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性犯罪を容認する発言を許す産経新聞へ抗議しましょう

11/25 水曜日、産経新聞の「オピニオン」という記事で、曽野綾子氏がとんでもないことを発言しています。
文章全体が、あまりに非論理的で、つっこみどころが満載なのですが、
曽野綾子氏、ノック事件から10年、全く認識が変わっていないようです。

ノック事件のときは、被害者の女性が
「すぐにその場で」「キャーッと大声で」「叫ばなかった」ことを平然と非難し中傷していました。
共感能力もなく、そういった経験のない女性にはわからないのでしょう。
実際には声も出ないほど驚愕し恐怖を感じるということが。

この記事、読めば読むほど、非論理的です。
一瞬、認知症の前兆なのだろうかと本気で考えたくらいです。


問題の記事はこちら→http://livedoor.blogimg.jp/teranews/imgs/f/2/f20c16eb.jpg

産経新聞 オピニオン 「用心するということ」

曽野綾子の透明な歳月の光

  外出時間やスカート丈・・・結果に責任


 警察が、夜11時以降の公園の立ち入りを禁止するという条例を作ろうとしたら、それは「憲法に違反する」と若者からの突き上げがあった、という。
 
 警察は「憲法に違反しません」と言う。警察がこういう防止策を講じようとしたのは、もちろん最近残酷な犯罪が起きているからだろう。

 もちろん決定的に悪いのは犯人だが、被害者の遺族の気持ちを考慮せずに言えば、最近の日本人は、用心するということをしない。大学生がアルバイト先から、暗くて自分でも気味が悪いと思うような夜道を歩いて帰る、ということが本来は常識外なのである。

 アラブの保守的な国なら、娘たちは、毎朝父か兄かに送り迎えをされて登校する。1人で外出したり、外国へ旅行したりすることは、考えられない。欧米の国でも夜道を1人で女性が歩いたりすることは非常識な行動だと、なぜ日本では教えないのだろう。

 今でも忘れられないのは、いわゆる「基地の町」の駐車場で、夜半過ぎに1人で歩いていた女性が米兵に襲われて殺された事件である。

 もちろん襲った米兵が悪いのだが、午前1時過ぎに基地の近くを1人で出歩く女性は、性的商売をしていると思われても仕方がない。それは日本以外のほとんどどこの国でも示される反応だ。

 基本的な行動の自由と、自衛の手段を講ずることとは、全く別の次元である。というか、行動の自由を口にするなら、十分すぎるほどの用心や、世界的常識を学ぶことができなくてはならない。

 ヨーロッパ在住の日本人が驚いているのは、日本の女子校が、どうして制服にあんな短いスカート丈を許すのか、ということである。あれでは男たちに手を出してください、といわんばかりですね、と彼らは言う。

 先日パリのデパートをのぞいたら、果たして最新ファッションが並んでいた。しかし町行く人たちは、保守的で質素な服装ばかりで、私はすこしがっかりしたのだが、
 「午前中から最新ファッションの人なんかで歩きません。そういう人は夜遅くです」
 「ほんとうに最新流行を着こなすお金持ち階級は、車に乗って移動するんです」
という2つの返事で納得させられたのである。

 太ももの線丸出しの服を着て性犯罪に遭ったと言うのは、女性の側にも責任がある、と言うべきだろう。なぜならその服装は、結果を期待しているからだ。性犯罪は、男性の暴力によるものが断然多いが、「男女同責任だ」と言えるケースがあると認めるのも、ほんとうの男女同権だ。

 親の庇護の下、学校の責任下にある間は、両者とも外出時間やスカートの長さに口を出し、常識を教えて当然だ。それが嫌なら、経済的に自立した上で、どんな結果も覚悟のうえでしなさい、と私なら言いそうである。



突っ込みどころは沢山ありますが、

曽野綾子氏の主張は、女性の社会生活を限りなく制限しろと言っているようなものです。
父や兄に迎えに来てもらうことを推奨していますが、一人暮らしの場合はどうなるのか。
父や兄がいない家庭は?とはてしなく疑問がわきます。

また、“太ももの線丸出しの服”に対して異常な憎悪を感じますが、
どういう服装をしようと、襲ってくれなんて誰も頼んでいないのです。
レイプファンタジーを持っている女性は一部ですし、そういう女性も、実際に襲われることは望んでいないのです。


どういう人であっても、犯罪に遭っていい人なんていません。
暴力でしかないのです。
性暴力を、あって当たり前とするのは、間接的に容認していることになります。
加害行為である暴力をなくすよう働きかけるべきです。
被害者は全く悪くありません。
悪いのは、加害者です。


何より、性犯罪は、性欲が原因ではありません。
支配したい、征服したいという歪んだ考えで、
性を使った暴力により被害女性に最大限の屈辱を味あわせ、優越感に浸るのが目的です。
性欲は手段にすぎません。

実際に、受刑中の性犯罪者を対象に行なった調査では、
「きれいだから」「挑発的だから」という理由ではなく、
「おとなしそうだから」「弱そうだから」「人に言わなさそうだから」が圧倒的です。


さらに、夜道の一人歩きの女性への見知らぬ男性による犯罪のみをレイプと捉えているようですが、
実際には、加害者は、7割から9割が、見知っている人によるものです。
それをどのようにして防げというのか。
あまりに無責任です。

また、子どもが被害に遭うのは、圧倒的に実父、継父が加害者の場合が多いのです。
次に兄弟、親戚、教師や近所の人、となります。「父や兄」が安全な人ではないのです。
家庭こそ危険な場所という認識を持つ必要があります。
(これはまた別エントリで書きます)


この記事を書いた曽野綾子氏、そしてそれを掲載した産経新聞は、
勉強不足、認識違いとしか言いようがありません。

早速、抗議しました。


http://sankei.jp/inquiry.html#Articlesによると
記事に対する要望感想等のメールは以下のアドレスです。
u-service@sankei.co.jp

抗議していただける方、ご協力をお願いいたします。


別館にも同じ内容の記事をあげます。http://d.hatena.ne.jp/manysided/20091129
性暴力に理解がある、という自信のある方以外は別館へお願いいたします。


<11/30追記>

以下にブログに別館からトラックバック送りました。
事実を知ってほしかっただけで、抗議してくださいという意味ではありませんので、ご安心を。

◆フランチェス子の日記
強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ
(id:KoshianXの)性欲をかき立てる格好をした女は街から排除する必要があるらしい
親が子にできることは
あらゆる人間が欲望の対象になりえる
おとなしそうな格好だろうが扇情的な格好だろうが関係ない

◆火星人blog  懐古主義との抱き合わせ販売は止めて欲しいですな

◆DDC blog 産経の「結果に責任を」記事

◆WebLab.ota 重み付けと自己責任

◆なにがしの日和見雑感 ああ


※12/2~付記 反応が増えてきました(順次、追加予定)

◆シートン俗物記◆
男は夜道で刺されても当然
男は性犯罪を防ぐために外出制限されて当然

◆キリンが逆立ちしたピアス◆
ミニスカ論争

◆Non-Fiction(Remix Version)◆
慎ましくすれば被害に遭わない? 馬鹿言ってんじゃないよ

◆factory◆
真面目な話

◆経済学101◆
ミニスカートが悪いのか


◆12/3過ぎ去ろうとしない過去◆
「男はケモノ」が「女性の自衛」と結びついていること自体が差別


◆12/3みやきち日記◆
ミニスカートが作られた目的は、誘惑じゃなくて税金対策


◆隠フェミニスト記(仮)◆
【曽野綾子】ミニスカ論争~被害者語り【まとめ】

◆はてな匿名ダイアリー◆
http://anond.hatelabo.jp/20091203211034#←曽野綾子のコラムのパロディ


<あわせて読みたい素敵な記事>

◆Gazing at the Celestial Blue ◆
危険な動物は管理が必要です

◆村野瀬玲奈の秘書課広報室◆
強姦についての俗論を分析し、「強姦予防法」試案を小声で提唱してみる。 (追記5まであり)


<当ブログの関連過去記事>
何の“芽”を摘むのだ?
防犯を呼びかけるのが警察の仕事なのだろうか

コメント

[C295] 黙っていられません

この方は以前より「いじめられる側に問題」「被災者は甘えるな」と同コラムで書かれたり、
また夫である三浦朱門氏は、「女性を強姦するのは、紳士として恥ずべきことだが、女性を強姦する体力がないのは、男として恥ずべきことである」
など問題発言を連発しています。

このような問題発言をする人びとが、一介のブログではなく、日本を代表する新聞でコラムを書けること自体、日本はどのような国であるのかをはっきり証明していると思います。

曽野さんの書いていることは、一見すると正しいです。
でもそれは一部で、表面しかみていません。


>何より、性犯罪は、性欲が原因ではありません。
支配したい、征服したいという歪んだ考えで、
性を使った暴力により被害女性に最大限の屈辱を味あわせ、優越感に浸るのが目的です。
性欲は手段にすぎません。


>さらに、夜道の一人歩きの女性への見知らぬ男性による犯罪のみをレイプと捉えているようですが、
実際には、加害者は、7割から9割が、見知っている人によるものです。
それをどのようにして防げというのか。
あまりに無責任です。

>子どもが被害に遭うのは、圧倒的に実父、継父が加害者の場合が多いのです。
次に兄弟、親戚、教師や近所の人、となります。「父や兄」が安全な人ではないのです。
家庭こそ危険な場所という認識を持つ必要があります。

このようなことを本当にご存じでなのかと首をかしげざるを得ません


曽野さんのおっしゃっていることは、究極的な理想論であり、
そこまで到達するには、まず「ありのままの現状」を世間が把握して、「警察・法整備その他をきちんとあるべき姿になおして」、「すべての人に生活を保障し、女性を優遇して」、段階を踏んで言ってほしいものだと思う。
私立文系の大学生に、明日いきなり微分積分の高等問題で100点をとれといっているのと同じくらい無茶な要求だと感じる。


この記事を読んでいると、「私はしつけ正しく育った、巷とは違う意識の高い優れた人間」と言いたいがために、
運悪く不幸な目にあった人々をこれみよがしに非難しているような嫌悪を感じる。

はっきりと自分の意見を述べられる姿勢は立派ですし、たしかに「しつけ」や「本人の気構え」も、相手につけいるすきを与えない意味でも、とても大切だと思います。

しかし、それが加害者の都合のよいように書かれているのが気になります。


>実際に、受刑中の性犯罪者を対象に行なった調査では、
「きれいだから」「挑発的だから」という理由ではなく、
「おとなしそうだから」「弱そうだから」「人に言わなさそうだから」が圧倒的です。


だとしたら、「ミニスカ」や「派手な人」「美人」ばかりが被害にあっているのではなくて、地味でおとなしい人が狙われやすい、特に子どもが狙われやすいことになります。
それに、日本人だけなのかわかりませんが、「素人」が「嫌がる」のが快感という連中もいる。
つまり、「そういう目に遭いたくない」と日々気をつかって祈っている人ほど、ターゲットにしたがる輩も結構多いはず。

だとしたら、曽野さんのいう「自己防衛」は、「よけいに欲望をかきたてる」可能性だってあるわけで、けしてすべての性犯罪の解決にはならないということです。

それをあの手この手でかいくぐる、のが本当の知恵なのかもしれないけど、
そこまでの労力を払うんなら、加害者をきちんと罰し、二度と加害者を出さない取り組みを社会なり法制度でするほうが、ずーっと「簡単」だと思います。


>先日パリのデパートをのぞいたら、果たして最新ファッションが並んでいた。しかし町行く人たちは、保守的で質素な服装ばかりで、私はすこしがっかりしたのだが、
 「午前中から最新ファッションの人なんかで歩きません。そういう人は夜遅くです」
 「ほんとうに最新流行を着こなすお金持ち階級は、車に乗って移動するんです」
という2つの返事で納得させられたのである。


日本をこんなつまらない、格差社会にしたいのでしょうか?
世の中を男か女かわからない戦闘的で怖い女性であふれさせたいのでしょうか?
女性が男性に好まれるような容姿で、きれいな格好をして、夜遅くでも安全に歩けて、アルバイトできるほうが、「知的で幸せな社会」「男女同権」じゃないでしょうか。

特定の女性に自分のしたいことを諦めろというのなら、そのほかの人々も何かを我慢しないといけないと思います。
一部の人がひたすら我慢し抑圧され、一部が好き放題なのは、悪い社会です。

女性が見知らぬ人にも親切にできて、
「将来のパートナーと出会える」ことが自然にできる社会が、男女ともに幸せだと私は思います。


  • 2009-11-29 19:14
  • allegra
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[C296] 追加

>親の庇護の下、学校の責任下にある間は、両者とも外出時間やスカートの長さに口を出し、常識を教えて当然だ。それが嫌なら、経済的に自立した上で、どんな結果も覚悟のうえでしなさい、と私なら言いそうである。


「経済的に自立」したいから、「大学」に入り、「深夜バイト」を無理してしたのではないでしょうか?

また職場のセクハラ、電車での痴漢、学校やサークルでの性欲の対象など、性犯罪は目に見えて証拠に残るものばかりではありません。
ちょっとしたことが毎日毎日たまっていって、その人の人生を破壊することだってあります。

大切なのは、世の中が女性を性の対象として見る風潮を正すことからしか始まりません。

もし女性が性犯罪に遭わないよう社会生活を制限させたいのなら、今のような「男女同権」「女性の自立」は不可能です。

それなら、女性には最初から税金が免除される、生活保護も申請すればだれでも受けられるなど、制度を充実させるべきです。

貧しくても身の安全を守りたい女性だってたくさんいると思います。
でも働かないと生きていけない、家族に男性がいない、
曽野さんのようにすべてが最初から備わっている人は少数です。
そういう人の弱みに加害者がつけこんで当たり前というのは、本末転倒だし、同じ女性を貶めたいと捉えられても仕方ありません。


生まれのよいかたが「皆のお手本」になってくださるのはありがたいことですが、それを立場の違う他人におしつけ、「それができないあなたはどんな目にあっても仕方ない」というのはおかしいです。

「じゃあどんな目に遭ってもいいから働く」と言われたら、彼女はそれでいいのでしょうか?
それが社会のためになるのでしょうか?
  • 2009-11-29 23:23
  • allegra
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[C297] allegra さま コメントありがとうございます

この文章、読めば読むほど、あちこちおかしなところだらけですよね。
本当に、文筆業か??と思ってしまいます。

曽野綾子氏は、allegra様が仰るように、他にもいろいろやらかしているようですね。ここまでひどい人とは・・・。うんざりです。なぜ好き放題書かせるのか、理解不能です。”いちおう新聞”の名をとっていますが、中身は三流週刊誌ですね。

本当に、悲しい思いをした人を見下して自分は安全と思いたいだけなのでしょう。私も嫌悪感を強く感じます。加害者擁護でしかないですよね。

いくら自衛努力を強要したところで、犯罪者はそのまま闊歩し、他にターゲットを見つけるだけです。何の解決にもならないです。そもそも自衛努力は、はてしないことになります。夜も出歩かず、「父や兄」(苦笑)に送り迎えしてもらっても、それでも犯罪に遭うことはあります。たとえ家族揃って住んでいても、そんなに時間のゆとりのある「父や兄」がどれだけいるのか?もうおかしすぎます。
例えばですが、父が亡くなり兄が結婚して子どもができたら、兄は、自分の妹と子はどっちを優先させるべきなのでしょう?まず兄の妻は??となるわけです。ともかくトンチンカンな主張ですよね。
・・・そもそも、本文にも書きましたが、家庭は全く安全ではないとわかってきているわけです。

>そこまでの労力を払うんなら、加害者をきちんと罰し、二度と加害者を出さない取り組みを社会なり法制度でするほうが、ずーっと「簡単」<

激しく同意します。

女性が、女性という理由で、服装や生活スタイルなどを制限させられるのは、おかしいです。安全に歩けるようにしてほしいです。

>大切なのは、世の中が女性を性の対象として見る風潮を正すことからしか始まりません<

これに尽きますよね。
ひとりの人格を持った人間だということが、わかっていない人が犯罪をするのです。
セクシャルな対象としてランク付けするのではなく、全ての人を、対等な人間として尊重する、ということができていないのだなと思います。
それが男女差別にははっきり表れますが、あまりにありふれているからこそ分からない人はどんどん感覚が麻痺していくのでしょう。「保守」という名を借りて。

この現実をなんとか変えていきたいですね。

[C298] お返事ありがとうございます

難しい問題ですよね。

いろいろ思ったのですが、「大人」が「自分の欲から一歩ひいて」、子供や社会のことを考える世の中でないといけないのではないかと。
この場合、「大人」とは「男性中心社会」に属する人々ですが。

今は一見男女平等のようですが、実際は男性側(権力)に都合のよい女性しか優遇されない、
曽野さんのように「もちろん決定的に悪いのは犯人だが」と前置きをしたうえで、被害者になりうる立場の人にばかり責任や負担をかけるような人は「利用できる」。

仮に「ミニスカを履いている女性はふしだらで、男性の性欲を刺激してしまう」のだとしても、「だから強姦されていい」わけではないし、
全体がそういう格好を白い目で見て容認しないのなら、欧米その他の国のようにできないだろうし、する気にもならないような気がします。

その前に、電車やコンビニなどでもあふれかえる成人向けの広告や雑誌は?
あれはよくて、なぜ真似をする少女はいけないの、となると、多くの購買者によって成り立っているのに、つじつまが合わない。
(欧米でそんなことありませんけど、そこはつっこまないのでしょうか?)
男性の普段の欲求を感じ取っているからこそ、女性もそういう格好をするではないかと常々思う。

なんでも「男性主権」でありながら、都合の悪いことはその他の人々のせいにしてしまうのは、ずるい。
でもそれが「権力」というものなのでしょうか?
どう思うと、何を言っても無駄な気もして、自暴自棄になりそうです。

そうして自暴自棄になって、夜中フラフラ出歩いたり、「娼婦」みたいな恰好をしてたら、「どんな目に遭ってもいい」なんて、冷たすぎる。
なぜそこで「そんなことをしたらいけない、あなたも、世の中にもよいことはない」と言ってあげないのか。

「存在」するのには、それなりの「原因」があって、突如生まれてくるのではないと思う。

「自分は何もできない」という無力感が、女性に男性を挑発することでしか存在意義を見いだせないような精神状態にしているように思う。

私個人は、女性に「自己防衛」を厳しく訴えること自体を悪いとは思いません。
女性には自分を大切にしてほしいし、そうすることが世の中を大切にすることだと思う。
女性の態度によって、男性の意識も変わると思うから。

でも、なんでもかんでも女性や被害者のせいにして、負担ばかり押し付けて、
一部の身勝手な男性や犯罪者は許すというのとは違う。
そんなんでは何にも解決されない。

「女性が汚れるのは、汚す人間がいるから」
女性は生まれながら受身の存在です。女性が男性を強姦することは、不可能です。
だから、能動的な立場の人々から、変わってほしい、思いやり・理性をもってほしいと思います。

  • 2009-11-30 23:50
  • allegra
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[C299] コメントありがとうございます

allegra様

>この場合、「大人」とは「男性中心社会」に属する人々ですが<
>今は一見男女平等のようですが、実際は男性側(権力)に都合のよい女性しか優遇されない<

そうですね・・・。そしてそのことに自覚もない人が多いから問題です。

>その前に、電車やコンビニなどでもあふれかえる成人向けの広告や雑誌は?
あれはよくて、なぜ真似をする少女はいけないの、となると、多くの購買者によって成り立っているのに、つじつまが合わない。 <

こういうこともあり、男性の性欲に寛容な社会、「男はそういうものだから」という社会になっているような気が私はしています。

また、私も、夜道を一人で歩けとは思いません。とても心配です。
危ないです。傷ついてほしくない、怖い思いをしてほしくないです。でも、仮に、夜道を歩かないようにしても、犯罪者は闊歩して“獲物”(不快な表現で申し訳ないです)を狙うわけですから、どうしても他に不運な女性が被害に遭うことになります。
誰も女性が夜道を歩かなくなったとしたら、今度は侵入するでしょうし。
要は、犯罪者がいない世の中でなければ、安心はできないのです。

それに、彼らは「性欲を抑制できない」のではなく、「抑制したくない」のだと思います。自己中心的で、他人のことを思いやれない、自分以外を人間と思っていないから。
そう思うと、なんだか、むかむかと腹が立ってくるのです。
誰もが安心して過ごせる世の中になってほしいです。そのためには、allegra様仰るように、女性や被害者に責任をなすりつけるままでは駄目だと私も思います。

[C300] また書いてしまいます

さきほど別館をのぞきましたが、いろいろ大変なようですね。。

私もハラがたつとともに哀しくなってきました。
物にはいいようがあるし、他人を想像するのと自ら遭うのとでは、まったく違うし、わかってしまうことも多いから、被害者に歩み寄って発言してほしいと思います。
(あ、もし今後別館にコメントしたほうがよければ、ユーザー登録します)


>ひとりの人格を持った人間だということが、わかっていない人が犯罪をするのです。
セクシャルな対象としてランク付けするのではなく、全ての人を、対等な人間として尊重する、ということができていないのだなと思います。

>それに、彼らは「性欲を抑制できない」のではなく、「抑制したくない」のだと思います。自己中心的で、他人のことを思いやれない、自分以外を人間と思っていないから。


ほかのこと含め、本当にそうだと思います。
それは生まれた時からそういう環境にあって、もはやマヒしまくっているのでしょう。

たとえば、巷に氾濫する男性向けの雑誌や広告、あれもフツーじゃないと思います。
でも日本では「フツー」だから、「嫌」といえば「なに子どもみたいなこといってるの」みたいな扱いになるけど、女性であれ見て嬉しいってそんないないと思うし、見て何も感じないのも、鈍感なんじゃないのかと思う。

たぶん日本の上のおじさんたちは「鈍感」な人種がどんどん増えてくれるほうが統治しやすくていいんでしょう。

だから性犯罪に遭っても(デートDV=「別にそのくらいなんでもないことじゃん」)、あんまり後にひかないですぐ忘れて働いてくれるような人種のほうがありがたい。


それって、「バカ」ってことじゃないの?


もし「男性の都合でどうしても必要」なのなら、どうして女子供の目につくところに置く必要があるのか。そのくらいの配慮は最低限してほしい。

「気にするな」って言われても、気になるし、そもそも、そういう「使い分け」に慣れたら、自然に本当の愛情もわからなくなる。

よく性犯罪者がフツーのよい男性、よい父親だったりするという話、あれも「使い分け」の結果だと思う。
何にも疑問もたず家事をこなし子どもを育ててくれる奥さんと、性衝動を満たしてくれる「モノ」と、、、。
そして「モノ」は自分の仕事、人間関係にはまったく関係ないから、どうなろうが関係ない。モノだから。。。

でも人間は「モノ」ではない。巷の女性はそれで商売をしてるわけでもない、なんの利益もない、ただ搾取され、心が殺されるような気持ちになる。
(できれば商売の人にもしないでほしい)

「性的な目つきをされるだけで、女性はものすごく傷つく、脚がすくむ」
「後々それがフラッシュバックして、仕事そのほかが手につかなくなることもある」ということを、
男性はもっと理解してほしいし、言われなくてもわかることだと思う。
だから、きっとわかってやっているんだろう。
お願いだからやめてほしい。

そして「生身の」人間を、めんどくさくても愛してほしい。大切にしてほしい。
それが人間に必要な成長と幸せを、平和を愛をもたらすから。


「ほとんどの男性はそんなことない」というけど、「ほんの一部の加害者」を「ほとんどの男性」が責めてくれることはない。
それが上司だったら、上司のまえではいい人間を装う人間だったら、何も言わない、見ない気付かないふりをする。
そして「ほんの一部の加害者」が「多くの女性」(一人の女性を多数)を攻撃するのは可能です。
だから「自分は違うんだけど」と言われても、無意味なのです。

(たとえば麻薬中毒者は「理性のない人たち」です。普通の人間とは違います。
でも彼らはほとんどの場合野放しで、「まれに」捕まっても、「執行猶予」で巷に出ます。
やめても思考は薬中のままです。だからおかしな人はそこらへんにたくさんいます。)


そこまでして一体何を守りたいの?
そんなに出世したいの?お金がほしいの?
だったらどうぞ。
子ども生む機械はたくさんいますので。そこらじゅうに。誰かテキトーに捕まえてください。
でも「関係ない」女性を、使い分けに利用するのだけは、どうぞやめてください。


私も本当は外にでたくない。
そして本当なら外に出たい。
でも外に出ても、がんばってもがんばっても、ただ傷つけられることばかりだった。
外国に行ったり学歴をつけたら、さんざん怒られていじめられて、曽野綾子氏やその他のおじさんのよろこぶような人間になろうと努力した。

でも、いざというとき、彼らは何もしてくれません。
加害者を許すことも平気でします。

もし「ああしろこうしろ」というのなら、同じくらい責任と愛情を持ってほしい。
加害者を罰してほしい。
でも、馬にニンジンぶらさげて、脚おったら殺すような人たちだよ。
誰を信じていいのかわからない。

だからそういう人たちのことはもう信じないし、言うことに従うつもりもない。
「自業自得」のほうがよほど後悔しない。


あと、「なぜ声を出せなかったんだ」といいますが、「恐怖のあまり声が出せない」のです。
理屈ではありません。
それこそ本能ですのでとしか言えません。

セクハラ・パワハラでさんざん弱っているところに、襲われたら、抵抗なんてできない。

皆さん、性犯罪者が「元気そうで」「体力あって」「キャー」っと悲鳴をあげて、
110番しそうな人をわざわざ襲うと思いますか?
なかには己の判断ミスでそういう人もいるでしょう。
でも大抵は、そんな抵抗する力のない人を襲うんだと思います。
「助けてあげる」とかなんでもいって。

被害者は遭ったこと自体だけがつらいのではない、
予兆を訴えても無視されたり、弱みに付け込まれたり、
親切心(ex.道を教えてあげる)を踏みにじられたり、
その後白い目でみられたり、ミスしたり働けないことを責められたり、
そういうことに一番傷ついているんだと思います。

そして「必要以上に警戒してしまう」本能により、
人間関係をもとのように築けずに、孤独に苦しみます。
もし自衛を今以上に訴えたら、女性はどうやって他人と出会い心を開いたらよいのでしょうか?
もう見知らぬ他人に親切にできないのでしょうか?
困った人がいても、可能性がある以上ほっとくべきなのでしょうか?
それで「今の女性は母性がない」と言わないでください。
「自己責任」でできないのです。

「加害者」を取り締まり、「被害者」を救済する・理解することを、
「自衛」を説く前にきちんとやってほしいです。
それだけなのです。
  • 2009-12-02 16:45
  • allegra
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[C301] つづき

あと、私はさんざんいじめられた後、「改心」して、曽野綾子のよろこぶような品行方正な女性になりました。

仕事も夜遅くなるのはやめて、派遣をするようになりました。
この10年日本から一歩もでていません。
実家に戻り父に送り迎えもしてもらっています。
服装は毎日ジーパンです。(わざと派手目な恰好してます←そのほうが絶対寄ってこない)


その結果は?

①会社の年増の女性正社員から「なにいいこぶってんの」といじめられる

②出会いない男性社員から、「コイツなら働けなくて、おとなしそうで古風だから、嫁にしてやってもいい」と公私混同でアプローチされる

③それでさらにおつぼねらからいじめられる。

④さらに男性社員をスルーしつづけたら、「なにお高くとまってんの」と叩かれたあげく、「メンツが保てない」「社員とうまくやれない」ということで、他の理由をつけて解雇される。

⑤ほかの会社でも「養わせてほしいって、どうせ派遣して金持ち漁りにきてんだろ」って、女性からも男性からも白い目で見られる(一部だけど)。


つまり、「曽野綾子好みの女性になれ」というけど、いざそうしたら「古風ぶって、いい結婚しようと思ってんじゃないよ」て、それはそれでトラブルメーカーと思われる。

既婚者からは「古風な夫婦」の疑似体験を期待される。
奥さんからは意味不明に八つ当たりされる。
最後はきまって「私を悪者」にし、二人よりをもどす。
人ってホント勝手だよ。


古風だろうが、派手だろうが、その人はその人です。そのうえで好みとかあっていいと思う。

でも犯罪を容認したら、自分自身であること自体を否定される。
毎回いろんな人が言っていますが、どんな女性でも性犯罪に遭ってしまうのです。
理由は女性側にあるわけではないです。

なぜなら今の世の中では性犯罪しても「罪にはならない」からです。
やったもの得だと思う輩がいるからです。

自衛しろ、ということになったら、24時間寝ても覚めても、自衛のことを考えないといけない。
そのうち気が狂います。
もちろん、勉強も仕事も手に付かない。
キャリアアップだってできるはずもありません。
だったらどんな目に遭っても、最初から自衛なんて諦めたほうが、
他に楽しいことたくさんあるんじゃないでしょうか。

自衛は本人がするものじゃない、社会がするものです。
そして「家族が遭ってほしくない」からではなくて、目に見えない・知らない人が哀しい思いをしてほしくないという気持ちで取り組んでほしい。

曽野綾子氏のいう「自衛」も「家族が女性を守る」も、自己愛と変わらない。
「関係ない他人」を思いやったら、犯罪とか、見て見ぬふりして勉強や仕事はできない。

奥さんも「他人」だから、愛する意味があるんですよ。
  • 2009-12-02 20:42
  • allegra
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[C302] さらにつづき

「こないだパン屋にいたら、変なオヤジがジロジロみてきて、ホントキモかったよ」

と友人に言ったら、

「そういう奴らはアンナミラーズみたいな店には最初から行かないのよ。パン屋とか、いかにも狙ってませんって店に出没するのよ」

と言われ超納得。

だから、夜の繁華街より、昼間の図書館のほうが、相手も油断して狙い目かもしれません。


犯罪を野放しにし、被害者に自衛を求める風潮がなくならないかぎり、安全な場所などもはや存在しないのです。
  • 2009-12-02 21:05
  • allegra
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[C303] 方法を練る

不快にさせたり、フラッシュバックを起こされたら、すみません。

「敵を知れ」というわけではありませんが、
日テレ系のTV番組「バ●キシャ」「やしきた●じんのそこまでいって委員会」など、
笑える位反動の人ばかり出る番組をしばしば見ています。
「やしき~」で、以前、まさにこうした話題が出たんですね。
パネラーはいろんな意味で、超右派(ご理解いただけるかと思い、こんな乱暴なくくり方をします)ぞろい。
その中で唯一、敵役、いや、嘲笑される役どころとして、田嶋陽子さんが出ています。

右派たちは、「夜道を歩く方が悪い」みたいな事を言い、
田嶋さんは、「夜道を女が安心して歩けないのはおかしい」と言う。
で、議論はえんえん平行線でした。
田嶋さんの主張に対して、右派たちが言った言葉が印象的でした。
「襲う方が悪いことなんて当然わかってる。その上で、襲われるような状況に身を置くのはあかんのちゃうか?と言いたいんや」ということ。

その時、わたし、思ったんですね。
こりゃ、作戦を変更せなあかんと。
「夜道を女が安心して歩けないのはおかしい」では、敵を動かせない。
むしろ、彼らには「アバズレ女がたきつけるから勘違い女が増える」位に思われるだけ。
思想と思想、理念と理念、信念と信念の闘いを招いてしまう。
お互い、相手を「馬鹿」と決めつけて終わるだけ。
不毛です。

「夜道を歩くな」派の思いこみは、道徳意識や思想など、彼らの背骨を貫く強い何かに支えられている。
そこをひっくり返すような女性解放思想自体、受け入れられない。
ならば、思想や理念ではなく、徹底的に冷酷なデータで攻めるしかないんじゃないか。

彼らの思いこみを支える現実ってのが、また世界じゅうにごろごろ転がっているわけです。
海外旅行をした際に、日本の感覚では一人で出歩けないような治安の悪い街が、現実に存在している。
JICAの海外協力隊で、女性隊員を1人として派遣できない国が存在している。
レイピストが悪いのは当然だが、レイピストは現実に存在している。
ならば、レイプに遭う可能性を少しでも減らすことが、個人でできるセキュリティ対策ではないか。
彼らの考えは、そういうこと。
そこに、一理はあると私は思います。

しかし、彼らはレイプの現実を本当には知らない。
だから、「家にはしっかり鍵をかけよう」「スラム街の一人旅はやめよう」レベルで、レイプが防げると思っているんです。

>夜道の一人歩きの女性への見知らぬ男性による犯罪のみをレイプと捉えているようですが、
>実際には、加害者は、7割から9割が、見知っている人によるものです。
>また、子どもが被害に遭うのは、圧倒的に実父、継父が加害者の場合が多いのです。
>次に兄弟、親戚、教師や近所の人、となります。「父や兄」が安全な人ではないのです。
>家庭こそ危険な場所という認識を持つ必要があります。

彼らには、このデータを冷静に突きつけ続けるしかないと思います。
それでも、
知人が加害者であれば、「被害者がその気があるように振る舞ったのでは」、
子どもが被害者であれば、「気の狂った特殊な親族や知人に当たって、可哀想に」、
そんなレベルでしか理解されない可能性は高いと思います。
さて、そんなヨノナカに効果的に、冷静に訴える方法はいかに。
わたしもまだ答えが出ません。

[C304] allegra様、MARU様、お二人とも、コメントありがとうございます。

わたし自身がうまく言葉にできなかったこと、自信がもてなかったことをずばり書いていらして、ほっとしたとともに、さらに深く考えさせられました。

allegra様、だいぶ味方というか、わかってくださる方は増えてきたのを感じます。まあわからない人はわからないようですが、自分の考えのゆがみに気付いて正すというのは痛みが伴うので、心が強い人でないと無理なのではと最近感じます。
ですが犯罪のみならず二次加害もやめてほしいと強く思うので、言っていこうと思います。こちらの数が上回れば、案外おとなしくなるかも?と期待して。

私も、allegra様と同じように、やはりただしい性教育やジェンダー教育もないのですから、どこから情報を得ていくかという点で、メディアや表現物の影響は大きいと思っています。変な「男らしさ」「女らしさ」を刷り込んでいます。性に関するまちがった情報があらゆるところに氾濫しすぎです。

>たぶん日本の上のおじさんたちは「鈍感」な人種がどんどん増えてくれるほうが統治しやすくていいんでしょう<

仰るとおりだと思います。「保守」が諸悪の根源です。

>よく性犯罪者がフツーのよい男性、よい父親だったりするという話、あれも「使い分け」の結果だと思う。 <

そうなのでしょうね。彼らにとって妻子は自分の大事な存在、というより、所有物という感覚なのかもしれませんが。日常的な世話をしてくれて優しくされること、寂しくないことを願っている反面、他人には何もしてもいいと思っているのでしょう。ただ、彼らが妻子を健全な感覚で愛せているかは疑問です。目に見えない形のDVなどもありますし、自分に甘い存在がほしいだけなのかもしれないと思います。

>私も本当は外にでたくない。
そして本当なら外に出たい。
でも外に出ても、がんばってもがんばっても、ただ傷つけられることばかりだった。 <

同じ気持ちです。辛いですよね。
私もセクハラへの免疫というか非常にストレスを受けやすくて、性的な目線や態度というのには本当にぞっとします。

>なぜ声を出せなかったんだ」といいますが、「恐怖のあまり声が出せない」のです。
理屈ではありません。
それこそ本能ですのでとしか言えません。 <
>皆さん、性犯罪者が「元気そうで」「体力あって」「キャー」っと悲鳴をあげて、
110番しそうな人をわざわざ襲うと思いますか?
なかには己の判断ミスでそういう人もいるでしょう。
でも大抵は、そんな抵抗する力のない人を襲うんだと思います。 <

そうなのですよね。大声を出せるわけありません。
仮に出せても、その後よりひどい目にあうでしょう。誰かが飛んできてくれるはずもなく、また人気がないところを計画的に狙うことも多い。
なぜこんなにも単純なことが理解されないのか、歯がゆいです。衝動的ではなく計画的なのです。

>被害者は遭ったこと自体だけがつらいのではない<
これ、ものすごくわかります。
私も、人間関係を失ったこと、その後の日常生活がめちゃくちゃになってしまったことが一番つらかったです。そして、過去を知られると余計に自分に不利な状況がつくりだされることで永遠に苦しむのだとも思いました。
しばらくは私も働けそうにないです。働きたいのですがね・・・。

>「加害者」を取り締まり、「被害者」を救済する・理解することを、
「自衛」を説く前にきちんとやってほしいです。 <

これにつきますね。胸がつぶれそうな現状ですが、私はしつこい性格で(笑)、あまりにひどい現状が少しでも変化するような気がすると、単純に希望を持ってしまいます。少しずつではありますが、変えていけるといいなと思います。

また、いわゆる「古風でおとなしい」女性はそれはそれで、大変なのもよくわかります。私もそうだったし、今もそう見られがちです。
なので厚化粧くらいのフルメイクが戦闘服です。
男性は勘違いしたり勝手なことをしようとするし、女性も意味不明な妬みなどありますし、もう八方ふさがりでした。
きっと彼ら彼女らの感覚では、セクハラ=モテ、という意識なのでしょう。理解不能です。

>「そういう奴らはアンナミラーズみたいな店には最初から行かないのよ。パン屋とか、いかにも狙ってませんって店に出没するのよ」 <

ああー確かに!よくわかります。
女性を性的な目で見るのを失礼という意識が全くないのですよね。
そして、そういうところに行くのは気が引けるのか、集団でないと行けないのでしょう。ガキなのだと思います。

[C305] MARU様

>田嶋さんの主張に対して、右派たちが言った言葉が印象的でした。
「襲う方が悪いことなんて当然わかってる。その上で、襲われるような状況に身を置くのはあかんのちゃうか?と言いたいんや」ということ<

それって、自分の身は守るけど、その代わりに他の人が被害に遭っても知らない、ということと同じ意味に聞こえるのですが、全くもう何なのでしょう。
これは性犯罪以外の犯罪については言いませんよね。そこが性差別意識なのだと言っても、わからないのでしょう。

そして、肝心なところ、権力のあるところ等には男性ばかりで、その男性たちはランキング思考というか俗物感覚が強く、そしてその方たちが好み、また日常接する機会がある女性というのは、やはりランキング思考が強いと思うのです。
なので気付かない。自分が同じ目に遭わない限り。
なので性暴力はこれだけ放置されているのだと最近は思います。
現状があまりに知られていなさ過ぎる。聞く耳を持たなすぎです。

>彼らには「アバズレ女がたきつけるから勘違い女が増える」位に思われるだけ。
思想と思想、理念と理念、信念と信念の闘いを招いてしまう。
お互い、相手を「馬鹿」と決めつけて終わるだけ。
不毛です。 <

確かにそうなのです。

>「夜道を歩くな」派の思いこみは、道徳意識や思想など、彼らの背骨を貫く強い何かに支えられている。
そこをひっくり返すような女性解放思想自体、受け入れられない。
ならば、思想や理念ではなく、徹底的に冷酷なデータで攻めるしかないんじゃないか。<

これはつくづく思いますね。
顕在化しないと動かせない、行政は数値に弱い、というのは、ある方からお聞きし、私も本当にそうだなと実感します。
しかし、調査すら、難しいです。
調査が難しいということは、それだけ解決が難しい問題でもあるとも思うのですが。フラッシュバックをおこさせないような調査方法というのが難しいです。
そこまで精度が高くなくてもいいのなら、方法はあるのかもしれないですが・・・。
デートDVの調査などに、性被害に関する調査も一緒に入れてくれないかと思ったりします。

他国でも、やはり調査研究からスタートしましたね。70年代とかですが(ため息)。
もう待てない、そんな余裕はない。
日本だけ違うはずがない、加害者処罰が甘いのだから恐ろしいことになっているはず、と思うのですが、ピンとこないようですね。

>彼らには、このデータを冷静に突きつけ続けるしかないと思います。
それでも、
知人が加害者であれば、「被害者がその気があるように振る舞ったのでは」、
子どもが被害者であれば、「気の狂った特殊な親族や知人に当たって、可哀想に」、
そんなレベルでしか理解されない可能性は高いと思います<

それでもあきらめずに言っていくしかないですね。
女性だけでは蔑む傾向がありますから、男性を味方にして巻き込んでいくこと、が必要なのかもしれません。

また、これも書いていてふらふらするのですが、
既に受刑中の性犯罪者への調査ももっとするべきです。
そうでないと更正や矯正プログラムもつくれないでしょう。(しかし他国でも明確な効果は出ていないのであまり期待していないのですが、でも必要はあります)
しかし彼らは本当のことは言わないでしょうね。
軽微な犯罪であっても、また疑いの段階であっても、DNAをとるようにしたらかなり変わってくるとは思うのですが、加害者に甘い国ですから人権侵害だのどうのこうの言うでしょうね。せめて指紋くらい徹底してとってほしいです。

あれこれ考えて唸っています。

すぐに結果やアクションにつながらなくても、考え続けることが大事なのかもしれません。

[C306] しつこくすみません

>いわゆる「古風でおとなしい」女性はそれはそれで、大変なのもよくわかります。私もそうだったし、今もそう見られがちです。


私は元々曽野綾子的な保守的なタイプでした。
「世の中の平和のために」自分がしたいことはできるだけ我慢して、上のことに従わないといけない、先生に迷惑をかけてはいけないと、 周りから「いいこぶってんじゃないよ」とのけ者にされても、上の言うことをできるだけきいてきた。
でもそれは自分のためではなく、「世の中をよくしたい」思いからでした。
「上は世の中を考えていて、正しいんだ、道徳を守っているんだ」と信じていた。

でも、その結果は、悲惨なものです。


ネットなどをみるとわかりますが、
一部の男性は「いまどきのオンナは主張ばっかりしてさー。好き勝手に遊びまわってさ。そんなのいなくなればいいんだよ」
とかいいますが、
彼らは彼女らと働き、同じ空間・時間を共有し、最終的に結婚します。
一部の男性たちだって、自分の主義や理想をどこまで一体貫く覚悟や努力をしているのか。
女性は男性次第で変わります。
女性次第で男性の本能が抑えられるなら、自分たちもそう努力してください。


結局、おたがい好き勝手して、筋の通らないことのしわよせは、一部の「ひたすらいうことをきき、我慢するいい子」にいきます。

あんなに「言うことをきかない人は、後々困るんだよ。だから言うことを聞きなさい」「偉いね」といっているけど、
いざというときは、「勉強も仕事もできない(そう仕向けられる)人間なんか、ほっとけばいいよ」てなる。
そういうつもりじゃなかったにしろ、「結果的に」そうなっているのです。
おなじこと。言いわけなんかききたくない。

だったら、最初から言わないで。
そういうつもりでなくても、私は一生をかけて「騙された」と思ってる。捨てられたと感じている。
人生を返してくれと思っている。

一部(私の経験では大多数)の男性は、周りと交流することも、はっきり人前で意見をいうこともなく、
「勝手な願望」を赤の他人におしつけてきます。
そして勝手に「疑似体験」してよろこぶ。
そして一部の女性はそれを見て、男性にではなく、被害をうけている女性に悪意を向ける。
皆で悪口の大合唱が始まる。誰もとめてはくれない。
こき使いまくって、やっかいものにして、捨てる。
「人間の持つ本能だから仕方ない」の?


もし曽野さんのいうような女性が「本当に」世の中から褒められて優遇されるなら、世の女性はきっとそういう人が多いはずでしょ。

でもみんな、わかっているんですよ、言うこと聞いたって、損するだけだって。
スケープゴートにされて、「お人よしのバカでしょ」って笑い物にされるだけだって。
やっかいものにされるだけだって。

「使い分け」の男性からは格好の「都合のいい妻」にされるだけだって。

だから私は誰にも愛情をもてない。人間なんて身勝手。

「おとなしそうな女性」が少しでも自己主張したり、好きな行動をしたら、一斉にたたくけど、
「最初から行動的な女性」には、何も言わない。むしろ、ヘラヘラごきげんとったり、わがままもきく。
そして「おとなしそうな女性」になんでも頼んで、自分の裏側の支配欲をぶつけまくって、すっきりする。

「行動的でワガママな女性」に言えないうっぷんを、なぜ常日頃いいつけを守る人にさらにぶつけるのかな?
卑怯だと思いませんか、そんな自分が。


一見、性犯罪と関係ない話と思われる方もいるでしょうが、
これは私個人の体験だけではなくて、性犯罪に共通する根底の心理です。
たとえおおっぴらに性犯罪をしてなくても、そういう思考はいたるところで見られます。

戦争や、怖い女性や、その他のことを我慢する、その褒美として、一部の「弱い女性」をあてがっている。
褒美があれば、誰でも無理なことをしようと思うでしょう。
でもその「褒美」は、なんの関係もない、「赤の他人の幸せ・努力」を犠牲にして、生み出されているんですよ。
そんな村社会、もうやめましょうよ。

私は、巷の意見と異なるけど、「女性が好き勝手していい」とは思ってません。
「女性解放」=「なんでも好きなことしていい」だと思ってない。
そうしたら、ますます弊害が増える。
男性はますます臆病になって、ますますうっ屈した支配欲を陰で増大させていく。

自分の国で「フェミニスト」を自他ともに認識している男性が、よその国で少女を買春しても、
それでもその男性は本当にフェミニストですか?立派な男性ですか、夫ですか、父親ですか?

その少女は仲間ではないですか?
その人が見えないことろにいてくれれば、同じ女性として気が楽ですか?
たとえそれが「二次元」の存在だったとしても、本当に生身のパートナーを愛していることになるのですか?
旦那がグラビアを見ていて平気ですか?

私は人間としても愛されたい、女性としても魅力的だと思ってんもらいたい、
そのための努力をなぜしてはいけないですか?
「存在自体が邪魔」だったら、私も誰も存在できない。
実際本当に行き場がない。


>「そういう奴らはアンナミラーズみたいな店には最初から行かないのよ。パン屋とか、いかにも狙ってませんって店に出没するのよ」

「もし仮に職務質問されたって、『パンを食べていただけですが、何か』と言えばいい」


性犯罪者は「いかにも疑われそう」な場所になんかそういません。立場や服装は関係ありません。
ものすごく狡猾で、保身を考えて行動します。

そのことを言った友人も、会社でセクハラに遭っています。
でも彼女以外の人はみな「彼はいい人」だというそうです。
わかるでしょ、性犯罪者は隣にいる「普通の人」なんです。


(この場をお借りして長々すみませんでした)
  • 2009-12-03 14:55
  • allegra
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[C307] allegraさま

コメントありがとうございます。

私と同じだーと思うところが沢山ありました。

お返事を書いていたのですが、思わぬダメージをくらい、頭がうまくまわらなくなっています。
いま外出してネット環境が悪くなったのもあり、しばしお待ちいただけますでしょうか。

[C309] allegraさま

こんばんは。

なんだか胸が痛くなりました。
私は、今はこんなに自己主張が強く口げんかも強いですが、全く自己主張ができない子でした。自分の思っていることは遠慮して言わず、気を遣って相手の気持ちを察してあわせることが普通でした。
迷惑をかけてはいけない、まわりを世の中をよくしていくのが当たり前で、誰もが基本はそうだと思っていました。

なにより、性善説すぎました。被害に遭ってから、ただでさえ打ちのめされているのに、それに追い打ちをかけたのが、加害者のみならず、二次加害三次加害をする沢山の人の、ぞっとするような悪意でした。人は人を差別したがる、見下したがる性質があるんだというのを認めるのが辛かったです。
そういうことは人生経験を積むうちに徐々にわかってくることであるはずなのに、ひどい攻撃、迫害のような差別という形で、たぶん世間一般よりひどい形で、身を持って思い知らされるということが、辛かったです。

それまでの価値観や人や社会へのイメージが、こっぱみじんに打ち砕かれるのが、人間不信、社会不信、ひいては自分の存在そのものを否定してしまう無力感につながり、とても孤独で辛くなりました。
でも、そう感じるのは無理もないことです。
それほど、過酷な目にあい、生き抜いてきたということでもあるのだと思うのです。
被害に遭ったことで、それまでの、人間関係、日常生活が失われました。夢も将来も失いました。自分の小さなささやかな世界が壊されてしまいました。

>一部の男性は「いまどきのオンナは主張ばっかりしてさー。好き勝手に遊びまわってさ。そんなのいなくなればいいんだよ」
とかいいますが、
彼らは彼女らと働き、同じ空間・時間を共有し、最終的に結婚します。 <

これもよくわかります。とても混乱させる矛盾したメッセージですよね。
いま思うと、たぶん大切にするものが違うのだと思います。二次加害をする人たちと、そうでない人の違いは、「自分がどの位置にいるのか」を異常に気にするランキング思考だと思います。
(また別途エントリをあげたいと思っています)

でも、辛いですよね。
一生懸命真面目に生きてきた自分よりも、ひどい人たちが優遇されること。

>一見、性犯罪と関係ない話と思われる方もいるでしょうが、
これは私個人の体験だけではなくて、性犯罪に共通する根底の心理です。
たとえおおっぴらに性犯罪をしてなくても、そういう思考はいたるところで見られます。 <

私もここに気付くまで時間がかかったのですが、本当にそうなのですよね。
加害者だけではなく、二次加害をすることに疑問を持たない人は、男女差別、性差別で染まっているのだと思います。
性暴力の問題を解決するには女性解放運動を伴う、というのは本当だとしみじみ思います。
日本はまだまだです。
そして、allegra様が鋭く指摘されているように、「本当の」女性解放というのが、女性もわかっていない人が多く、そういう人がコミュニティの大小問わず、上にいますね。
権力を握っているところに人の痛みがわかる人がなかなかいない。人数が少なければどうしても偏りが出ます。ある程度数がないと駄目なのでしょう。女性の意見が反映されるには、女性比率が40%はいるというのは、真実だと思います。
簡単ではありませんが、それでも続けていくことが大切なのでしょう。
できる人が、できるときに。やりたい人が、やれることを。

>性犯罪者は「いかにも疑われそう」な場所になんかそういません。立場や服装は関係ありません。
ものすごく狡猾で、保身を考えて行動します。 <

これも本当にそう思います。DV加害者と同じで、浅いかかわりでは見抜けないです。
特定の相手にだけ本性を見せるのです。
知れば知るほどつくづく、逮捕起訴されるのはある意味「わかりやすい」異常性を持っている加害者だと思うのです。でも、そうでない加害者は沢山いるのも感じ、そして彼らはよほどの証拠がなければ逮捕さえされなかったり逮捕されても不起訴になったりします。
本当に怖ろしい現実です。

allegra様の感じていらっしゃること、鋭い、なるほど、といつも考えさせられます。こちらの感覚も研ぎ澄まされ、感謝です。とても励まされています。

[C313] 補足です

分かりにくかったようで、ごめんなさい。
ひとつ気になったので、補足させてください。

>>田嶋さんの主張に対して、右派たちが言った言葉が印象的でした。
>>「襲う方が悪いことなんて当然わかってる。その上で、襲われるような状況に身を置>>くのはあかんのちゃうか?と言いたいんや」ということ<<

>それって、自分の身は守るけど、その代わりに他の人が被害に遭っても知らない、とい>うことと同じ意味に聞こえるのですが、全くもう何なのでしょう<

えっと、ここの部分、よく分かりませんでした。ごめんなさい。
この発言は、田嶋さんが「悪いのは襲う方なんだよ」と繰り返すのに対して、
「田嶋さんの言うことは我々も当然よく分かっている。襲う方が悪いのは当然や」というニュアンスの発言でした。
彼らがどういう意図で発言したのかは分かりませんが、
わたしがそのとき、彼らの発言を聞いて感じたことは、
「この人たちは、この人たちなりに強姦を悪としているらしい。ただ、強姦の現実を知らないことや性差別的な価値観に染まっていることのために、強姦=襲われる女にも原因があるというステレオタイプな発想を持つのだ」ということでした。

下線部が、その時わたしが非常に重要だと感じたことです。
なるほど、彼らは彼らなりに「強姦=悪」だと思っている。
その点は、わたしとつながることができるかも知れないと。

「もやい」の湯浅誠さんの議論の進め方をテレビで見ていて、非常に感心しました。
異なる倫理観、価値観を持つ人と討論する際には、
感覚的・感情的ではない、正確なデータと論理性、隣接分野はもちろん社会に対する幅広い視野が不可欠だと感じました。
で、そういう論戦は、「わたしにはできんな~」と思ったりもするわけですが。
(少なくとも性暴力に関しては。今のわたしには)。
被害者意識によって冷静な議論ができないだろうし、
何より自分自身がしんどくなりそうで。

ただ、湯浅さんが本で、論戦の際にとても冷静に見える自分の態度について、
「そう振る舞うしか仕方ない。隙を見せるわけにいかない」
という旨を書いているのを最近読み、
あれほどの知識の裏打ちと現場叩き上げの根性を兼ね備えた人でも、
そんな風に感じているのだなぁと思うと、
どんなことでも、自分がやるか、やらないか、その決断だけなのだなぁ、
もとから強い人なんていないのだなぁと、しみじみ思いました。

大藪さんや小林さん、すごいなぁ、強いなぁ、よく続けられるなぁと思ってましたが、
彼女たちも、何もかも投げ出したくなる日もあるのかも知れないな、
今もカウンセリングにかかりたくなるほど、心が揺れ動く日もあるかも知れないな、と。

性暴力被害者に対する調査は困難も多いですが、少しずつ進んでいるようです。
アジア女性基金による「高校生の性暴力被害実態調査」
http://www.awf.or.jp/pdf/0161.pdf
内閣府「男女間における暴力に関する調査」
http://www.gender.go.jp/e-vaw/chousa/images/pdf/chousagaiyou.pdf
など。
誰か、こういう調査を網羅的に把握して、論陣を張ってくれないかなぁと
他力本願なことを考えています(^^;)

人間、他人を変えることはできませんね。
特に、その人の根っことなるような、その人の育ちに関わるような、
根本的な倫理観や価値観を変えさせることは、ほとんど不可能です。
もしかすると、
誰かがわたしにナチズムの正当性を教え込もうとしても無理なのと同じくらい、
性差別的な倫理観を持った人に、女性解放思想を教えることは難しいことかも知れない。
(お分かりいただけるとは思いますが、ナチズムと女性解放思想を同列に論じる意図はありません。念のため)
動かすことができるのは、もしかして「他人」ではなく、「常識」そのものかも知れません。
長い時間をかけて、強姦の現実を知らしめていけば、
「被害者が悪い」という発言に納得する人は減るでしょう。
裁判員として性犯罪を裁いた人の感想で、「これまでこんなに性犯罪の刑が軽かったことが驚きだ」という発言を新聞で読みました。
少しずつ常識が動いていけばいいなと、少し希望を持ったりしています。

相変わらずの長文、すみません。
  • 2009-12-07 00:17
  • MARU
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[C314] 補足の補足

「下線部」が出ませんでしたね、すみません(^^;)

「この人たちは、この人たちなりに強姦を悪としているらしい」の部分です。

[C315] MARU様

MARU様コメントありがとうございます。
その番組に出ているのは、ある程度権力者という地位にいるだろうということを前提に書いたものです。政治家や学者など。
以前に、「防犯をよびかけるのが警察の仕事なのだろうか」http://manysided.blog85.fc2.com/blog-entry-40.htmlで書いたときから、ずっと考えていたのです。

防犯、自衛は大切です。性犯罪以外にひったくりや強盗もあります。
なにより、怖い思いをしてほしくない、傷ついてほしくないという思いです。
夜に一人で歩いてなり自転車なりで帰る女性と別れるとき、何度も「気をつけて」と言ってしまい、とても心配しています。あまり押し付けるのも変ですが。

一方で、自分が被害に遭ってからも遭う前と同じく「何かあってからじゃ遅いんだから」といい続ける原家族の言葉、悪気はないのでしょうがとても傷つきました。私はもう遅い存在なのか、とりかえしがつかない、普通の人と同じ人生を歩めない存在なのか、と。胸に突き刺さりました。
深読みとわかっているので自分の中でためこむしかありませんでした。

ただ、うちの原家族は、私が本当に助けてほしかったときは私を絶縁しました。「迷惑だ」「あなたのおかげで他の家族も迷惑をこうむっている」と。実際にそうなので何もいえませんでした。自殺未遂の後しばらくしてからでした。本当に見捨てられたのだなと思いました。

つまり、「気をつけて」という防犯自衛を呼びかける言葉には、うちの原家族のように「キズモノになったらどうしようもない」という呼びかける側の、スティグマを付され世間から貶められる存在(キズモノ)にしたくない、という意識もあります。

でも私が友人やらそのこどもたちに思うのは、「傷ついてほしくないから、怖い思いをしてほしくないから、立ち直るのがどんなに困難か身を持って知っているから、そういう思いをしてほしくない」と、その人たちを心から愛する(というと大げさでしょうか)からきています。
「何かあっても遅いということはないし、加害者が悪くあなたは悪くない、でもつらい思いをしてほしくないから気をつけてほしい、あなたが大切だから」と思います。いちいちそんな大げさなことを言うとひかれそうでなかなか言えないですが(被害者ということはリアルでは明らかにしていないので)。
そういう思いの人が殆どであるように願いたいですが、これだけ性犯罪被害者にスティグマがふされる世の中では、そうは思えないのですね。

では、前のエントリに書いたように、警察が毎年おこなっている防犯の呼びかけ。
これは、警察の立場からするのはおかしいと思っています。
自衛することで犯罪にあうリスクは減るでしょう、その人本人は。
ですが、犯罪者は闊歩して“獲物”を探し続けます。ほかの人が被害に遭うだけです。
同じ加害者が、どれだけ多くの被害者を出し続けるのかを知っているか知らないかの差かもしれませんが、社会全体の安全を考える立場の警察が、そういうことをするのは無責任だと思うのです。

でもこれが一般常識とされている世の中です。
権力者も同じです。それは、小泉が養護学校の子どもたちの性教育教材をとりあげたのと同じ考えなのような気がするのです。権力者の子どもとは状況が違うのです。
http://www.cafeblo.com/safrica/entry-5538c258df058c99f322af9c1dc24454.html

すみません、うまく伝わっているかどうかわかりませんが、
結局は、自衛を呼びかけても、加害行為をする側には何の歯止めにもなりません。
それに、天災などのリスクと違い、人災です。加害行為がなければ被害者は出ない。なのに加害をしないようにする教育はなされていません。デートDVですら、学校によっては拒否されています。

なのに、そこが全然理解されていないのを残念に思うのです。

悪いのは加害者、というのはそう思ってはいるのでしょうが、
他の犯罪と違い、実際に被害に遭った場合は、被害者が責められるのが性犯罪です。
予防は、本質ではなく、本質は実際に被害に遭った場合です。
自衛を強調することで余計に被害者は自分を責めます。社会が被害者に責任転嫁している構図だと思います。なので、個人的には、特に権力者には言ってほしくないと思っているのです。

MARU様が仰るように、実態をつきつけていかなければならないのでしょう。
調査も、教えていただいてありがとうございます。
何度かエントリにしようかと思うのですが、書いている途中で具合が悪くなったりします。
どれだけ多くの人がひとりで苦しんでいるのだろうと思うと。

ただ、データがどこにあるか等は集めてはいるので、助かります。
MARU様が教えてくださったのは、知らなかったのもあるので、たいへんありがたいです。

湯浅氏の本、タイトルがわかれば教えてくいただけるとありがたいです。
「かたつむりの歩き方」という本を私は心の支えにしています。
通じるところがあるかもしれないです。
一部引用しますね。

「考えてほしい、変わってほしい、そのために私の話を聞いてほしいと、私は思っている。
そう思う以上、私は聞いてもらえるような話し方を考えなくてはならないし、
周囲に何か変わってもらうためには、私の方がより働きかけなければならない。
変わることに相手が納得できるような働きかけ方を考えなくてはならない。
その難しさに、フーフー言いながらも、私は声を発する。

気楽に、自然に行こうよ。自分にそう言い聞かせて、
ついつい肩に力が入りそうになる自分をおしとどめている。
臆病者が目をつぶって刀を振り回さないように、
自分にできることを越えて走り出さないように、
家族の顔を思い浮かべ、あのおばさんの言葉を思い出すのである。」

本全てがいい本なのですが、在日韓国人、というところは、たとえば「性犯罪被害者」にあてはめてもとてもしっくりします。

ミニスカ論争でお返事遅くなり本当にごめんなさい。
でも、少しずつ風向きが変わってきたのを感じますし、
性犯罪がこれだけ多く、甘く見られている原因もわかってきました。
味方が多くいるというのが嬉しかったです。
これからもどんどん増やしていきたいですね。

こちらこそ長文ごめんなさい。

[C317] 湯浅誠さんの本

「脱「貧困」への政治」 (岩波ブックレット)
だったような気がします。記憶が定かでなく、すみません(^^;)
http://www.amazon.co.jp/%E8%84%B1%E3%80%8C%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E3%80%8D%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-%E9%9B%A8%E5%AE%AE-%E5%87%A6%E5%87%9B/dp/4000094548

「かたつむりの歩き方」のご紹介、ありがとうございます。
ああ、そうだな、そうだ、と頷きながら読みました。
自分と少し立場が違う、けれどやはり何かしら抑圧されている方の文章は、
時に自分と同じような被害を受けた仲間の言葉よりも、響くことがありませんか?
わたしはそうです。
(あまりに自分に近い立場の方の言葉は、ささいな違いが気になったり、
自分自身が苦しくなったりするせいかも知れません)。
そして、「小さな神の作りし子ら」という戯曲を思い出しました。
こちらは実話を基にした聾者の物語です。

被害者、被差別者、マイノリティは、
自分が生きるスペースを確保する、ただそれだけのために、
いつも多大な労力や犠牲を払う必要がありますね。
そのこと自体、とても理不尽なことではあるけれど、
この社会で生きていこうと思うなら、必要な手続きなのかも知れませんね。
ああ、めんどくさ。

もしかすると不快にさせてしまうコメントだったろうか…と、
すこし気になっていました。
運動を進める上で、怒りや恨みが他人を動かすことは難しいというのは、
最近のわたしの実感なのです。

最近、責められる側に立ったことがあります。
(何らかの暴力をふるったわけではないですが、自分の加害者性に気付いたことがあり)
いやもう、人間って何て自分勝手なものだろうと、わが身を振り返って思いました。
整理できたら、いずれブログに書くつもりですが…。

[C318] MARU様お返事ありがとうございます。

MARU様、不快ということは全くないのでご安心を。
私は、正直に素直に思っていらっしゃることを仰ってくださるのが嬉しいのです。本気で向き合ってくださるのが嬉しいです。
それに、私は、MARU様のしなやかさ、考え深さにずいぶん支えられています。

本や戯曲をお教えいただいてありがとうございます。ぜひ読んでみたいです。

>被害者、被差別者、マイノリティは、
自分が生きるスペースを確保する、ただそれだけのために、
いつも多大な労力や犠牲を払う必要がありますね。<

そうですね。本当に面倒だなあと思いつつ、相手の警戒心やレッテルをとりさるには、こちらが警戒させないよう、話を聞いてもらえるよう努力しなければならないのでしょう。面倒だけど、嫌だと言っていたら何も進まないので・・・。

私も失敗しながらですが・・・。
「リンダの祈り」にも、相手が「できない」というのは「なぜできないのか」「何に彼らは困っているのか」ということを根気良く話し合っていった、というようなことが書いてありました。
相手が「あなたの言うことはもっともだけど、こういう事情がが原因でできない」というのを引き出すまでが勝負なのでしょう。そのためには、怒りや恨みは、たくさんあるけれど、長期的に見るとそれを出すのは得策ではない。自戒をこめて自分に言い聞かせています。実際、自分のときより改善されているところは多いわけですから。

>人間って何て自分勝手なものだろうと、わが身を振り返って思いました。<

何があったかわかりませんが、あまりご自分を責めないでくださいね。私もそういうこと、あります。
完璧な人間なんていないのですし、誰しも、多かれ少なかれそういうことはあると思います。
意図せずに傷つけてしまっても、正当化しないのは心が強いことだと思います。それは誰でもできることではないのですから。きっと、反省し謝ったりの繰り返しで生きていくのではないかな、そうありたいな、と私もおもっています。

[C449]

曾野綾子は笹川良一の妾腹ですから、男尊女卑思想が染みついているのでは。夫の三浦朱門は文化庁長官だった時、強姦容認発言をした大馬鹿野郎の腐れ鬼畜ですから。惨刑なんて、このババァを含め、中曽根康弘、石原慎太郎といった危険人物を月に何回も登場させ、極右思想をばらまいているわけですし。…まあ、廃刊も間近でしょうから、せいぜい悪あがきをすればよろしいのでは? その狂奔ぶりを肴に、一杯引っかけたいので。
  • 2011-01-12 14:05
  • 匿名
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  • 編集

[C463]

女を強姦できる体力がないのは男の恥、とか吐かした亭主の三浦ナントカ(名前を書くのも汚らわしい、ペッ)と共にさっさとあの世へ行け!! …だけど現実は、こういう奴らが長生きするんだよなぁ。…はぁ。
  • 2012-03-14 19:41
  • 匿名
  • URL
  • 編集

[C468]

私も性犯罪のニュースを見るたびに、心を痛めております。
私は幸い性犯罪にあったことはありませんので、辛い経験をされた方々から見れば的外れな考え方をしているかもしれませんが、

夜遅くに出歩かない、ミニスカートをはかない、等に気をつける事で性犯罪にあうリスクを減らせるのであれば、喜んで受け入れますし、自分の娘にも伝えていきたいと思ます。
性犯罪にあうよりも、ずっとマシです。

女性が自由に安全に生きる為には、社会をより良く変えていく事と同時に、女性自身が自分の身を自分で守る警戒心を持つ必要があると言いたいのではと感じました。

加害者が悪いのは当たり前です。
加害者のせいにしても、結局また性犯罪が起きてしまうし、自分達の生活が安全になるわけではないと私は思います。

もちろん、女性が悪いわけではありません。
おそらく、女性が危機感を持つことで、少なからず性犯罪にあう確率が減らせるのではないか、提案をしているのだと思います。

とはいえ、やっぱり加害者がいなくなるのが一番なのですが・・・
女性に不利な社会ですよね。
  • 2012-08-21 20:39
  • HN未記入は削除対象
  • URL
  • 編集

[C469] Re: タイトルなし

性犯罪の加害者を対象にした調査から、
被害者をどうやって選んだのかということについて、
服装で選んでいるわけではないという結果が出ています。

おとなしそう、抵抗しなさそうな女性を狙うことが多いそうです。

痴漢なども、黒髪のほうが茶髪より狙われやすいということもあるようですし、
派手な格好をした方が変質者にあわなくなったという経験談もよく聞きます。
私自身も似たような経験があります。

服装うんぬんは関係ありません。

「仮に」警戒心を強く持つことで(ですが人間ですのでいつも同じように最大レベルを保つのは無理です)
リスクが減ったにしても、
加害者は狙いにくそうだと判断したら、他の「獲物」を探し、そして犯行に及ぶわけですから、
どんなに警戒レベルをあげても、結局は他の人が被害にあうだけで、犯罪自体は全く減りません。

無知なコメントは別館の方にお願いします。今後は承認しません。


> 私も性犯罪のニュースを見るたびに、心を痛めております。
> 私は幸い性犯罪にあったことはありませんので、辛い経験をされた方々から見れば的外れな考え方をしているかもしれませんが、
>
> 夜遅くに出歩かない、ミニスカートをはかない、等に気をつける事で性犯罪にあうリスクを減らせるのであれば、喜んで受け入れますし、自分の娘にも伝えていきたいと思ます。
> 性犯罪にあうよりも、ずっとマシです。
>
> 女性が自由に安全に生きる為には、社会をより良く変えていく事と同時に、女性自身が自分の身を自分で守る警戒心を持つ必要があると言いたいのではと感じました。
>
> 加害者が悪いのは当たり前です。
> 加害者のせいにしても、結局また性犯罪が起きてしまうし、自分達の生活が安全になるわけではないと私は思います。
>
> もちろん、女性が悪いわけではありません。
> おそらく、女性が危機感を持つことで、少なからず性犯罪にあう確率が減らせるのではないか、提案をしているのだと思います。
>
> とはいえ、やっぱり加害者がいなくなるのが一番なのですが・・・
> 女性に不利な社会ですよね。
  • 2012-08-24 01:49
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  • 2013-01-27 15:03

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    プロフィール

    てん

    Author:てん
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    (※★→@で送信可)
    itisnot_yourfault★yahoo.co.jp


    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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