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「夜想」を読んだ

11月に文庫化され、興味を持ったので読んだ本。
一気に読んでしまった。
なんだかいろいろ考えさせられました。


心に傷を負った人の描写がとてもうまいなと思った。
怪しげな方向にいくんじゃないかと、読んでいるこっちもはらはらして疑心暗鬼になったり。
まずいまずい、と思っているうちに、
とんでもないことがおこって、それで、いろいろな問題が表面化して。

でも、それが逆に、真実と、自分の心に向き合う結果になって。
よい結末でした。

主人公がたどりついた考えが、とても良かった。
深い傷は、無理に癒そうとしなくてもいい、というようなこと。
そう思うとよけいに辛くなる、と。
そっか・・・なんとなく私もそう思っていたけれど、それでいいんだなと思った。

あと、よく誤解されるのだけれど、
やりたいからやる、それが自分がやりたいことだから、というのは大事なこと。
完全に誰かのためにだけで自分の気持ちは無視、というのは危うい。
それは本当にあちこちで実感する。

共依存、自分の問題に目をそらすためにのめりこむ怖さ。
周囲との温度差や自分の理想、視野の持ち方、などなど。
いろいろなことを考えさせられました。


宗教 (実際には違うんだけど。でも宗教とは何だ、ということも考えさせられた) を通して
描かれていることも、
なんだか、たとえば仕事とか、趣味とか、なんらかの活動とか、
他のことにも共通しているなあと思ったのでした。

ちなみに私は無宗教です。
宗教系のトラブルとかは巻き込まれたことないけれど、
残念ながら、弱っているのに乗じて、つけこんでくる人もいるのだろうなあと思った。


作者の貫井徳郎氏の本は、他に「慟哭」を読んだことがあって。
ずいぶん印象が変わったなあというのが全体をとおしての感想。
今調べて知ったのだけれど、加納朋子氏と結婚されているそう。
こちらも大好きな作家さんです。

あ、貫井徳郎氏の本、「さよならの代わりに」も読んだことがあった。
他にもあるかもしれない・・・。
「慟哭」はなんだか重く苦しかったのを覚えているのだけれど。
ミステリーはここ数年は全く読んでなかったので忘れてるのかも・・・。
ともあれ力量のある作者さんだと思います。


夜想 (文春文庫)夜想 (文春文庫)
(2009/11/10)
貫井 徳郎

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    Author:てん
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    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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