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注目されだしたから慌てて真剣に更正を考えるらしい

裁判員裁判が各地で一斉に始まりだして、胸が痛むとともに、
いろんな報道を見て、何を今更、と、思うことが多い。
そんなの、ずっと前からそうだったでしょう、というくらい、根本的なところが問題視されている。
裁判員裁判に限らない、とつくづく思う。
世間に実態が知られていない歯がゆさに、苛立ちを感じてしまう。
ようやく問題にされはじめたか、と思ったのは、私だけではないはず。



たとえば、更正について。

http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20091119ddlk08040119000c.htmlより転載
(強調は引用者)

シンポジウム:法曹三者、更生保護を議論
「裁判員裁判で関心増」--常陸太田 /茨城


更生保護制度施行60周年を記念するシンポジウムが、常陸太田市中城町の市民交流センターで開かれた県更生保護大会に合わせて行われ、「裁判員制度時代の更生保護」をテーマに、水戸地裁の鈴嶋晋一判事▽水戸地検の上本哲治検事▽谷萩陽一弁護士の3人が議論した。

 保護司ら約900人を前に鈴嶋判事は、5月の裁判員制度開始後の変化ついて「(評議で)裁判員が保護観察の実態などに関心を向けるのは自然ではないか」と指摘。上本検事も、市民の裁判員参加を通じ「矯正や保護の分野への要望も出てくる」と述べ、執行猶予判決を下すにあたって、更生保護制度への注文が増えるとの見通しを示した。

 犯罪白書によると、08年は保護観察を付ける判決が執行猶予判決全体の8・3%だったのに対し、裁判員裁判開始から10月9日までの5件の執行猶予判決のうち、すべてに保護観察が付いた。谷萩弁護士は「保護司の役割が大きくなっている」と述べた。【杣谷健太】


実態が知られたらまずい、というように読める。
そりゃ、私は実態を痛いほど知っているけれど。
保護観察なんて、判決受けた被告人は、無視しまくってるけど、
戦後65年近く、今までずっと放置してたくせに、と腹立たしい限り。


今まできちんとしてきたのであれば、注文は増えないと思う。
増えるのなら、今までの現状を反省する必要があるでしょう。
(実態を知っている私は、根本からひっくり返すほど変えていかないと駄目だ、
と前から思っていたけれど)

ともかく、変えていってください。
今まできちんとしてこなかったツケがまわってきて大変だろうけど、
刑事裁判の意味がない、ってくらい、
その後は知らん、という姿勢で、
無責任極まりない、勝手なことをしてきたのだから。
もっとずっと前から、真剣に、再犯や更正の可能性を考えるべきだったのだ。

注目されないと考えない、外圧がないと適当にやるのだな、とつくづく思う。
どういう人間が法曹になるのか。
どういう教育を受けて、どういう研修を受けて、法曹になるのか。
もっと、世間は、知ってほしい。
とても安心して暮らしてはいられない現状なのだから。


ちなみにこんな記事も見つけた。


http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091121k0000m040093000c.htmlより転載

保護観察:元被告、観察所出頭せず 裁判員裁判で執行猶予

 横浜地裁で10月にあった裁判員裁判で、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決が確定した元被告の男性(21)が釈放後、所在不明になり、横浜保護観察所に出頭していないことが20日分かった。関係者によると、男性は保護観察所に現住所を知らせていないという。

 男性は勤務先の社員寮で2月、傘にライターで火を付け、柱などに燃え移らせたとして現住建造物等放火罪で起訴された。公判では柱まで燃える認識の有無が争点となった。地裁は10月8日、より法定刑の軽い建造物等以外放火罪を適用し、更生を期待して有罪判決(求刑・懲役4年)を言い渡した。

 横浜保護観察所によると、通常は保護観察付き判決の確定後、元被告は2~3週間以内に保護観察所に出頭したうえ、担当保護司との定期的な面会なども義務づけられている。保護司への連絡を怠ると、執行猶予が取り消されることもあるという。【杉埜水脈、池田知広】



いやいや、こんなのよくある話だっただろうに。
なんで、初めてのような扱いをしているのか、さっぱりわかんない。
腹立たしい限りだ。


別館にも同じ記事をあげます。http://d.hatena.ne.jp/manysided/20091121

被害者に口なし

某芸能人の公判の模様の報道を見て。
「たぶん差はここ」のエントリで書いたことは、やはり当たっているのだなと思った。

被告人が、一緒にいた女性が亡くなったのをいいことに
(それについての裁判は別途行われるようで、捜査中とか)、
勝手なことを言っている、「死人に口なし」作戦だ、と報じられている。


個別の事件をとりあげるのは、
性犯罪被害者としてだけではなく犯罪被害者としても気が重いのだけれど。

たしかに容態急変したのに放置したとか、ありえないことをしている。
で、それ以外の言動についても苦しすぎる弁明をしているとか。

※どうしても性がどこかで絡む事件ではそうなるのかもしれないけれど、
このあたりは性的な表現がばっちしあったので、検索するのはやめておいた方がいいと思う。


思ったこと。


亡くなられたことを軽んじるつもりは全くないのだけれど。

どうにもこうにも世間との違和感を感じる私には、
「死人に口なし」というよりも、
「被害者に口なし」という表現が正しいのではと思ってしまう。


だって生きていても、裁判では、
被害者のことを好き勝手に被告人が嘘八百ならべる。

しかも、このように注目されている事件なら、
検察官も厳しい追及をするけれど、
そうでなければ、
ほんとうに検察官って何もしないし、
何をしたいのかがわからない。

私だけかとも思ったけれど、どうやらそれが普通のようです。



※しかし、なんらかのコミュニケーション障害なのではと思ったほど
 ひどい検察官だったので、もちろん当たり外れはあるだろう。

※年齢の割りにずっと窓際族そのものの異動をくりかえしていたけれど、
 いつのまにか高等検察庁に異動になっていた。
※裁判員裁判が始まるので、人前に出せない無能者は隠しておこうという
 臭いものには蓋人事なのかもしれない。
※存在が迷惑なのでいっそ辞めてくれと思うけれど、
 ああいうのに限って、検察官を辞めたら
 弁護士としては食べていけないので、辞めないんだろうなと思うのである。



私のときの公判担当の検事は、

・連絡さえ逃げる
・弁護士をつけてからも、あまり変わらなかった
・時間つぶしで本当に全く何も追及しなかった
 (示談するのを待っていた模様、出廷すると言うと慌てていたそうな)
・調書も読んでない
・裁判官が少し質問したくらいで、ヤツは全く何もしなかった
 (法廷にいただけ)

・何百ページにわたる、加害者が書いた上申書という名の嘘八百てんこもりのポルノ小説、
 吐きそうになりながら相違点をチェックして書き込んだのに、
 全く何もしなかった。ポイントくらい押さえてくれ。
・加害者は法廷でも私について、嘘八百言っていたけど、放置。
 結婚してほしいと私が言っただの、
 私が何股もかけていただの、
 はては私の体についても卑猥(という表現しか思い浮かばない)なことを言っていたらしい。
・とにかくありえないのだ。
 裁判は出来レースなので、はっきり言っちゃうと、検察官も裁判官も、誰にでも務まる仕事だと思う。
 なら私も適当にすればよかった、と思うけれど、こっちは命がかかっているのでね・・・


今書いていて思ったけれど、
彼は争点が何か、というものさえわからなかったのではないか。
というより把握するつもりさえなかった。
全面否認している加害者なので、もう全てが食い違っているのだけれど、
それを整理するということさえ、していなかったのだな、と思う。
というか、コロコロ供述変えるのさえも追及しないのって、どうなんだ、と思う。

言うことすべてに反論するのはそれは大変だろう。
でも、仕事だろう。
そんな点も??と思うくらい、
大きなところさえも何も質問しない、追及しない、というのはおかしすぎる。
調書、読んでないとしか思えなかった。
私自身が中傷されたことよりも、事実を追及するというのをしなかったというのが、
すごく悲しいし悔しい。
(誹謗中傷は、加害者だけでなく、他からもずっと続いていたので・・・)


刑事裁判なのに。


本当に迷惑な税金泥棒だ。


このエントリ、
自分のことは少し茶化して書いたつもり(でないと書けない)なので、
読んだ方には、たぶんよくわからない点が多いかもしれないけれど、
ちょっと詳細に書くのは本当に無理・・・。

本当に、何度、テロをおこそうかと思ったかわからないくらい、
この検察官への怒りはなかなかおさまらない。
書けばキリがないくらい、彼はおかしかった。もしくは何もしなさすぎた。
今、少しだけれどこうして書けるようになっただけでも、私にとっては大きな進歩だ。

本当に、彼がもっと頑張っていれば、
他に何百人と被害者が出ることはなかったのに。
私が苦しむのは変だなあと最近ようやく思えるようになったけれど。

法定義も判例も変だけど、それでも、納得できないものを感じる。

彼はもっと自分の仕事に、責任の重さを感じてほしい。
それができないのなら、本当に、辞めてほしい。

最高裁だけじゃなくて、全ての裁判官にも何らかの形で国民審査をするべきだと
私は思っているけれど、
検察官にももっと考えてもらわなくては。
実際に被害に遭った人だけじゃなくて、他にも多くの犠牲者が出てしまう。
性犯罪の場合は特に。


なんだかちっともまとまっていないけれど、
頭ががんがんと痛くなってきたのでこのへんで。



別館にも同じエントリをあげます。
こちらは性暴力に理解のある方限定ということでお願いします。

性暴力被害の啓発と防止を考える講演とシンポジウム「性暴力被害からのSTAND UP!~性暴力をなくすために」(徳島県主催)

大薮順子さんの、性暴力をなくそうキャンペーン講演会と写真展
徳島県警が産婦人科医と連携するという取組みを最近ご紹介したので。


徳島県でのシンポジウムに大薮順子さんが講演されたのをご紹介。


http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/10/2009_125634853414.htmlから転載(強調は引用者)

性暴力に負けないで 徳島市内、
被害防止訴えシンポジウム
2009/10/24 10:34


 性暴力被害の啓発と防止を考える講演とシンポジウム「性暴力被害からのSTAND UP!~性暴力をなくすために」(徳島県主催)が23日、徳島市内のフレアとくしまであり、約120人が耳を傾けた。

 フォトジャーナリストで全米性暴力調査センター名誉理事の大藪(おおやぶ)順子(のぶこ)さんが講演。自らが10年前に受けた性的暴行のほか被害者を取材した経験を話し、「恥じ入るべきは加害者で被害者が自分を悪い、恥ずかしいと思う必要はない。被害に遭ったからといって人生が終わるのではなく、自分を取り戻して回復していける」と強調した。

 シンポジウムでは大藪さんをコメンテーターに県警本部の近藤稔ストーカー対策官、阿南共栄病院産婦人科の滝川稚也(まさや)部長、フェミニストカウンセラーの石田邦子さんが意見交換した。

 近藤対策官は、県内産婦人科医と連携した支援ネットワークづくりや不審者情報の携帯電話への提供などの取り組みを紹介。滝川部長は性感染症の検査や治療を受けるタイミングについて「医学的に正しい知識を持ち、慌てず適切に対応することが重要」と訴えた。

 石田さんは、被害者の怒りが子どもへの虐待など次の被害を生む可能性を指摘し、「被害者だけでなく次の世代のことも考え、関係者が連携して回復のシステムをつくる必要がある」と話した。

 大藪さんが約2年かけて被害者70人を取材・撮影したプロジェクト「性暴力サバイバー達の素顔」の写真展も、25日まで同所で開かれている。



大薮さんの言葉。
「恥じ入るべきは加害者で被害者が自分を悪い、恥ずかしいと思う必要はない。被害に遭ったからといって人生が終わるのではなく、自分を取り戻して回復していける」

全く持ってそのとおりである。
被害に遭ったからと言って、違う生き物になったわけじゃないんだからね。

なのに、世間はわかってないなぁと思うことだらけである。
ふう。。。
私は被害そのものによるダメージもきつかったけれど、それ以上に、
くっついてはなれない、差別の眼差しがきつかった。

今は嫌味くらいいえるけれど。とっさには無理かな。
昨日もダメージ食らって寝込んでいたのでした。
若い女性って残酷。女性の無理解の方が傷つく。
パンダじゃないっつーの。
今度会ったときにどう対応しようか考え中。


でも、恥ずかしくないと思うことと、身を守ることは違うと私は思う。
実は私は匿名で活動しているので、しかも最近活動し始めたので。

長年、実名で活動されている方々
(そういう方は実は数多くいらっしゃるけど、もちろん全員ではない)
の一部から嫌われちゃったりしている。ははは。
協力していけると思ったんだけどなあ。
もちろん私にも配慮が足りない点はあったと思うけど、ちょい辛い。
先輩なのは間違いないしそれを否定するつもりはないけど、新米のくせに、と言われてもなあ。。。変なの。
「環状島=トラウマの地政学」通りのことがおこっている。はあ。

そりゃ実名で表に出れれば話は早いのだけれど、と思うこともある。
伝えたいけど伝える手段がないのにもどかしい思いをすることがある。
でも、家族も守らないといけないし、これ以上いろんな攻撃に遭いたくないのだ。



さて、徳島県はがんばっているようなのは間違いない。
女性に「気をつけろ」と言うだけで、加害者がのさばっている現状を許すどこぞの県警とは大違いである。


でも、この記事にある「被害者の怒りが子どもへの虐待に向かう」ってのは違う。
むしろ、虐待された経験や、いじめられた経験があったりして、どこか自尊心が低いと、
加害者は目ざとく一瞬で見つけ出し、計画的に狙うので、被害に遭いやすい傾向があるのだと思う。
性被害を受けた女性は過去に虐待されていた経験をもっていたりすることが実は多い。
また、DV被害の女性は、過去に虐待されていたり、もしくは性被害にあったりしていることも多い。

どっちが原因とかではなく、何らかの暴力に遭うと、あまりに傷ついていて、身を守るのが難しくなる。
加害者は、何人もいる女性の中から、そういう女性を見抜き、計画的に犯行に及ぶ。
暴力ってのは、性被害だけじゃなくって、あらゆる暴力である。DVやモラハラ、パワハラ、などなど。
だから性被害にも何度も遭ったりしてしまうこともあるけど、それも決して被害者のせいではない。

この事実を認めるのは私はかなりきつかった。
自分が悪いと思っていたから。

でも。
ある方に、「加害者の問題」ときっぱり言われて、それからそのことをじっくり考えるようになった。
それを何年も何年も考えて、
今ようやく、自分のせいじゃないと思えるようになった。

よく私は「優しそう」と言われる。スカートの時は「女らしい」とも。あんまり嬉しくないのだけど。
気を強く見せるために、戦闘服としてフルメイクは必須である。
家にいる時はすっぴんだけど。
あと、うまく立ち回ることができない。計算高く動くことができない。


でも、だからといって、それにつけこむ加害者の行動を、全て私のせいにされても困る。
私に何かつけこまれやすいところがあったとしても、それに全ての人がつけこむのではなく、
むしろ長所としてとらえてくれることもある。

だから、本当に、加害者の問題なのだ。


ある人が教えてくれた例。

自転車に鍵をかけ忘れていて盗まれても、被害者が悪いとは言われない。
盗んだほうが悪いと言われる。

なのに、性犯罪は、被害者が悪いと言われる。
セクハラも。モラハラも。


なんなんだろう、この現実。


この記事も、書いた人も字数制限があるだろうから、発言者の本当の意図はわからないけれど。
どうか、真にうけないでください。


環状島=トラウマの地政学環状島=トラウマの地政学
(2007/12/20)
宮地 尚子

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たぶん差はここ

多くの人が知る、裁判や検察、警察のこととは、
重大事件とされる事件のことを、報道を通して知る。

そして報道にもある程度ストーリーがあり、
問題とされることは加害者や被害者をより傷つけることにもなり、
報道されない。

むしろ、被害者や加害者にとって重要なことであっても、
世間はそう捉えない。
なので報道されない。

そして、世間一般の人は知ることがない。
本当の実態を。


さらに言えば。
警察も検察も裁判官も、世間から注目されてマスコミに注目されていれば、
優秀な人物が担当する。
彼らが考えられる限りの、彼らの感覚での「きちんとした」対応をする。

そして世間はその一面しかおそらく知らない。
もちろんその中にも不備はあるのだが、それさえ、
世間の同情を大きく引くようなものでなければ知られることはない。
報道されないのだから。


もっと悲惨なのは、
関係者が「重大事件でない」と見なしたものは、
「きちんとした」扱いさえされないということだ。

性犯罪は、
たとえば判明している被害者の数が多い事件。
被害者が子どもである事件。
性暴力以外にも悪質な点がある事件。

そういったものは世間が怒りを表明し、そういった報道もされるのだが。


性犯罪に関しては、
「優秀」とされる人でも、組織全体が知識も何もないため、
ただしい知識を持っていれば不起訴にすることもなく、
加害者側に反証することもできるのに、
それさえできない。


残念ながら「重大事件」とされないものは、
窓際族の検察官が担当し。
本当にひどい扱いを受ける。


性犯罪が他と違うのは、被害者が傍聴にさえ行けないことだ。
家族や友人に行って様子を見てもらうよう頼むことさえ、できないだろう。
少なくとも私はできない。
どんなにひどいことを言われているのか、目の当たりにはさせられない。
傷つけたくない。

それをいいことに、あまりに好き勝手にされてきた。


告訴を取り下げるという前提で警察は適当にしか捜査しないのが多いし、
示談する、だから大した罪にはならないと検察官には最初から適当に扱われ、
示談するまでの時間つぶしのような公判が行われていた。


被害者参加制度を使い、弁護士を立てれば、代理人として法廷の中に入ることもできるけれど。
それまでは、弁護士も傍聴することしかできなかった。
あまりにおかしな進行がなされていても、何もできない。
検察官に連絡しても、検察官が聞く耳を持たなければ何も変わらない。


どっちが原因か結果かもごちゃごちゃのまま、
窓際検察官が担当し、まともな反証もせず、
出来レースのような裁判で、相場どおりの判決が出る。
最初から決まっているのだ。
判決なんて、その理由付けにすぎない。


それが現実だった。
たぶんあまり知られていない。


裁判沙汰に巻き込まれたくない一般の人の思いはわかるけれど。
あまりに刑事裁判のおかしさ理不尽さを体験した者としては。
一緒に真剣に考えてほしいと思う。
私の知っている限り、現実を伝えるから。



私は、起訴されていいねとさえ言われることさえあるけれど。
逆に、とても孤独感を感じることがある。


でも、犯罪なのに、
事件として受理さえされない、
不起訴にされる、
さらには検察審査会に申し立ててもやはり不起訴にされる、
そして高等検察庁に申し立ててもダメ。


何度も同じことを話し、否定され、私より何重にも傷ついた人もいる。


裁判となっても、
無罪判決
(法定義と判例がおかしいのと、それを疑うことない司法関係者は一番感覚がおかしく、
正しい知識もないので、無罪とはいえ、無実ではない)
が出たり。

一生否定されたまま生きていかなくてはならない。



「無罪という名の冤罪」という言葉をある方から教えてもらった。
言い得て妙である。
でも、「無罪という名の冤罪」の加害者は、もちろん再審請求なんてしない。


被害者は、再審請求なんてできない。
権利さえない。


冤罪が問題視され、警察も検察も謝罪し
(検察が謝罪したのは裁判員裁判で国民の支持を得るためだ、今までならありえなかったことだ)、
裁判官も謝罪しないのかと言われている。
毎日のように報道され特集まで組まれている。


でも、司法の独立という名の横暴の、ほんの一面だ。


そこは共通しているけれど、

どれだけ多くの被害者が、謝罪してほしいと思っただろう。
そんなこと思うことさえできないほど傷ついている。
あまりの理不尽さを、なんの権利もないことを思い知っているから。

不起訴にされたことを。
無罪とされたことを。
謝罪してほしいと思っても、それすら求めることはできない。
どれだけ多くの重すぎる涙が流れているのか、思いを馳せてくれる人さえいない。

もう二度と関わりたくないという思いを加害者だけでなく、司法関係者にさえ思い。
頼りにしないと決める。
法よりも何よりも大事なものがある。


納得のいく結果の裁判なんて、ない。

重大事件と見なされなければ。
被害者の意見をきいて検察は控訴してくれない。

最初から決まっている、出来レースだし、
弁護士に転じたら食べていけないほどの
無能な窓際検察官が担当していたのだから。



なのに加害者に控訴され上告され、何年も裁判の時間がかかり、
より大変な思いをすることある。
全て加害者の都合。
加害者を守る国の都合。



それでも、どうやら世間はいいようだ。
しょせんヒトゴトなのだから。


私の受けた傷なんて大したことないのかもしれない。
私は、なんど訴えなければよかったと思ったかわからない。
世の中というものをよく知っている、賢い人は訴えないんじゃないかとさえ思ったこともある。
でも、訴えざるを得なかった。
そうでなければよりひどい結果になっていただろうから。


性犯罪は他の犯罪とは違う。
たとえ初犯であっても、それは捕まったのが初めてということであり、
犯行自体は絶対に初めてではない。
あまりに手慣れていると、自分の事件のことだけでなく、あちこちで聞いた話で思うことだ。


加害者にとっては、あまりに簡単なことだ。


そして、司法も世間も誤解しているが、「性的欲求が抑えられず」犯行に走るわけではない。
判決文には必ず「自己の性的欲望を満たす身勝手さ」「女性の人格と尊厳を傷つけ」
等と出るけれど。
彼らにとっては、「性的欲望を抑えられない」というわけではなく、
最大限の屈辱を味あわせるということで、全能感を抱くのではないかと私は思う。
支配した感覚。
全てをコントロールしたという感覚。
それはきっと彼らにとっては、気持ちの悪いことだが、やみつきになるようだ。


彼らにとっては、性的欲求うんぬんの話ではなく、趣味みたいなものなのだ。
吐き気がする現実だが。


判決で「女性の人格と尊厳」と判を押したように言うけれど、
自分たち司法関係者が途中で被害者の人格と尊厳を傷つけているのは棚上げだ。
そもそも「尊厳」の意味さえわかっていないだろう、と思う。


司法関係者は、言葉を知らない。


世間は、パターン化された、重大事件のことしか知らない。


重大事件とされる被害者の遺族の手記を読むと、
あまりに待遇も検察官の対応も違うことに慄然とする。
まるで別の組織のような警察であり検察である。


加害者はあまりに守られている。


検察は、勝てそうなものしか起訴しない。
「容疑者」を裁判中に犯罪者扱いするな、刑が出るまでは「容疑者」だというのならば。
まず、検察に文句を言ってほしいと私は思う。
有罪率が高いことを知っているの?その原因を知っているの?と思うのだ。


結局、被害者参加制度も、裁判員裁判も、改正審査会法も、
検察のこれ以上の横暴を許さない装置だ。


裁判員裁判と改正審査会法が同時にスタートしたのに、
そのことを関連付けて捉えている人は見当たらない。


ときおり、どうしようもない孤独感に陥る。
被害者の中でも、ひとり浮いているような気持ちになる。


それはみんな個々の事情でそうなのだと思う。
ひとりとして同じ事情はないのだから当たり前だ。
ひとりひとりの話を聞くたびにそう思う。


むかし、自分と似た、「特殊な事情」がある被害者の方と出会えたときはとても嬉しかった。
今は、「特殊な事情」が、「刑事裁判をしたこと」そのものになってしまっている。
ちょっと辛い。
誰かとわかちあえたら。


そして、あちこちで、「被害者差別」を感じる。
障がい者差別や同和差別、外国人差別。
女性差別は、それらほど差別として認識されていないとよく言われるし、私もそう思うけれど。


でも。
「被害者差別」は悪いとさえ思われていない。
さらにいえば、「性犯罪被害者差別」ってものすごい。
これっていったい何?


本来、性暴力に理解がある人でさえも、支援者でさえも、
「被害者は何も変わっていない」
「被害を受けたからといって、他の人と違うことはない」
という認識がどこか抜けている人は、やはりいる。


あるところで、
いくら悪くないとはいっても、現実問題、被害者は、よい条件でその後の人生を過ごせない。
という人もいる。
何の悪意もなく、むしろ理解のある立場の人なのだろうが。
だからこそ余計に傷が深くなる。
そしてそのことに疑問さえ抱いていないのだ。


だけど。
現実を知らずに、「資料」として扱うのはやめてほしい。
もう、言葉遊びはやめてほしい。
言葉遊びにしか見えない。


やめろとはいわないけど、実は私はかなりきつい思いをしているのは事実だ。
どうせあなたたちの答えは決まっているではないか。
いちおうの不快感を示してはおく。



同じ内容を別館にもあげている。

期待を持ちたい 徳島のニュース「性犯罪被害者支援ネット:産科医と警察が連携強化」

徳島で、産婦人科医が県警と連携して、性犯罪被害者支援のためのネットワークをつくるそうです。
まだ第一回協議がなされたということで、まだこれからということなのでしょうが、
なにしろ、ワンストップ支援センター(クライシスセンター)をつくりたくても、医療機関そして医師の確保が日本は非常に難しいので、医師がこういった取組みに積極的に取り組んでくれるのは嬉しいものです。

注目したいと思いますので、以下、毎日新聞の記事より転載です。http://mainichi.jp/area/tokushima/news/20091016ddlk36040538000c.html

性犯罪被害者支援ネット:産科医と警察が連携強化 効果的な捜査に--初会合 /徳島

県警や県内の産婦人科医による性犯罪被害者支援のためのネットワークが14日結成され、県医師会館(徳島市幸町)で第1回協議会が開かれた。

 ネットワークは、医師と警察が互いに連携を強化することで、性犯罪被害者の負担を減らし、効果的な捜査につなげることが目的。99年に発足したが、登録医師の転勤などで形骸(けいがい)化していた。県警が改めて協力医師を募り、県内の18医療機関から医師19人が登録した。

 協議会には産婦人医ら約20人が参加。多田卓司・捜査1課広域捜査官らが、性犯罪被害者が受診の際、人目につかないようにするための対処方法、DNAの採取方法、性犯罪の発生状況などを説明した。今後、年に1、2回協議会を開く。日本産婦人科医会の三谷弘・県支部長は「性犯罪は被害女性の尊厳を踏みにじる行為。的確な証拠採取や診断、治療が大切」と話していた。【山本健太】




ワンストップ支援センター(クライシスセンター)もできると言うし、
少しずつ、性暴力への眼差しが変わってきたのを感じます。
多くの方のおかげです。

産婦人科医はどうしても体力勝負なので、女医さんのなり手が少ないです。
個人病院はどんどん閉鎖されていっていますし、大きな病院で勤務医となるしかないのが現状のようで、よけいになり手が少ない、なっても体力が続かず辞めてしまう。
そういった状況が、クライシスセンター創設の一番のネックでした。
なので、結婚や出産で一線を退いた女性産婦人科医などが登録制ででも、性暴力に対応できるようにしてほしいなあと思っていたので、なんだか嬉しいです。徳島県内で19人が登録ということです。
お名前がわかればお手紙を書きたいです。


医師の皆様。助産師、看護師の皆様。
受診で二次被害がおきることがないよう、どうか、配慮してください。
本当は、性暴力がないのが一番いいのですが、性暴力にあったとき、きちんとした対応をしてもらえることがどうしても必要です。


県警が協力医師を募って、というのも、徳島県すごい、と素直に思いました。
どうかこの取組みが全国に広がりますように。


・・・さんざん警察の悪口を書いてきた私ですが、最近支援者の方から聞いたのですが、警察の中にも、被害者が元気になったか等、気にしてくださる方もきちんといらっしゃるのを知りほっとしました。裁判を傍聴に行ったりもされるとか。
捕まえるだけで、裁判なんて気にしないからロクに証拠も揃えられないんだよ、とぶちぶち悪口を言っていたので、ちょっと反省しました。そういう熱意ある警察の方の存在を知るだけで嬉しいです。


「リンダの祈り」にあるように、聞く耳を持ってもらえるよう、そして責めるのではなく何が障壁となっているのか相手の困っていることを把握し、現状を良くしたいという思いに重ねて要望できるように、少しずつ動いていきたいと思います。


ブログでは詳しく書けないですが、流れが変わってきたのを感じます。
結局は、本当に、人なのだなと思うのです。
耳を傾けようとしてくれる方、話を聞いてくれる方に出会えたことを感謝し、わかってもらえるよう、働きかけていきたいと思います。少しずつですが、できることをしていこうと思います。






<参考>

『女性の安全と健康のための支援教育センター』 サイト内

◆研修講座 ― SANE(性暴力被害者支援看護職)養成講座

◆支援教育センターの出版事業


<さらに参考> ※フラッシュバックに注意してください。

性暴力被害者専門看護職養成ビデオ完成! 放送日:2006/06/17 ―下村健一の「眼のツケドコロ」


医療関係の人達と、NHK、TBS、テレビ朝日のディレクターなどのボランティア協力によって、『性暴力被害に遭った人への急性期看護ケア』というビデオ教材が誕生した。制作プロジェクトのリーダーを務めた、茨城県立医療大学助教授・加納尚美先生にお話を伺う。


■医療現場と制作現場のプロが共振して

――どうして、そういうビデオを作ることになったんですか?

加納:
看護師は、強姦被害者に出会う機会が一番多く身近にあるのに、被害者のケアについてほとんど教材や資料がなく、教育の中でもきちんと採り入れられていないんです。私たちは、NPO『女性の安全と健康のための支援教育センター』で専門講座を開いていますが、そこでも、どういう風に被害者に対応するべきかを具体的にイメージできる教材がないというので、今回製作する事になりました。

――医療関係者だけでなく、テレビ各局の現場ディレクターなどがビデオ作成を手伝うことになったのは、何故ですか?

加納:
初めは、独自に作る予定で映画会社に聞いたり、見積もりも取ったんですが、思ったよりもかなりお金がかかると分かりました。最後の手段として、ホームビデオで作るしかないかな、とも考えたんですが、TBS関係者の方が(別件で)取材に来られた際、「全く違う話なんですけど」と相談したら、「地下鉄サリン事件の被害者ケアをしているNPO『リカバリー・サポート・センター』に依頼したらやってくれるんじゃないか?」とアシスタント・ディレクターの方が助言して下さったんです。それで、早速相談に伺ったんです。

最初は、同じ犯罪被害者でもタイプが違うから、とかなり躊躇しておられたようなんですが、お話していくうちに、大切なことは《被害者にどう接していくべきか》という点だと理解していただけたんです。



『リカバリー・サポート・センター』のスタッフの中には、地下鉄サリン事件の取材を通じて入ったというメディア関係者も複数おり、それぞれが更に自分の知り合いを引っ張り込んで、今回のプロジェクトチームが出来上がったというわけだ。参加者には、完全にボランティアの人と、形式上は制作会社の業務として参加したNHK関係者もいるが、その人達にしても、受け取った制作費から経費を引くと、利益はたったの2000円というから、限りなくボランティアに近い。


加納:
お金はあまりなかったので、無理やり値切りました(笑)。
加納先生自身も、ビデオの中で警察官役を好演している。とにかく低予算で仕上げるのだという徹底ぶりが窺える。


■役者ではなく、現職が演じるリアリティ

――ビデオの中味は、どういった内容になっているんですか?

加納:
レイプされた被害者が病院にやって来た、という架空の事例を元に、病院でどう対応できるか、やってはいけない事、具体的に必要なケア、データなどを盛り込んでいます。
現実に病院でそういう仕事をしている方々が演じているので、非常にリアルな内容になっている。「レイプされたけど病院に行くのが怖い」と悩んでいる人も、どういう事が出来るか、このビデオから容易にイメージできると思うので、ぜひ参考にして頂きたい。


<作品より>
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ナレーション: 被害者がレイプに遭ったのは午前11時。警察に届けたのは、午後3時。午後5時に病院を訪れました。妊婦や、子供を連れた人のいない時間を選ぶ事で、被害者の心理的な負担を軽くする事が出来ます。


助産師: ここの問診室で、お話を伺わせてもらっていいですか?
被害者: はい。
助産師: はい、こちらになります。警察の方は、どうしましょうか? 一緒にいてもらったほうがいいですか?
被害者: …外で待っててくれますか。
助産師: 外で待ってもらっていいですか? (警察官に)じゃあ、すみませんが外で待ってて頂いていいですか? (被害者に)じゃ、中に入って、椅子があるので、好きなほうの椅子に座って下さい。
被害者: はい。
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このナレーションをしているのは、TBSの長岡杏子アナウンサーだ。彼女も、業務時間外に無報酬で参加している。


――こうやって、問診が始まるんですね。


加納:
はい。既にこの段階で、いくつもの配慮すべき点が列挙されています。まず、産婦人科なので、なるべく一般の患者が待合室にいない時間帯を選びます。それから、助産師が必ず自己紹介をしています。1つ1つの動作のたびに、被害者本人に選んでもらうなど、自己決定の回復も配慮しています。
レイプされるという事自体、自己決定権を完全に奪われる体験であるから、それを回復する事から始めるのがポイントだ、というナレーションもビデオには入っている。


■随所に被害者への細かい配慮

次に、助産師による被害者への問診が始まる。


<作品より>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
被害者: あの、妊娠したらどうしようかという事がすごく心配で、あと、性病とかもうつされちゃうことがあるんですよね?
助産師: 妊娠の心配については、ピルを飲むことで妊娠の可能性を低くする事ができますので、後で先生に相談してみましょう。性病の検査も出来ますし、もし必要があれば治療も出来ますからね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



――ここでのポイントは?

加納:
本人がすべて言葉に出来ない部分、表情で何か言いたそうだなという所を察知しながら、出来るだけ(被害者が)言いやすく、質問しやすくする事です。
被害者に対応するのは、助産師だけでなく、研修を受けて資格を持っている看護師でも構わない。


加納:
私たちのNPOでは、そうした認定証を発行しています。
レイプに遭った時の状況を被害者の口から語らせるのは、本人にとって辛い場合が多い。しかも、警察で話した事をまた病院で繰り返させるのは酷なので、病院側が警察から聞いていいかどうかについても、被害者の意思を問う。
場面は、被害者の承諾を得た上で、問診室の外で待っている警察官の所に、助産師が話を聞きに行く所へと移る。



<作品より>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
助産師: そしたら、警察の方から少しお話を聞いて来たいんですけれども、誰か、一緒に待っててもらったほうがいいですか? 
被害者: いえ、1人で大丈夫です。
助産師: 大丈夫ですか? じゃあ、警察の方からお話を聞いて来ますので、ちょっとここで待ってて下さいね。そんなに長い時間はかかりませんから。


(問診室の外で)
助産師: 田中さん、すみません。お待たせしてます。ご本人から許可を頂いたので、少し被害の状況を教えてください。被害に遭った時間というのは、大体何時ぐらいですか?
田中: 本日の11時ということです。
助産師: (書き込みながら)2006年3月3日の11時ですね。被害の状況は…
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――ここでのポイントは?

加納:
被害者に何度も同じ事を聞かない、という点です。何度も聞く事によって、二次被害を引き起こす場合がありますし、何よりも本人が混乱しますので。
質問事項が列挙されている、聞き取り専用のフォーマットを用意している病院もある。


■体液採取、レイプキット、証拠写真…

こうして、看護師や助産師による問診が終わると、次は医師による診察だ。まずは、助産師が、これから始まる診察の手順などを、レイプ被害者の女性に説明する。


<作品より>
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助産師: 長くかかりましたけど、疲れてないですかね? 少し休まなくても、大丈夫ですか?
被害者: はい、大丈夫です。
助産師: それでは、産婦人科の先生を呼んで、診察と検査をさせてもらっていいですか?
被害者: はい。
助産師: 診察の時に、先ほどもお話ししたんですけど、あなたが加害者を訴えようという風に思った時の為に、証拠になる物、たとえば相手の人の体液とか髪の毛とか、そういう物があれば、それを採らせてもらってもいいですか?
被害者: はい。時間が経ったり、シャワーを浴びたりして証拠がなくなっちゃったりするという事はあるんですか?
助産師: 残念ながら、やっぱりそうなってしまう物もあるんですよ。逆に必ず、証拠が採りきれるかというと、そうでない事もあるのでね、どうしても自分がイヤだなとか、ここが辛いなと思ったら、やめてもらってもいいので、採れる物だけ採りましょうか。
被害者: はい。後悔したくないので、あの、お願いします。
助産師: そしたら、今からね、準備をします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



――ここでも、いちいち被害者の考えを聞いていますね?

加納:
はい、そうです。1つ1つをプロセスの中で確認する、という事です。
これは性暴力被害者対応に限らず、どんな病院の患者に対する看護職にも通用する話だと言えよう。
性暴力の診察には、専用の小物「レイプキット」の準備が必要になる。教材ビデオは、ここでその紹介を行なっている。



<作品より>
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ナレーション: この病院で用意した、「レイプキット」です。被害後、直接病院を訪れ、証拠の採取を希望する被害者の為に、このようなキットを病院でも準備しておくと良いでしょう。今回のケースのように、警察に届け出てから来院した場合は、警察で準備している「レイプキット」を必ず持参してもらいます。替えの下着や服も準備します。被害者が着ていた下着や服も、重要な証拠になるからです。
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加納:
「レイプキット」というのは、主に、証拠を採取して保存し、検査に出すという物です。売ってはいません。警察が持っています。このビデオの提供をしてくれた病院では、警察経由で来なかった場合の為に、独自にキットを用意していました。
各病院でも、このビデオを参考に、自前で用意しておくという配慮が必要かもしれない。
診察が終わって被害者に説明するシーンで、医者役として登場するのも、性暴力被害者対応では実際に大ベテラン、まつしま産婦人科・小児科病院の佐々木静子院長先生だ。


加納:
佐々木さんは、富士見産婦人科病院(乱診事件)の女性被害者たちにずっと関わって来た経験の持ち主で、「子宮と女性と地球に優しい」をテーマに掲げて、日々診療なさっている先生です。



<作品より>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
医者: 今、診察が終わりました。心配だったでしょうけれど、性器に傷は全然なかったですよ。膣の分泌物は、加害者の証拠があるかもしれないということで、採りました。膣の中は洗浄して消毒もしておきました。それから、あなたの胸の所を噛まれたとおっしゃいましたよね? そこの部分は、唾液が付いているかもしれないので、ぬぐって採っておきました。さっき診察の時にね、腕に掴まれたような跡があったので、それも出来れば証拠になるかもしれないので、写真を撮らせて頂いていいですか?
被害者: はい。
医者: じゃ、それは後で撮りますね。
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撮影現場は、ぎょっとするくらいリアルな展開が続く。


加納:
今の説明にもあったように、綺麗に洗ってあるとか傷が無いという確認を、本人に必ずフィードバックしているのも特徴です。


■本人の《立ち直る力》を信じて


こうして、レイプを受けた被害者が病院にやって来た初日の全てのプロセスが終わる。だが、被害者女性にとってはむしろ、それからが大変だ。そこでビデオは、助産師が、今後の事を被害者に説明するシーンへと移る。


<作品より>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
助産師: これでホントに全部終わりなんですけど。おうちに帰ってから、まずは消化の良い物を今日は食べて、ゆっくり休んで下さい。今回ね、この被害の事はすごく大変だったんだけれども、今回のこの事は、あなたが悪いってことは絶対無いので、自分が悪いっていう風に自分を責めないようにして下さいね。
被害者: はい。
助産師: それで後は、やっぱりすごく大変な体験だったので、おうちに帰ってから、体がいろんなサインを出して来る事があるんですよ。たとえば眠れなくなるとか、人の足音とか物音がすごく気になるとか、暗い所がダメになるとか、それから、男性を見たらすごくドキドキしちゃったりする事があるかもしれないので、辛い時はもちろん私たちでも相談に乗れると思いますし、何かあったらこちらに連絡をして頂いてもいいですから。
被害者: はい。
助産師: あとは、相談センターというのがすごくたくさんあって、いろんな所で電話相談に乗ってもらったり出来るんですよ。
ナレーション: これは、警察や弁護士会などが発行している、相談のパンフレットです。被害者が持つ悩みを解決するために、様々な機関が相談窓口を設けています。こうした情報を伝える事も、医療現場では必要なことです。
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――被害者の精神的なケアの部分までも、きちんと面倒を見てあげなければいけない、という事ですね?

加納:
そうですね。それから、「自分は悪くない」という事と、精神的だけでなくいろいろな身体症状も出て来るという事を予め知っておくというのも、とても大事なようです。
教材ビデオは最後に、要所要所で解説者として登場してきた産婦人科病院勤務の三田村さんという看護師の、こんな熱い言葉で締めくくられる。



<作品より>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
三田村: 被害者の立ち直る力を信じる事です。日常の、ごく当たり前の業務の中で、ほんの少しの工夫をするだけで、被害者へのケアの質を高めていくことが出来るのです。そして、その中心となるのが、私たち看護職であると思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



自分達が何かをしてあげるというのではなく、被害者が自立し、自分で立ち直っていくのを支援して行くという言葉だ。


加納:
三田村さんとは、12年間一緒にやって来たんですけど、彼女の実感がこもっている言葉だと思います。


――このビデオは、これからどういう風に使われて行くんですか?


加納:
これは研究目的で作ってありますので、研究に参加してくださる方に配布して、アンケートに答えて頂きます。その後は、出来るだけ多くの方に見て頂きたいと思います。



レイプ被害者の実数を考えると、今現在、その対応が出来る専門看護職は圧倒的に少ない。このビデオのニーズは、これから大きくなるに違いない。
今回制作に参加した各局のプロ達も、社会的に意義のある活動で気持ちよく自分の能力を活用できたという爽快感を胸に、「また次も一緒にやろう!」と言って解散した。こういう活動が、レイプ被害だけでなくドメスティック・バイオレンス対策ビデオなど、多方面に広がって行くことを期待したい。




同じ内容を、別館にもエントリをあげましたので、
性暴力に理解のある方以外はそちらへお願いします。

Appendix

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    プロフィール

    てん

    Author:てん
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    性被害にあって十数年たちます。
    刑事裁判経験者です。

    二次被害三次被害等、過酷な経験をし、性被害の後遺症もところどころありますが、それでも、わたしは生きています。今は、生きていてよかったと思います。

    だから、同じ被害にあったあなたたちに伝えたい。
    あなたは何も悪くない。どんな事情があったにしろ、あなたは悪くないのです。どんな特殊性があったにしろ、望みを捨てないでほしいのです。

    悪いのは加害者であり、無理解な社会です。あなたは、何も変わってなどいない。とても素敵なところをいっぱいもっている、素敵な人のままなのだから。


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