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知れば知るほど・・・

「子どもと性被害」 吉田タカコ 著を読んだ。筆者はフリーライター。



子どもと性被害 (集英社新書)子どもと性被害 (集英社新書)
(2001/08)
吉田 タカコ

商品詳細を見る

(新書なので安いです。735円。多くの方に読んでいただきたいです。)
※8/11追記:フラッシュバックする内容も含まれていますので、読まれる際にはじゅうぶん体調にお気をつけ下さい。

いろいろな視点で、いろんな立場の方の声がつまっていて、かなり網羅されていると感じた。
読むのが辛かったけれど、読んだおかげで、かなり頭の中は整理されたし、何より自分と同じように感じている方の存在を感じて嬉しかった。

「おわりに」で吉田タカコ氏はこう綴っている。

 法律家でも福祉関係者でもカウンセラーでもない私が、性的虐待をテーマに書こうと思った動機は「怒り」である。
 取材活動を始めてすぐにつきつけられたのは、被害に遭った人のあまりの多さと、この問題の根深さであった。

 法律、司法システム、警察の対応、報道、学校、家庭、福祉現場、医療機関・・・。あらゆるところに、性的虐待を生み出し、黙認し、被害者をさらに傷つける要因があった。取材を進めれば進めるほど、この問題に取り組むことが、いかに広い分野にかかわらざるを得ないかを思い知らされ、まるで底なし沼に引きずり込まれる思いであった

 「憤死」ということばがある。当事者の声を聞けば聞くほど、そして傷つけられた人間をさらにおとしめる社会の現状を知れば知るほど、私は怒りと悔しさと無力感がないまぜになった気持ちに襲われ、「自分は憤死するのではないか」と本気で思った。
 訴えたいことがあまりにありすぎて、筆は一向に進まなかった。それどころか、あまりにも重い現実を目の当たりにし、強烈な倦怠感に襲われて、起き上がることすらできない状態に陥ったのも、一度や二度ではなかった。

 被害経験者の声を伝えようとすればするほど、ことばの難しさに何度もぶち当たることにもなった。

                   「子どもと性被害」 吉田タカコ 著 p243 ※強調は引用者による


そう、私もまさに「憤死」しかかっている。・・・いた、のか。
なんだか、この「おわりに」の部分に一番共感してしまって、この本を読みながら何度も涙が出たけれど、ここでとまらなくなってしまった。一字一句としてたがわない、同じ気持ちだ。
プロのライターである方もそういうお気持ちになられるというだけで、なんだか自分の怒りと悲しさが正しいものだと認識できて、嬉しいというかほっとした。共感してくださる人の存在というのは、こんなにも心強い。あらゆる分野を取材し網羅した、この本を書くことができたのは、こういう文章が書けるのは、専門家ではないからできることでもあるだろうと思った。

被害の重さを訴えるだけでは変わらない。それはそうかもしれない、一般的には。
だが、正しく認識されている状態とは言えないだろう。政治家が性犯罪を容認するような発言をする国だ。女性差別発言をしても大して問題視されない国だ。法律も判例もおかしすぎる。

私は、正しく認識してほしいと、そう思っている。
ならば、重いと言われようが何だろうが、現実を伝えていくしかない。

性被害の問題が改善されないのは、理屈で訴えても変わらない、社会的構造となっている男女差別の問題がやはり大きいとは思う。
だけれど。
肝心の、権力を握っているところでは難しいかもしれないけれど。ならば少しずつでもできることを探していこう。

ここのところ最近、つくづく考えていたのは、人権教育が足りていないということはもちろんだけれど、そもそも暴力について学ぶ機会を持って育った人がどれだけいるのだろうかということだ。
性暴力に限らず、何が暴力なのか、それがわかっていない人が多すぎる。

CAPプログラムのことも少し書いたけれど全然うまく説明できていない気がしてずっとひっかかっていたのだけれど。そういうことだ。
「~してはいけません」だけでは防止にならない。
暴力にあったとき、 「なにができるか」、その力を育てることをしなければ。何が暴力なのか、暴力にあっているということさえ、わからない状態にされてしまっているのが現状だ。
被害者を出さないことはもちろん、加害者も二次加害者も出さないように、してほしい。
犯罪にまで走らなくても、その芽となる意識をつむには、世間全体の認識を変えなくては。

そもそも、自分の感覚や考えを否定するようなメッセージに囲まれて私たちは育ってしまっている。
とにかく、誰が何と言おうと、自分の直感を信じる。違和感を大切にする。
何か起きたときにも話すことができる。そういう環境をつくってほしい。声をふさごうとしないでほしい。
そういうことを言っていきたい。

警察は、「夜道・一人歩き・見知らぬ男」を性犯罪の代表的なものと捉えている、という感じはしていたけれど。
最近教えていただいたお話で、ぎょっとするようなことを聞いて、「感じ」どころではなく、ほとんどその実態しか把握できていないのか、と、暗澹たる気持になった。
これまた書きかけては憤死しかかる、という状態で、なかなかかけていないのだけれど。

そして、説得力を持って動かすには、データがいる。警察も、行政も。世間も。
だけど、ろくなデータがない。
個人で、体験したこと、知っていることを話しても、軽くあしらわれる。本当に腹の立つ話だ。
だからといって、被害者がかかわるところ、相談するところが、データをとることに重きをおくと、安心して話せるところではなくなってしまう。
なので積極的にデータをとるというのは、私はあまり望んでいなかったのだけれど。
だけど、やり方によっては、できるのだろうか。全国的には難しくても、方法を考えるとできるのかもしれない。相談機関とは別に、行うべきだ。そういうことも少しお話を伺った。

国全体で、性被害もDVも虐待も、隠せ隠せ、というふうに加担しているしか思えないような気さえするときがある。

性暴力は女性の問題として捉えられているけれど、なぜ暴力をする、加害行為をする側の問題とは捉えられないのだろうと常々思っていた。
(男性被害も多いけれど、加害行為をするのは圧倒的に男性だ)
男性はジェンダーの話をするだけで何だか責められているような気がする人が多いようで、不思議だ。
責めているつもりはないので、自分は違う、とこちらにいきりたたれても困るのだ。
そういう逸脱した行為をする人に怒りを向けてほしい。

でも、男性で熱心に活動されている方とお会いすることができて、なんだかほっとした。
女性が集まって何かするだけで、警戒する人も多いから、こういう方の存在はかなりありがたい。
応援してくださっている男性は多いのだけれど、もっともっと、こういう男性がふえないかなあ。と思ったりなどする。

心の整理をするために、少しつぶやいてみました。
ちょっと、すっきりしたかもしれない、です。
いろいろな方にご心配いただいて、申し訳ないような、でも、ありがたいような気持ちです。




2011/02/27 追記
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読書メモ:「子どもと性被害」雑感   ~真鍮の鳥籠~
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    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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