのに。

ではどうすればいいのかというと、現状、警察経由で病院に連れて行ってもらうしかない。
だが、警察は告訴の意思がないと病院には連れて行かない。連れて行くにしてもレイプキットは告訴の意思が必要らしい。
しかも、証拠採取するキットもあるが、在庫を少なくしかおいていないし、なるべく使いたくないようだ。「在庫がなくなるから、・・・個までしか使えない」というような驚くような話も聞く。そういう危機感のなさに、立っていられないほどショックを受けたりもする。

そして警察に研修等の予定を聞いても、答えない。実際に、行っている様子もない。要するにやる気がない、ということなのだろう。警察は頑なに、「現状を維持」したがる「変わりたくない」組織だ。とても古い体制の組織だ。あえてきつく言わせてもらうと、上下関係第一で、上にいる中高年男性の意識を維持するのに夢中のようだ。

「すぐには訴えられないであろう被害者の心情を配慮して」告訴期間撤廃したのなら、せめて病院で証拠採取できるよう態勢を整え、訴えるつもりになったらいつでも訴えられるように保存しておいてほしい。でもそうした証拠や、被害時の写真や衣服などを保存してくれる機関がどこにもない。それでないと告訴期間撤廃の意味がないのに。

そういうことまで病院でも警察でもできないのだから、早急にレイプ・クライシス・センターのたちあげが必要だ。
110や119と同じくらい、いやそれ以上に、すぐに電話をかけられるようにするくらい、必要だ。
証拠採取、診察と治療、事情聴取、カウンセリング、刑事裁判への過程の説明等、きちんと専門知識があり訓練された人にしてほしいと思う。単なる「付き添い」ではなく「二次被害を防ぐ役割」を果たせるほど介入できないとダメだと思う。
性犯罪への対応のひどさを改善するには、まずはここからだ。そうしてひどい警察や検察の対応などに歯止めをかけることができれば、徐々にでも法定義も変わらざるを得ないだろう。

性犯罪の被害者に対しては、全く国はケアするつもりも何もないようだ。犯罪被害者のケアの中でも、一番遅れている。被害者支援に理解のあるはずの立場の弁護士でさえ、驚くような言葉を異口同音に口にする(別のところで少し書いたけれど)。だから、裁判員制度でこんなに欠陥だらけ、現行の法制度と整合性が全くとれていないことになったのだと思う。誰も真剣に考える気なんてなかったのだ。

本当に、何の救済もないに等しいのだ。
国全体で、被害者に口をつぐめ、訴えるなと言っているようなものだ。
こういうあまりにひどい現状なのに、日本の性犯罪率が低いと本気で信じている人がかなり多いのだから、まったく驚くべきことだ。訴えてネットに実名や住所までばらまかれるのなら、今後ますます「性犯罪率」は減るだろう。

被害者の方のお気持ちを思うと、いたたまれない。
社会全体で、なぜそんなによってたかって、誹謗中傷、人格攻撃するのだろう。

被害後安心してかけこめるところさえもない。医療も適切なケアも受けられない。警察では拷問にひとしい扱いを受ける。当たり前のこと、正しいことが叶わないことを知り、被害者の落ち度を責めたてる世間の反応に更に追いつめられる。
社会全体が、正しくないはずの加害者に加担しているようにしか思えないひどい現実に、うちのめされるのだ。

被害そのもので、精神的にもひどい苦しみを受けるのだ。生きるのもやっとなのに、一日を過ごすのもやっとなのに。
勝手な想像と憶測で、揶揄し中傷し、傷口に塩を塗るような世間の仕打ちを見るといたたまれない。
いわれのない誹謗中傷、人格攻撃を、どうしてそんなに気軽にできるのだろう??
今ネット上であふれかえっている、偏見に満ちた世間の反応がそうだ。ネット上では特に無責任に、驚くほど、被害者バッシングをしている。あまりにひどい。

お願いだから、やめてほしい。
何度でも言う。
どんな事情であっても、被害者は悪くない。責任は全て加害者にあるのだから。




ぜひこちらのサイトもご覧ください。
※参考サイト  
裁判員制度における性暴力事件を考える 



鹿児島県議会で、「裁判員制度における性犯罪事件の被害者の立場に立った対応策を求める意見書」が可決

鹿児島地裁に5/19申し入れを行ってくださっていた柳誠子県議会議員のご尽力によって、鹿児島県議会で、意見書が可決されました。

行き詰っていた現状で悲しい気持ちでしたので、とても嬉しいです。柳議員さま、鹿児島県議会の皆様、本当にありがとうございました。

鹿児島地裁に申し入れをされた柳県議と小川市議のあたたかい熱意には、いつも励まされています。小川みさ子市議にも、本当にお世話になっています。


平成21年第2回定例会において可決された意見書・決議(平成21年7月6日)から引用



                      意見書


  裁判員制度における性犯罪事件の被害者の立場に立った対応策を求める意見書




 裁判員制度に対しては各面からの問題点が指摘される中,裁判員制度における性暴力犯罪の取り扱いで女性被害者の不利益,プライバシーの重大な侵害が懸念されている。

 裁判員が参加する刑事裁判が対象とする性犯罪には,最高刑が死刑の強盗女性暴行致死罪,無期懲役の女性暴行致死傷罪,強制わいせつ致死傷罪,集団女性暴行等致死傷罪,強盗女性暴行罪などが含まれるが,これらは対象事件の2割以上を占めると予想されている。

 裁判員制度において,性暴力犯罪事件においても他の事件と同様に,それぞれの事件で100人にも及ぶ裁判員候補者に対し事件の概要と被害者の氏名を伝えることになれば,裁判員候補者には事件の情報に関する守秘義務はなく,被害者情報の流出が懸念される。

 女性支援団体などが,最高裁判所や各地方裁判所へ「被害女性のプライバシーが保護されない危険性がある」として,制度開始の延長や性犯罪を対象事件から外すべきとの申し入れを行い,最高裁判所は,性犯罪の裁判員選任手続きで候補者に被害者氏名は明かさずイニシャルや年代などにとどめ,裁判長が個別質問で被害者の関係者か確認する見通しであるとの見解を示した。また,検察官を通じて被害者に裁判員候補者名簿を開示して関係者を特定してもらうとの対応策が検討されている。しかし,検察官において一律にこのような対応をするとか,最高裁判所がこのような方法を検察官に要請するといったものではなく,一つの手段としてこのようなこともあり得るというものである。

 これでは地方裁判所による個別の解決策となり,被害者のプライバシーが公平に保障されない可能性が生じ,現在,刑事裁判において,被害者のプライバシーが保障されていることとも大きく矛盾する。性暴力犯罪は他の犯罪と異なり,適切な配慮がなされなければ裁判プロセスそのものが二次被害を及ぼす場となってしまう。そして何より,二次被害を恐れ被害にあっても被害届を出さないといった傾向を助長することにもなりかねない。

 よって,性暴力被害者の人権,プライバシー保護を求める上でも,性犯罪事件の審理にあたっては慎重に取り扱うなど,被害者の立場に立った適切な配慮と対応策を講じるよう強く要望する。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




平成21年7月6日


    
                               鹿児島県議会議長 金子万寿夫
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣殿
法務大臣
最高裁判所長官
最高検察庁検事総長




柳議員とは直接やりとりさせていただいたのですが、性犯罪に遭うということ! や、意見書提出嬉しい報告!等、サイトでもとりあげていただいています。理解ある方が議員さんとして、こうして熱心に動いてくださるのは、とてもありがたく救われる思いです。

多くの方が、わたしたち被害者の声に耳を傾けてくださり、真剣に動いてくださっていることに、感謝してやみません。性犯罪被害者は、いままで顧みられなかった存在のように扱われていたので、まるで自分のことのように動いていただけるのは、本当に嬉しいのです。
多くのサバイバーの方、支援者の方々が声をあげてくださっていたからこそ、いま私がこうして動けているとも実感しています。皆さまに、感謝してやみません。

微力ながら私もできることをしていこうと、改めてパワーをもらえました。
ご協力いただいている多くの皆様へ。深く深く感謝しております。ありがとうございます。


ぜひこちらのサイトもご覧ください。
※参考サイト  
裁判員制度における性暴力事件を考える 

被害者の方と周囲の方へ― 被害からまもない時期に読んでほしい本

被害直後の、被害者の方と、その周囲の方にはぜひ読んでほしい本のご紹介をしたいと思います。
被害者の方は、そんな本を読む余裕なんてとてもない、という方も多いでしょう。被害後に陥る心理的特殊状態についても、別途エントリをあげたいと思っています。
私も、かなりたくさんの本を読みましたが、被害を受けてからしばらくの間に読むには、この本が一番いいだろうと思いました。
「Working With Women 性暴力被害者支援のためのガイドブック」
フェミックス が発行している本です。ぱっと見た感じでは、ハードな内容の本だとわからないような可愛らしい表紙で作ってあります。こちらから購入できます。

この本は、もともとはアメリカミネソタ州の性暴力被害者支援センターでのトレーニングマニュアルであったもの、を翻訳したものです。
ボランティア希望の一般の方向けに書かれたものなので、何の専門的知識がなくても理解できるよう専門用語等はなく、ポイントをしぼりながらも非常に充実した内容になっていて、とてもわかりやすいです。
被害者への適切な関わり方、実際に起こりうる状況への適切な関わり方へのアドバイス等が、とても具体的にまとめられています。一字一句逃さないくらい真剣に読む価値があると思っています。

日本の現実とは直接関係がない部分については割愛したそうですが、そのかわりというべきでしょうか、日本での性暴力援助の豊富な経験のある方のお話も記載されていて、たいへん深く濃い内容になっています。
「サバイバー自助グループ活動に関わって ― 二見れい子」
「強姦救援センター沖縄(REICO)からの提言 ― 竹下小夜子」 等。


この本に、被害に遭われた方が、被害後におちいる様々な特殊な心理状態について、とても具体的に書かれています。
被害者の方に、知っておいてほしいのは、どんな反応が出ても、どういう症状が出ても、それは当然で、自然な反応だということです。
どうかそれを忘れないでほしいのです。あなたがおかしくなったというわけでは全くありません。
心も、重傷を負えば、身体と同じように、いろんな症状が出るのは当たり前です。
そして、適切なケアが必要であり、それは何ら恥ずかしいことでも、あなたが弱いということでもありません。
また、回復にはそれなりの時間がかかるので、もどかしく不安に思われるかもしれませんが、適切なケアとサポートを受けることで、必ず回復します。

他の人は回復しても、私だけは絶対に回復しない。そう頑なに思い込んでいた私が、いろんなことができるようになったのです。
全く外出することさえできず、ほぼ寝たきりの状態も長かった私でさえ、ここまで来れたのですから。

だから、どうかそれ以上ご自分を責めたり卑下したりしないでほしいのです。
どういう事情であれ、あなたは何も悪くないのです。責任は全て、加害者にあるということを、忘れないでほしいのです。


すぐに手に入らないという方のために。
ネットで入手できるもので、一番良いと私が思うものをご紹介します。

裁判員制度における性暴力事件を考える―二次被害 
に載っている、
小冊子「レイプの二次被害を防ぐために―被害者の回復を助ける7つのポイント―」
http://www.awf.or.jp/pdf/0168.pdf  です。教えていただいたakiraさまに、大感謝を。
こちらの冊子は、全22ページですが、非常に内容が濃いです。ぜひ一読をおすすめします。

<内容>
二次被害について       → p 5
被害後の、心理的特殊状態 → p 6~8
レイプ神話について      → p 9~11
二次被害を防ぐために    → p14~20


被害に遭われた方へ。
繰り返しになりますが、どうか忘れないでほしいのは、どんな症状が出ても、どんな反応が出ても、それは正常で当然の反応だということです。
あなたがおかしくなったわけでもなく、あなたが弱いわけでもありません。
身体が、そして心が、必死にあなたを守ろうとしている、ということなのです。
それは、あなたが本来持っている力がはたらいているということです。その強い力を、ご自分の力を、信じてあげてほしいと思うのです。逆のように思えるかもしれませんが、あなたが、自分の心と身体が守ろうとする力を、しっかりと持っているということなのですから。

心も、身体と同じように、重傷を負うと、いろんな症状が出るのは当たり前ですし、手当てだって必要です。回復も、なかなか一足とびというわけにはいかないです・・・。
ですが、時間はかかっても、回復することはできます。
そのためには、こういう症状が出るかもしれない、こういう症状が出ている、それはいたって普通のだということを、知ることから始まるのではないかとも思うのです。

あなたは一人ではありません。心の傷は見えない分、なかなか理解してもらえないために、より孤独感を強めたり、周囲の反応によって、どうしても自分を責めたり、自分が変なのではと思ってしまうかもしれません。そういう状況にいらっしゃることを思うと、胸が苦しくなります。
でも、あなたがおかしくなったというわけでは全くないのですから、どうかご自分を責めないであげてください。
そして、できれば、周囲の人に、理解を求められるのならば、求めたほうがいいかもしれません。
全て、あなたが自分のしたいように、することが大切です。
言いたくなかったら言わなければいいですし、理解してくれそうもないと思ったら距離を置くのもいいですし、理解してほしかったら、そう伝えるのもいいでしょう。


東京強姦救援センターのサイトも、ご紹介しておきます。

被害にあったあなたへ

特に、センターニュース一覧
には、被害者の方にとって、現実に決断しなければいけないことについても、かなり網羅されています。とても具体的なアドバイスが書いてあるので、ぜひ目を通してみてください。

このとおりにしなければいけないというわけではもちろんないのです。あなたが、したいと思うことをするのが一番です。

「・・・べき」「・・・しなきゃ」という考えから、「・・・したい」かどうか、に焦点をあてて、いろんなことを決めていくのが一番いいと、私は思っています。
世間の「常識」は「実は常識ではない」ということを知るのも、もしかしたら必要かもしれません。
何より、誰にどう思われようと、「自分がしたいと思うことをする」ということが、自尊感情を取り戻すことへとつながり、回復への道が開けると思うのです。
自分で自分の気持ち、心の反応、身体症状を、否定することなく、大切にして、いたわってあげてほしいのです。わがままになるくらいで、ちょうどいいのだと、私は思うのです。



周囲の方へ

同じく、東京強姦救援センターから、リンクを。
身近な人が被害にあったら

大切な人が、悲しい被害に遭い、あなた自身も、もしかしたら怒りや悲しみがコントロールできない状況かもしれません。その辛さを否定するつもりはありません。
ですが、一番辛いのは、被害を受けた本人だということを、どうか忘れないであげてほしいのです。

向けようのない怒りや悲しみを、被害を受けた本人に向けるのは、どうかやめてあげてください。
それは、あなた自身の感情です。それをコントロールできないからといって彼女にぶつけるのは、ただでさえあまりに大きすぎるダメージを受けている状態に、追い打ちをかけるようなものです。自分のせいで嫌な思いを周囲にさせている、と、より自責感、罪悪感を助長させてしまいます。

現実に決断しなくてはいけないことも多いでしょう。そのサポートは、とても大切です。ですが、あなたの「楽になりたい」という気持ちが少しでもあると、被害者はとても敏感で傷つきやすい状態になっているのですから、それを感じとってしまいます。ですから、どうかくれぐれも、自分の考えを押し付けないようにしてほしいと思うのです。

彼女に必要なのは、何よりも、サポートされているという実感です。ですから、彼女の選択を尊重してあげてほしいと思うのです。
彼女に代わって動くのは、必要な情報や知識を得て、そのメリットデメリットを説明することにしてほしいと思います。
最終的にどうするのか、選択するのは彼女だということを、どうか忘れないであげてください。どんな選択をしても、彼女がどういう感情を抱いても、決して否定しないであげてほしいのです。

「なかったことにしよう」「許しなさい」「忘れなさい」「もう終わりにしよう」「示談しよう」「告訴を取り下げよう」「警察に届けるべき」「裁判しよう」等、強要しないであげてください。
いろいろな選択肢があります。訴えれば、届け出れば万事解決するというわけではないのが、悲しい現実でもあります。
訴えるべきとも、訴えないべきとも、私には言うことができません。
本来ならば、あまりに辛い思いをせずに訴えられるのならば一番いいのですが、それができない辛さというものも痛いほど知っています。
しかし、訴えなかった、訴えられなかったことで悔やんでいる被害者が多いというのも事実です。

ただひとつ、確実に言えるのは、万全な解決策というのはとても難しいけれど、本人の意思で行動するのが何より大切だということです。
そのために何か必要なこと、疑問に思っていること等があれば、私の知っている範囲でお答えすることも可能です。


どうか、「~だろう」という自分の考えから、「もしかしたら・・・かもしれない」という相手の立場に立った考え方に、シフトしてほしいと思います。「だろう運転」は一番危険なのですだから。

もし、どうしようもないほど辛かったら、あなた自身がサポートを必要としているのかもしれません。
「代理受傷」という状態なのかもしれません。上述した本にはそうしたことへのアドバイスも書いてあり、とても役に立つとは思いますが、今すぐにでも、という場合には、間接的被害のチェックリストを見てみてください。

いろんな感情がわき出ても、それを否定する必要はないのです。大切な人を思うあまりのことだとも理解できます。私からお願いしたいのは、あなたが苦しくならないために、マイナスの感情も罪悪感を感じずにありのままに認めて、その上で、ただご自分の状況を把握してほしい、ということです。
そのあたりもまた別途エントリをあげたいと思います。




絶対的なものは何もない。そしてそれは、悪いことでは全くない。

そう、私は思っています。


※参考サイト  裁判員制度における性暴力事件を考える 

国会での動き ― 参議院

前のエントリ「国会での動き―衆議院」で6/24衆議院での質問を書いたのだけれど、同じ日に参議院でも動きがあったようなので、またもや遅ればせながらエントリをあげます。

山本かなえ 公式ブログ(公明党・参議院議員)より引用

2009-06-24 参議院行政監視委員会にて質問(速記録)その2 [国会質問] [編集]
171-参-行政監視委員会-4号 2009年06月24日(未定稿)

答弁者  森 英介 法務大臣 及び 法務省政府参考人

○山本香苗君  

裁判員制度におけます性犯罪被害とプライバシーの保護についてお伺いをさせていただきたいと思っております。森法務大臣には初めて質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、質問に入らせていただきますが、まず、裁判員制度の対象となります性犯罪事案というのはどれぐらいあると想定されていらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(大野恒太郎君) 

平成二十年中に地方裁判所で受理されました裁判員裁判の対象となるいわゆる性犯罪事件は合計四百六十八件であります。その内訳を多いものから三つ申し上げますと、強姦致死傷が百八十九件、強制わいせつ致死傷が百三十六件、強盗強姦が百二十五件となっております。

平成二十年中の裁判員裁判の対象事件全体の起訴件数は二千三百二十四件ということになりますので、このうちの約二割がいわゆる性犯罪事件に当たるわけでございます。

○山本香苗君 

その性犯罪事案についての裁判員選定手続がスタートするのは早くていつぐらいからとお考えでしょうか。

○政府参考人(大野恒太郎君) 

裁判員制度は今年の五月二十一日にスタートしたわけでございます。その後、六月二十一日までの間、起訴されました裁判員裁判の対象となる性犯罪事件は、私どもが把握している限りでは二十五件あるということでございます。

ただ、まだ具体的な裁判の日程はセットされておりません。裁判員裁判につきましては、第一回公判前に公判前整理手続という手続を行うことになっておりまして、この手続に一定程度の日数を要します。そして、そうした手続を終えた後、裁判員等選任手続の期日の六週間前までに裁判所が裁判員候補者を呼び出すための呼出し状を発送する必要があります。

そうしたことから、今後、やはり相当の期間、こうした期間を経た上でいわゆる性犯罪事件についての裁判員裁判が実際上スタートすることになるわけでありますけれども、今申し上げたような状況でございまして、現時点においてそれがいつになるのかということは確定的なことは申し上げられない状況にあります。

○山本香苗君 

一昨日の新聞に公判前整理手続の日程が掲載されたものが出ておりましたけれども、ちょっとレクチャーのときに聞いた段階では、原則、公判前整理手続、スタートして大体早くいけばプラス六週間ぐらいで選定手続の方に行くということを伺っておりました。そうすると、早くて八月半ばぐらいなのかなというところではないかと。今のお話もそういうことでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(大野恒太郎君) 

おっしゃるとおりでございます。公判前整理手続が終了してから六週間、間を置いて第一回公判といいましょうか、裁判員の選任手続の期日が入ると、こういうことでございます。

○山本香苗君 

その裁判員選定手続がスタートするに当たりまして、裁判員候補者に対して被害者の名前が、氏名が公表されることによって性犯罪被害者の方々から懸念の声が上がっているわけであります。この問題は法務大臣もよく御認識をされて、御関心を持っていらっしゃると伺っております。そこで、改めて森大臣にお伺いをしたいわけですが、この問題に対します御見解、また御見識をお伺いさせていただきたいと思います。

○国務大臣(森英介君) 

御指摘のとおり、性犯罪の被害者の方々に関しましては、刑事手続において、その精神的負担や名誉、プライバシーに特に配慮する必要があると認識しております。

法務省としても、これまで、被害者に関する情報の保護措置として、まず性犯罪の被害者の氏名等を裁判所の決定により公開の法廷で明らかにしないこととすることができること、また同じく、被害者の氏名等について検察官が証拠開示の際に弁護人に対しみだりに他人に知られないようにすることを求めることができることなど、様々な立法措置を講じてまいりました。

また、検察当局においても、被害者の方の心情に配慮した施策を講じてきたものと承知をいたしております。
裁判員制度の下におきましても、犯罪被害者の方々のプライバシーの保護を適切に図っていくことは制度の円滑な実施のためにも極めて重要であり、被害者の方々からの御要望については真摯に受け止めて適切に対処していく必要があるものと考えております。

裁判所や検察当局においても、被害者の方々の懸念の声も十分に踏まえて、被害者の方によりその心理的な御負担の少ない運用に努めていくものと承知をいたしているところでございます。

○山本香苗君 

私は、この問題は、今大臣の御答弁の中にありましたけれども、おっしゃるとおり、円滑な裁判員制度の実施に向けて極めて重要なものだということでありますけれども、ただ単に重要だとか配慮すべきだとか、そういう問題ではなくて、必要不可欠なことではないかと思っております。

そこで、具体的に伺ってまいりたいと思いますが、性犯罪被害者の安全とプライバシーの確保を裁判員選定手続においてどのように図っていくのか、具体的な御答弁をお願いいたします

○政府参考人(深山卓也君) 

ただいま裁判所における裁判員の選任手続の運用にかかわるお尋ねをいただきましたけれども、この手続は、御案内のとおり、裁判員法に定められた不適格事由の該当性を判断する必要があることから、その前提として裁判員候補者に対して被害者に関する一定の情報を提供することがあり得るものでございます。

そこで、裁判所においては、性犯罪事件のように被害者のプライバシー保護を図る必要性がひときわ高い事件の選任手続では、例えば裁判員候補者全員を対象としたオリエンテーション、これを行うわけですけれども、
オリエンテーションにおける事件概要の説明においては必要最小限の範囲の情報提供にとどめ、具体的な必要に応じて個別質問の場で裁判員候補者の側から思い当たる名前や住所その他の特定事項を言ってもらうというふうにして、
被害者と裁判員候補者との間に裁判員法で不適格事由と定められる親族関係あるいは被用者関係といったようなものがあるかを確認する方法をそういう形でとる
というようなことや、裁判員候補者名簿を事前に検察官は開示を受けますので、
事前開示を受けた検察官において、被害者と候補者との間の関係の有無を判断するために裁判員候補者の氏名を被害者御自身にお伝えして親族あるいは知人であるかといった点を確認する
といった運用を考えていると聞いております。

このような運用上の工夫によって、
裁判員候補者に提供する被害者に関する情報の程度を必要最小限度にしながら、
被害者と裁判員候補者との間の関係の有無を判断をする
ということが考えられているわけでございます。

○山本香苗君 

ただいまの御答弁の中で、裁判員法第三十一条の規定に基づいて検察官が選定手続の期日二日前までに裁判員候補者名簿等の情報開示を受ける形になっておりますけれども、その場合に、その名簿を被害者に見せて、そして関係者を特定してもらって外すというようなこともあり得るんだという御答弁がありました。

そこでお伺いしたいんですが、確認したいんですが、
今答弁にあったとおり検察官はしっかり対応するということでよろしいんでしょうか

○政府参考人

(大野恒太郎君) 検察当局におきましても、性犯罪事案において被害者の方々が氏名等の個人の特定につながる事項を裁判員候補者に開示してもらいたくないというような御希望を持たれている場合には、当該事件の被害者の方に対しましてその意向を十分に確認をさせていただいて
その上で裁判員候補者の名前を教示、お知らせして被害者の関係者が含まれていないかどうかを確認し、事案に応じまして裁判員候補者に対する不選任の請求権等を行使するなどいたしまして適切に対処するというように承知しております。

○山本香苗君 

きちんと確認するということでございますね
他方、被害者が認識していなくとも、裁判員候補者の方が逆に被害者のことを知っているというケースも考えられ得るわけであります。そのために、裁判所の方々が、できるだけ裁判員候補者に被害者特定事項を知らせずに、被害者と裁判員候補者との間に関係があるかどうかを質問の中で個別にやっていくんだということは何度も何度もこの間のレクチャーの中で伺ったんですけれども、であるならば、いっそのこと、性犯罪事案に関しては、裁判員に選ばれて守秘義務が掛かってから被害者との関係者であったならば解任するという手続を取ったらいいんじゃないかと思うわけでございますけれども、そのような運用はできないものでしょうか。できないと言うなら、そのできない理由をはっきりさせていただきたいと思います。

○政府参考人(深山卓也君) 

まず、裁判員法でこの裁判員の選任手続がどうなっているかということを最初に少し説明させていただきたいと思うんですが、この手続においては、まず第一に、裁判長が裁判員法に定められた辞退事由や不適格事由の該当性を判断するために裁判員候補者に対して必要な質問をすることができるとされていまして、当事者、つまり検察官、弁護人ですか、も裁判長に対してこういう質問をしてほしいということを言うことができると、そういう質問の段階があります

第二に、裁判所は、裁判員候補者が辞退事由や不適格事由に該当すると判断したときは、その候補者について不選任の決定をしなければならないことになっています。

次の第三番目に、当事者、検察官、弁護人の方も、一定数の人数を限度として理由を示さない不選任請求をすることができまして、その請求がされた場合は裁判所がこの者については不選任の決定をする、最後にこれで残った候補者の中から裁判所は裁判員を選定すると、こういう段階的な手続が法定されているわけです。
 そういたしますと、裁判員法のこの仕組みというのは、不選任決定を行う前提としての質問手続の段階で、被害者との人間関係、人的な関係の有無やその内容、つまり不適格事由があるかどうかということを判断するために被害者に関する情報を提供するということを前提としている、あるいは予定している仕組みではないかと考えられるところでして、今委員の御指摘のあった、裁判員候補者と被害者との関係についてはまずは調査しないで、つまり不適格事由の有無については判断しないで裁判員の選任手続を終えてしまうといった運用というのは、法の想定するところではやっぱりないんではないかと、そういうふうに考えられるところです。

もっとも、先ほども申し上げたとおりの運用上の様々な工夫によって、できる限り裁判員候補者に被害者の氏名等を伝えないで不適格事由の有無について判断するような工夫をする、あるいはそうすべきであるというのはもとよりそのとおりでして、そういった点、プライバシーの保護の必要性と、しかし一方では不適格事由をきちっと判断をする、しなくちゃいけない、この両方について十分工夫を凝らした運用をすべきであることは言うまでもないところでございます。

○山本香苗君 

いろいろと今御答弁されたんですけど、要するに裁判員候補者に対して被害者の氏名等を全く告知せずに裁判員を選任した後に初めて告知するというのは、法の想定するところではないからということなんですよね。

しかし、そもそも
裁判員候補者に対して被害者特定事項を告知すべき時期に関する明示的な規定はないんですよ。運用で被害者の方々のプライバシーが守れるのであればそういう運用をすべきじゃないかと、法律が想定されていないとしても法律の趣旨には反しないはずだと思うんですが、もう一回答弁お願いします。

○政府参考人(深山卓也君) まさに今御指摘のとおり、被害者の特定事項をいつ開示するかという点について、法律が明文でいつの時期だというふうに規定しているわけではございません

しかし、先ほど述べたような段階的な手続が法定されていて、なぜこういう手続になっているかというと、やはり被害者との関係がある関係者かどうかというようなことというのは不適格事由ですので、不適格事由の有無というのを適切に判断できるように順番を追って手続を法定されているということにかんがみますと、不適格事由についての判断をするに必要な事項を調査しないで、それで選任をしてしまって後から不適格事由があるかどうかを判定するというのは、明文で禁止されているわけではないんではないかと言われればそのとおりなんですけれども、やはり法律が予定しているこの手続の仕組みにややそぐわないものではないかというふうに考えております

○山本香苗君

もう時間が来ましたので、最後に大臣に是非伺っておきたいんです、御答弁をお願いいたしたいんですが、性犯罪はまだまだ世間的に十分理解が進んでいるとは言い難い状況にあります。

司法関係者でさえ理解のある方は少ないというふうにも言われております。守秘義務のない候補者の方が、たった一人でも不用意にインターネットに流したり、だれかにお話ししたり、さらに不特定多数の人がそういうことによって知る可能性というのが出てくるわけです。心と体に大きな傷を負った被害者の方が、この裁判員制度によって更に多大な苦痛を受けるということは絶対にあってはならないことだと思います。

性犯罪被害者の方々は、被害を他人に知られることを恐れて訴えることさえできないというケースもあるわけです。このままだと訴えるハードルというものが高くなってしまって、性犯罪の助長につながるんじゃないかという声もあるわけです。

是非、性犯罪被害者の方々とプライバシーの保護について、
被害者の方々が安心できるような明確な方針というものを、是非この選定手続が始まる前には法務省として示していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(森英介君) 

私も、いろいろな方からいろいろな形で性犯罪の被害者の方の中に大変御懸念を抱かれている方がいらっしゃるということについては聞いております。そのような方々の切実な思いには誠心誠意こたえていかなければならないというふうに思います。


その方法については、今法制部長から様々いろいろと御答弁したことなど考え、またその対処されるわけでございますけれども、いずれにしても、犯罪被害者の方々のプライバシーの保護を適切に図っていくことは裁判員制度の円滑な実施のためにも極めて重要でございますのでこうしたお気持ちにどうやって報いていくかということは真摯に考えてまいりたいというふうに思っております。

○山本香苗君 

是非、その手続が始まる前にそれは出していただけるものと期待してよろしいでしょうか

○国務大臣(森英介君) 

具体的には、今申し上げられることは、先ほど事務方から御答弁したようなことを考えているわけでございますけれども、いずれにしても、
少しでも御懸念を払拭できるような方策を私どもとしても誠心誠意考えてまいりたいということは申し上げておきます。

○山本香苗君 終わります。



山本香苗議員さま、誠にありがとうございました。さすがに元外交官です。次の機会には、もっともっとがんがん追及してください。とても期待しています。

しかし、法務省の面々の返答を読んでため息。突っ込みどころ満載すぎます。
「考えられる」を連発してどうするんでしょうね。全く何も考えていないです。考えてください、きちんと。
だって模擬裁判さえやっていないのですから。だからこういうことになったのでしょう?

何も考えずにスタートしてしまって、どう責任とるんでしょう。裁判員法の想定されていないとか色々言っているけど、要するに、裁判員制度には、絶対に性犯罪は合わないはず。
「見て聞いてわかる裁判」と、現行の法制度のもとで行われてきた被害者のプライバシー保護と精神的重圧を考慮してきた(まだまだ不十分ではあるけれど)性犯罪の裁判とは、全く趣旨が違うのですから。

しかも「裁判員候補者に提供する被害者に関する情報の程度を必要最小限度にしながら、被害者と裁判員候補者との間の関係の有無を判断をする」って、 必要最小限度って、一人でも悪意ある人に情報が出たらどうなるか、全くわかってないように思われるのですが・・・。守秘義務がないんですよ??ネットに出たらどうするのでしょう??法務省は責任とれるのでしょうか??

候補者名簿を検察官が被害者に見せるというのも、山本議員の追及されているように、相手がこっちを知っているということもあるわけですし、名簿の情報だけでは、たとえば家族の知り合い、知り合いの知り合いレベルでは把握できないと思い私も心配しています。
そうした人が出ないように、いくら人数が少なくても、被害者の情報を開示するというのは、おかしいでしょう。私も、守秘義務のある裁判員に選定してから、そうした人を除外した方が良いと思います。

「裁判員候補者に対して被害者特定事項を告知すべき時期に関する明示的な規定はない」と山本議員が述べられていますが、まさにその通りです。
というより、裁判の運営の中でも、現行の法律で性犯罪への対応策として考えられているものについても、裁判員法では、全然言及されていないのです。いかに性犯罪に対して、まともに真剣に考えていなかったかということが表れています。

裁判員制度の趣旨とか手続とかを守るよりも、実際に即した、現行の法律制度とあう運用をしてもらうしかないのですが。「見て聞いてわかる裁判」を重視するあまり、加害者にしか有利に働かない制度になるのは、間違ってると思います。

根本的な解決策は、もう一刻も早く、性犯罪を裁判員制度から対象外にしてもらうしかないのですが、それを今すぐにできないのが何とも悲しく悔しい思いです。それまでの間、いったいどうするんでしょう・・・。

しかし、山本議員の熱意と迫力(を感じました)のおかげで、「その手続が始まる前にそれは出していただけるものと期待してよろしいでしょうか」という質問に対して、
なんとか「少しでも御懸念を払拭できるような方策を私どもとしても誠心誠意考えてまいりたい」という答えを引き出すことができました。山本議員さま、本当にありがとうございました。

衆議院はもう選挙を見越して厳しいのが悲しく悔しい現実ですが、参議院でも、こうして本当に超党派で動いてくださっているのだというのは、とても心強く希望がもてます。

これからどうなるのか。考えると胸が苦しくなります。該当事件の被害者の方のお気持ちはいかばかりでしょうか。
ただでさえ、何もわからない状況に巻き込まれて精神的にもあまりに辛すぎるのです。裁判はとても過酷です。それに加えて裁判員制度でいったいどうなるかわからない、誰も明確な指針を出さない、というのは本当に無責任きわまりないです。

ぜひとも、法務省の方から、きっちりと回答していただきたいと、強く願います。




※ぜひこちらのサイトもご覧ください ⇒ 裁判員制度における性暴力事件を考える 

国会での動き ―衆議院

遅ればせながら、先ほどネットで発見したので、エントリをあげます。まずは概略から。

衆議院内閣委員会ニュース 平成21.6.24 第171 回国会第15 号

6月24 日(水)、第15 回の委員会が開かれました。
1 内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件
・河村国務大臣(内閣官房長官)、佐藤国務大臣(国家公安委員会委員長、地方分権改革担当大臣)、野田国務大臣(科学技術政策担当、食品安全担当、消費者行政推進担当大臣)、小渕国務大臣(少子化対策担当、男女共同参画担当大臣)、宮澤内閣府副大臣及び政府参考人に対し質疑を行いました。

(質疑者及び主な質疑内容)

((略))

西村智奈美君(民主)
・総務省は「配偶者からの暴力の防止等に関する政策評価」の結果及び勧告について、今後どのようにフォローアップをしていくのか。また、当該政策評価において保護命令制度に係る警察の対応についての評価が行われていないのはなぜか。今後評価を行う必要性があると考えているのか。
・デートDVに対して政府がこれまで行ってきた取組及び今後の取組について伺いたい。また、DV防止法を改正してデートDVも含める必要があるのではないか。
・デートDVについて若年層への予防教育の重要性をどのように考えているか。
・裁判員制度の開始を踏まえ、性犯罪被害者のプライバシー保護及び二次被害の防止のためのサポート体制を整備する必要性についてどのように考えているか。



  <<会議録の中で、こちらの関連部分について抜粋>>

○西村(智)委員 

 また、あわせて、若い人たちの性暴力に対する意識調査、これは内閣府でもやってはいただいておりますけれども、もっと実態に目を向ける必要があるのではないかと私は思います。実態に目を向けて、そこに必要な対策を打っていく、そのベースとなる意識調査をやはりここは大々的にやっていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○板東政府参考人 今御質問がございました予防教育の点につきましては、関係省庁、文部科学省と連携をしながら、積極的に推進をしていきたいというふうに思っております。

それから、性暴力の実態に関してもう少し調査をすべきでないかという御指摘がございました。ことしやりました男女間における暴力に関する調査の中でも、先ほどから御紹介いただきましたように一部実施したところではございますけれども、本年度はさらに若年層を対象にした暴力の被害実態、それからそれに対する支援の状況ということに関します突っ込んだ調査をしたいというふうに考えておりますので、御指摘の性暴力の被害についてはさらに実態を明らかにしていきたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

○徳久政府参考人 配偶者暴力防止法に基づく政府の基本方針におきましては、配偶者からの暴力の防止に資するよう、若年層への教育啓発として、学校、家庭、地域において、人権尊重の意識を高める教育や男女平等の理念に基づく教育を促進することとされております。

 このような観点から、学校教育におきましては、児童生徒の発達段階に応じまして、社会科、公民科、家庭科、道徳、特別活動等において、男女の平等や男女相互の理解と協力の重要性について指導しているほか、人権教育を通じまして、他者の痛みや感情を受容できるための想像力や感受性、自分の考えや気持ちを相手に適切に伝える能力等の育成を図ることといたしております。

 具体的には、中学校公民では人権の尊重、人間の平等の単元の中で、また高等学校家庭科では今日の家族をめぐる諸問題という中でDV問題について具体的に教科書で取り上げられているところでございます。このたび小中高等学校の学習指導要領を改訂いたしましたけれども、引き続き、これらの問題についても同じ観点で取り扱うことといたしているところでございます。

 今後とも、すべての児童生徒に対して、DVや性暴力の加害者にも被害者にもならないための予防教育が行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。

    〔西村(明)委員長代理退席、委員長着席〕

○西村(智)委員 ぜひよろしくお願いいたします。内閣府は余り遠慮しないで、もっとその教材を生かしてもらって、まさにおっしゃった言葉どおりです、加害者にも被害者にもならないための教育をぜひすべての若い人たちに対して行われるように、努力を引き続きお願いいたします。

 最後の質問になるかと思いますが、これは先日私たち超党派の議員でお話を伺った中身ですので、一点、質問をしたいと思っております。

 裁判員制度がスタートをいたしました。裁判員の選任手続や裁判そのものの中で、性犯罪の被害者のプライバシー保護や二次被害について多くの危惧の声が上がっております。実際に超党派の議員で性犯罪の被害に遭った人からお話を伺ったんですけれども、その方は、十年以上前の事件ですけれども、いまだにフラッシュバックがあって、自分で人前で話すと決意をしてやってこられたんですけれども、やはり途中で、涙で声が出なかったということがありました。

 こういった性犯罪について、アメリカの例が非常に参考になるのではないかと思うんですけれども、性暴力対策チームというのがアメリカではつくられる。それは法律で決まっていて、大体州ごとに置かれることになっているんだそうですが、警察官や医療職の方、カウンセラー、弁護士など、こういった専門的なチームをつくりまして、被害者にさらなる精神的負担をかけないように配慮しながら捜査や支援を進めているということだそうであります。非常にいいなと思いますのは、実はカウンセリング料や医療費なども州政府が肩がわりをしていて、被害者に経済的な負担は生じないということなんだそうです。

 我が国の現状からすれば、そこまで一足飛びでは無理だとしても、例えば、地域にある女性センターが裁判員制度への対応などとして当事者の二次被害防止のためのサポート体制を組む、こういう仕組みができないかというふうに考えております。プライバシー保護についても、支援マップをつくって、場合によっては告訴する場合の弁護士費用を支援するということも、これはアメリカの性暴力対策チームを参考にしてのアイデアでありますけれども、こういったことをぜひ検討していただきたいと思いますが、内閣府はこの点についていかがでしょうか。

○板東政府参考人 今お話がございました性犯罪被害者のプライバシー保護の問題とか、あるいは二次被害の防止の問題というのは非常に重要なことであるというふうに考えているところでございます。

 裁判員制度に係るものに限らないわけでございますけれども、性犯罪被害者の二次被害の防止を図っていくためには、今お話がございました諸外国での対応なども参考にしながら、関係機関の連携のあり方などについて、今後、男女共同参画会議の専門調査会などでもさらに議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。

 ただ、今御指摘の地域の女性センターでございますけれども、やはり裁判員制度などについての、非常に重大犯罪と申しますか、そういったところに関する支援について責任ある立場になっていくというのはなかなか実際上は困難な点もございますけれども、これについては、性暴力の被害に対応するあり方の問題、あるいは性暴力被害の防止のあり方の問題、こういったこと全般につきまして、さらに今申し上げました専門調査会などの検討も踏まえまして、積極的な取り組みを関係省庁と連携していきたいというふうに思っております。

○西村(智)委員 時間ですが、裁判員制度が始まって、プライバシー保護と二次被害の防止については、これは待ったなしで対策が必要なことだと思います。女性センターのアイデアについては、そこまではできないのではないかという答弁でしたけれども、これは早急にやらなければならない話、実際に裁判員制度はスタートしておりますので、早急にやっていただかなければならない話ですので、ぜひ代替策を検討していただくように強くお願いをして、質問を終わります。

 ありがとうございました。



超党派という動きになっているのはとても心強いです。ここでは長すぎるので省きましたが、DVやデートDVについてもかなり踏み込んだ質問をされています。こういう理解ある方が質問されたことは、とてもありがたく、救われるような思いです。

回答はなかなか、具体的ではないのが残念でならないですが・・・。要するにまだ「検討中」で何も答えられない、確約できないというのが正直なところなのではと思います。
「個別の事案」「個別の判断」とやらで明確な指針を出さずに現場に責任をおしつけて、それで何より迷惑なのは被害者なんです。何も悪くないのに突然事件に巻き込まれて被害に遭って、それだけでもあまりに辛いのに。しかも国の都合で裁判員制度で裁かれる・・・。

「早急に対策を」
本当に差し迫っているので、このように仰っていただいたことはとてもありがたいです。具体的な提案策までしていただいて感謝します。地域によって本当にバラツキがあるし対応しきれていないのが大問題ですから・・・。そういうところもふまえての「女性センター」というお考えなのだと思います。本当に代替案を考えてほしいです。

何とかならないものか・・・すごく焦ります。

昨日のエントリ「美しい人」で少しふれたSART(Sexual Assault Response Team)というのが、性暴力対策チームです。警察官、医療職、カウンセラー、弁護士等が連携して、心身のケアと法的支援を行うのだけど、連携して、というのが要です。
現状、日本はまず医療機関と医療従事者の確保が難しい。そして警察も残念ながら、「被害者側にたった」捜査がされているとはいえない状況。けど、それ以外でやれるところはすぐにでもしてほしい。そして、最大限の配慮と工夫をしてもらうよう、検察や裁判所へ、働きかけてほしいです。
それを願ってやみません。

参考

 読売新聞 2009年6月17日 
「性暴力被害者への支援」  警察や医療 連携体制必要

大藪順子(おおやぶのぶこ)
フォトジャーナリスト、全米性暴力情報センター名誉理事。米ネブラスカ州在住。37歳。

 私はフォトジャーナリストとして、性暴力被害から立ち上がった人たちの日常を撮影した写真展をアメリカで行い、性暴力が社会に及ぼす悪影響の大きさと、被害者支援の充実を訴えてきた。2006年からは、日本でも同様の活動に取り組んでいるが、日木の被害者との交流の中で痛感するのは、性暴力に対する意識の遅れ、そして、被害者支援態勢の不備である。
 警察庁の統計では、強姦罪の認知件数は、年間1600件(08年)。殺人(1300件)や強盗(4000件)に比べて極端に多い訳ではなく、3年前の05年(2080件)に比べ減ってさえいる。ただ、警察統計に現れない被害者の存在が、内閣府が3年ごとに実施している「男女間の暴力に関する調査」からは浮かび上がっている。
それによると、最新の昨年調査では、調査対象の1675人の成人女性のうち123人が「異性から無理やりに性交された経験」が「ある」と答えた。このうち6割が「誰にも相談しなかった」と回答しており、警察が認知する「事件」が、氷山の一角でしかない可能性が極めて高いことを示している。内閣府は「女性への暴力は重大な社会的・構造的問題」という観点から、調査を始めた1999年当初から、この問題に関心を持ち続けているのである。
 この調査結果が示すように、日本では、性暴力の被害者の多くが被害体験を自分で抱え込んでしまう傾向が強い。本人が誰にも相談しないだけに、被害者支援を訴えても「いったい何をすればいいのか」ということになってしまう。
 では、なぜ口をつぐんでしまうのだろうか。 「夜道を1人で歩いていた方が悪い」などと、被害者側が責められてしまう社会では、話せないのも無理はないのではないか。しかも、警察には専門スタッフがいない。心に大きな傷を負っているにもかかわらず、被害時の衣服のまま状況を聞かれ、被害現場にまで連れて行かれて同じ話をさせられる。これでは被害者の精神的ダメージは深まるだけであり、こうした態勢の未整備が、さらに被害者の心を閉ざしてしまうのである。  アメリカでは、各州ごとに州政府が被害者への支援体制を整えている。その核となるのが、警察官、医療職、カウンセラー、弁護士らが連携して支援に取り組む「性暴力対策チ一ム(SART)」である。それぞれが連携し、被害者に更なる精神的負担をかけないように配慮しながら、捜査や支援を進める。カウンセリング料や医療費なども州政府が肩代わりするため、被害者には経済的負担もない。
 こうした被害者支援に、アメリカ各州がカを入れるのは、実は犯罪防止のためでもある。性暴力は、肉体的にも精神的にも被害者に深い傷を残す。アメリカでは、仕事が続けられなくなり、生活保護に頼らざるを得ない人も多い。引きこもり、自傷行為、薬物依存などのほかへ虐待の如害者になったり、自殺したりするケースもある。被害後のケアが適切でなければ、将来の社会的コストが増えるのだ。
 日本でも、表面に現れないだけで事情は大きく変わるものではない。SARTのような支援システムの整備が急務なのである。そのためには、教育現場、警察、病院など人を守り助ける現場が、性暴力の社会に及ぼす深刻な影響を理解し、連携しなければならない。



ぜひこちらもご覧ください → 裁判員制度における性暴力事件を考える 

Appendix

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    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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