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被害者の方と周囲の方へ― 被害からまもない時期に読んでほしい本

被害直後の、被害者の方と、その周囲の方にはぜひ読んでほしい本のご紹介をしたいと思います。
被害者の方は、そんな本を読む余裕なんてとてもない、という方も多いでしょう。被害後に陥る心理的特殊状態についても、別途エントリをあげたいと思っています。
私も、かなりたくさんの本を読みましたが、被害を受けてからしばらくの間に読むには、この本が一番いいだろうと思いました。
「Working With Women 性暴力被害者支援のためのガイドブック」
フェミックス が発行している本です。ぱっと見た感じでは、ハードな内容の本だとわからないような可愛らしい表紙で作ってあります。こちらから購入できます。

この本は、もともとはアメリカミネソタ州の性暴力被害者支援センターでのトレーニングマニュアルであったもの、を翻訳したものです。
ボランティア希望の一般の方向けに書かれたものなので、何の専門的知識がなくても理解できるよう専門用語等はなく、ポイントをしぼりながらも非常に充実した内容になっていて、とてもわかりやすいです。
被害者への適切な関わり方、実際に起こりうる状況への適切な関わり方へのアドバイス等が、とても具体的にまとめられています。一字一句逃さないくらい真剣に読む価値があると思っています。

日本の現実とは直接関係がない部分については割愛したそうですが、そのかわりというべきでしょうか、日本での性暴力援助の豊富な経験のある方のお話も記載されていて、たいへん深く濃い内容になっています。
「サバイバー自助グループ活動に関わって ― 二見れい子」
「強姦救援センター沖縄(REICO)からの提言 ― 竹下小夜子」 等。


この本に、被害に遭われた方が、被害後におちいる様々な特殊な心理状態について、とても具体的に書かれています。
被害者の方に、知っておいてほしいのは、どんな反応が出ても、どういう症状が出ても、それは当然で、自然な反応だということです。
どうかそれを忘れないでほしいのです。あなたがおかしくなったというわけでは全くありません。
心も、重傷を負えば、身体と同じように、いろんな症状が出るのは当たり前です。
そして、適切なケアが必要であり、それは何ら恥ずかしいことでも、あなたが弱いということでもありません。
また、回復にはそれなりの時間がかかるので、もどかしく不安に思われるかもしれませんが、適切なケアとサポートを受けることで、必ず回復します。

他の人は回復しても、私だけは絶対に回復しない。そう頑なに思い込んでいた私が、いろんなことができるようになったのです。
全く外出することさえできず、ほぼ寝たきりの状態も長かった私でさえ、ここまで来れたのですから。

だから、どうかそれ以上ご自分を責めたり卑下したりしないでほしいのです。
どういう事情であれ、あなたは何も悪くないのです。責任は全て、加害者にあるということを、忘れないでほしいのです。


すぐに手に入らないという方のために。
ネットで入手できるもので、一番良いと私が思うものをご紹介します。

裁判員制度における性暴力事件を考える―二次被害 
に載っている、
小冊子「レイプの二次被害を防ぐために―被害者の回復を助ける7つのポイント―」
http://www.awf.or.jp/pdf/0168.pdf  です。教えていただいたakiraさまに、大感謝を。
こちらの冊子は、全22ページですが、非常に内容が濃いです。ぜひ一読をおすすめします。

<内容>
二次被害について       → p 5
被害後の、心理的特殊状態 → p 6~8
レイプ神話について      → p 9~11
二次被害を防ぐために    → p14~20


被害に遭われた方へ。
繰り返しになりますが、どうか忘れないでほしいのは、どんな症状が出ても、どんな反応が出ても、それは正常で当然の反応だということです。
あなたがおかしくなったわけでもなく、あなたが弱いわけでもありません。
身体が、そして心が、必死にあなたを守ろうとしている、ということなのです。
それは、あなたが本来持っている力がはたらいているということです。その強い力を、ご自分の力を、信じてあげてほしいと思うのです。逆のように思えるかもしれませんが、あなたが、自分の心と身体が守ろうとする力を、しっかりと持っているということなのですから。

心も、身体と同じように、重傷を負うと、いろんな症状が出るのは当たり前ですし、手当てだって必要です。回復も、なかなか一足とびというわけにはいかないです・・・。
ですが、時間はかかっても、回復することはできます。
そのためには、こういう症状が出るかもしれない、こういう症状が出ている、それはいたって普通のだということを、知ることから始まるのではないかとも思うのです。

あなたは一人ではありません。心の傷は見えない分、なかなか理解してもらえないために、より孤独感を強めたり、周囲の反応によって、どうしても自分を責めたり、自分が変なのではと思ってしまうかもしれません。そういう状況にいらっしゃることを思うと、胸が苦しくなります。
でも、あなたがおかしくなったというわけでは全くないのですから、どうかご自分を責めないであげてください。
そして、できれば、周囲の人に、理解を求められるのならば、求めたほうがいいかもしれません。
全て、あなたが自分のしたいように、することが大切です。
言いたくなかったら言わなければいいですし、理解してくれそうもないと思ったら距離を置くのもいいですし、理解してほしかったら、そう伝えるのもいいでしょう。


東京強姦救援センターのサイトも、ご紹介しておきます。

被害にあったあなたへ

特に、センターニュース一覧
には、被害者の方にとって、現実に決断しなければいけないことについても、かなり網羅されています。とても具体的なアドバイスが書いてあるので、ぜひ目を通してみてください。

このとおりにしなければいけないというわけではもちろんないのです。あなたが、したいと思うことをするのが一番です。

「・・・べき」「・・・しなきゃ」という考えから、「・・・したい」かどうか、に焦点をあてて、いろんなことを決めていくのが一番いいと、私は思っています。
世間の「常識」は「実は常識ではない」ということを知るのも、もしかしたら必要かもしれません。
何より、誰にどう思われようと、「自分がしたいと思うことをする」ということが、自尊感情を取り戻すことへとつながり、回復への道が開けると思うのです。
自分で自分の気持ち、心の反応、身体症状を、否定することなく、大切にして、いたわってあげてほしいのです。わがままになるくらいで、ちょうどいいのだと、私は思うのです。



周囲の方へ

同じく、東京強姦救援センターから、リンクを。
身近な人が被害にあったら

大切な人が、悲しい被害に遭い、あなた自身も、もしかしたら怒りや悲しみがコントロールできない状況かもしれません。その辛さを否定するつもりはありません。
ですが、一番辛いのは、被害を受けた本人だということを、どうか忘れないであげてほしいのです。

向けようのない怒りや悲しみを、被害を受けた本人に向けるのは、どうかやめてあげてください。
それは、あなた自身の感情です。それをコントロールできないからといって彼女にぶつけるのは、ただでさえあまりに大きすぎるダメージを受けている状態に、追い打ちをかけるようなものです。自分のせいで嫌な思いを周囲にさせている、と、より自責感、罪悪感を助長させてしまいます。

現実に決断しなくてはいけないことも多いでしょう。そのサポートは、とても大切です。ですが、あなたの「楽になりたい」という気持ちが少しでもあると、被害者はとても敏感で傷つきやすい状態になっているのですから、それを感じとってしまいます。ですから、どうかくれぐれも、自分の考えを押し付けないようにしてほしいと思うのです。

彼女に必要なのは、何よりも、サポートされているという実感です。ですから、彼女の選択を尊重してあげてほしいと思うのです。
彼女に代わって動くのは、必要な情報や知識を得て、そのメリットデメリットを説明することにしてほしいと思います。
最終的にどうするのか、選択するのは彼女だということを、どうか忘れないであげてください。どんな選択をしても、彼女がどういう感情を抱いても、決して否定しないであげてほしいのです。

「なかったことにしよう」「許しなさい」「忘れなさい」「もう終わりにしよう」「示談しよう」「告訴を取り下げよう」「警察に届けるべき」「裁判しよう」等、強要しないであげてください。
いろいろな選択肢があります。訴えれば、届け出れば万事解決するというわけではないのが、悲しい現実でもあります。
訴えるべきとも、訴えないべきとも、私には言うことができません。
本来ならば、あまりに辛い思いをせずに訴えられるのならば一番いいのですが、それができない辛さというものも痛いほど知っています。
しかし、訴えなかった、訴えられなかったことで悔やんでいる被害者が多いというのも事実です。

ただひとつ、確実に言えるのは、万全な解決策というのはとても難しいけれど、本人の意思で行動するのが何より大切だということです。
そのために何か必要なこと、疑問に思っていること等があれば、私の知っている範囲でお答えすることも可能です。


どうか、「~だろう」という自分の考えから、「もしかしたら・・・かもしれない」という相手の立場に立った考え方に、シフトしてほしいと思います。「だろう運転」は一番危険なのですだから。

もし、どうしようもないほど辛かったら、あなた自身がサポートを必要としているのかもしれません。
「代理受傷」という状態なのかもしれません。上述した本にはそうしたことへのアドバイスも書いてあり、とても役に立つとは思いますが、今すぐにでも、という場合には、間接的被害のチェックリストを見てみてください。

いろんな感情がわき出ても、それを否定する必要はないのです。大切な人を思うあまりのことだとも理解できます。私からお願いしたいのは、あなたが苦しくならないために、マイナスの感情も罪悪感を感じずにありのままに認めて、その上で、ただご自分の状況を把握してほしい、ということです。
そのあたりもまた別途エントリをあげたいと思います。




絶対的なものは何もない。そしてそれは、悪いことでは全くない。

そう、私は思っています。


※参考サイト  裁判員制度における性暴力事件を考える 

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    Author:てん
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    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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